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2007年11月27日 (火曜日)

ちょっと早いけどフリッチャイの第九

P1000851ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
イルムガルト・ゼーフリート(sop)、モーリーン・フォレスター(A)、エルンスト・ヘフリガー(T)、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
フェレンツ・フリッチャイ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団・聖ヘドウィッヒ大聖堂合唱団
(1957、58年 ベルリン・イエス・キリスト教会 録音)




ああ、あらやだ。もうすぐ一年終わっちゃうじゃないの。
いやいや、まだ11月・・・でも。

12月って月はもー、私にとってはワーグナー漬けの月。とくに今年の12月は(なんと!)飯守先生のありがたい生ワーグナー大特集を聴くことができるし、そして例によって年も押し迫ってからはバイロイト音楽祭の放送を毎晩聴きつつ一年を終える予定(あくまで予定)。だから第九聴いてるヒマはないはずだから、今から第九聴いちゃう。

そういえば、毎年東京で何十回も行われるはずの第九演奏も、私は12月に生で聴いたことはほとんどない。つーか、普通の月だってあんまり聴いたことない(一度だけ、会社の女の子が合唱団に入ってて、しぶしぶ聴きに行ったことはあったけれど。)。

みんな、今年はいいことあったかぁ~い??

私は・・・私は(泣)。

ヨソウガイに・・・うーん。そろそろもっと何か(人生が変るくらいいいこと)あるんじゃないかなあくらいに思ってた(毎年思ってる)。しかし、別の面から見ると、何も(わるいことは)起こらなかったので、まーまー良かったのかもしれない(と、やっぱり毎年思ってる)。

特に大病もしなかったし、会社も潰れなかったし、上司とも仲良くやってるし、おかげさまで両親も元気だし、姪も甥も賢くすくすく育ってるようだし、ああ何と言っても世にも素晴らしい「トリスタン」を2回も見れたじゃないか。

これで、「悪い年」だなんて言ったらそれこそバチが当たるよ。(まだあと今年一ヶ月あるから、インフルエンザワクチンが効かなくて感染、ぶっ倒れたりするかもしれないけど・・・)

で、第九。
ウチにある唯一のCDの第九である(ベーム=ベルリン・ドイツ・オペラ盤を売っちまったので・・・泣)。え、何でフリッチャイなの?フルトヴェングラーとヘアスタイルが似てるから間違っちゃったの?と思われるかもしれんが。

そんなことはない。

ベルリン・フィルに加え、この歌手の凄さを見よ。ことに、F=Dは唯一の第九独唱の録音だそうである(タワーHPによると)。

色々第九を聴いているわけではないし、それこそベートーヴェンはあまり聴かないので演奏評とかは他のもっとお詳しい方に訊いて、吉田さんとか(←?)。

でも。

全体的に熱っぽい、熱い演奏。ベルリン・フィルのソロの人もいちいちうまい。
道半ばにして白血病に倒れた指揮者・フリッチャイ・・・などという感慨に浸らなくとも、オーソドックスないい演奏であると思う。(ま、フルトヴェングラーみたいに歴史を感じるすげえ演奏ではないけれども。)
音も時代ほどぜんぜん悪くない。

(聴いていると、ウィーンの分離派館のクリムトの絵を思い出す・・・ああ、マーラーがあそこで第九を演奏したんだねえ。)

以前、どの歌唱も説教臭くてキライだったF=Dのソロも、彼のR・シュトラウスやブリテンを聴くようになってから、全く違和感なく受け入れられるようになった。ブログを始めて、色々自分が持っているCDをちゃんと聴くようになって、彼を好きになれてよかった・・・今頃遅いかもしれないけども。ヘフリガーの美声も懐かしい。女声2人もいかにも古きよき時代のいい歌唱。

でも。意外と合唱のない楽章のほうもすごく良かったりする。第1楽章は物々しい緊張感で始まるし、第2楽章はノリノリだし第3楽章なんてすごく綺麗だ。管楽器が、これぞベートーヴェン!的な音を出していて、しみじみうまい。第4楽章だけ聴くのはモッタイナイ(そんな人はいないと思うが)。

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コメント

第9がそんなに好きではないのですが、貴女が1枚ということで、じゃあ自分はどうなのかと思ってデータベースを開いてみたら31枚持っていた・・・。でも世に出ている第9はとっくに100を超えているそうなのでまだ可愛いものか。
そのうえ、新潟でプロ・オーケストラによる第9の演奏、実は聴いたことがないのです(恥)。
第9で1年の厄を落そうなどという大それたことなど考えたこともなく、年末は何を聴くか、といったら特にコレと言うものがなくなったというのが本音です。今年は何を聴き収めにしようかなぁ。
そういえばフリッチャイのはまだ持っていんかった。貴女のブログをみて、急に欲しくなりました。明日買っちゃお。

投稿: IANIS | 2007年11月28日 (水曜日) 00時32分

キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」で使われているのがこの演奏です。ご存知でした?

投稿: Ervin | 2007年11月28日 (水曜日) 11時07分

>>IANISさん
第九だけで31枚・・・しかもこのフリッチャイ盤はお持ちでないということですね。私はあまり興味のない曲は1枚だけで、心底好きな曲は徹底的に集めたいタイプです(といっても限度がありますが)。是非フリッチャイ盤をお買い求め下さい・・・あまり他の演奏聴いたことないのでわかりませんが(逃)。

>>Ervinさん
へえへえへえ・・・(トリビアの泉)。
意外とシブイところの音源を使っているのですね。映画、ちゃんと観たことなんですけどね(爆)。

投稿: naoping | 2007年11月28日 (水曜日) 19時23分

 風邪にはお気をつけください。こんなCMもあったような気もします・・・「日本の風邪にはヴォツェックが効く」とか。
   
 フリッチャイもレパートリーは広く、50年代に「ヴォツェック」「エディプス王」などをバイエルンで上演・指揮しているようですね。ほか、イタリア・オペラの幾つかはたぶんご存知かと。
   
 この「第九」はもう長らく聴いておりませんが「強力名盤」のひとつでありましょう。
 フリッチャイは、その生涯の短い時間の中で精力的にレコーディングをおこなっていますが、モーツァルトやベートーヴェンのほかロッシーニの「スターバト・マーテル」、バルトークのピアノ協奏曲や「青ひげ公」など、やはりレパートリーは多岐にわたります(「青ひげ」は未聴)。
   
 第九シーズンが終わると新年です・・・「おせちもいいけどカレーもね」、そしてついでに「ペヤングよりもシモーネ・ヤング」と言う人もいる昨今ではありますが(誰が?)、新年と来ればウィンナ・ワルツ。フリッチャイが、けっこう魅力的なウィンナ・ワルツのレコーディングを残しています。オケいろいろで3種くらい出回っています。LP時代に聴いたのはどれだったか忘れてしまったのですが、CDでは、どこかのディスカウント・ショップか大型スーパーの駐車場の露店で手に入れたベルリン放送響とのものが気に入っております(メジャーでないレーベル)・・・おとそ気分で「ま、試しに聴いてみようか」と思ったときにでも手を伸ばしてみてください。
   

投稿: クラシカルな某 | 2007年12月 1日 (土曜日) 20時38分

>>クラシカルな某さん
こんにちは。私も風邪をひいたら「♪せき・声・鼻にヴォツェックが効く」です。即効性はないけどゆっくりと(Langsam)効きますね。

フリッチャイの第九は名盤ですよね!結構フリッチャイは録音は残っているようですが、私はあんまり持ってないのです。これのほかは「悲愴」とニルソンとの「青ひげ公の城」だけです、たぶん。これから開拓していってもいいかな~と思います。

ウィンナワルツ・・・。ウィーン好きのわりにウィンナワルツオンチで(キライというよりも、曲の区別があまりつかない)、CDもクライバーくらいしか多分持ってないのですが、今度買うときはフリッチャイのにしようかなあと思います。

投稿: naoping | 2007年12月 2日 (日曜日) 14時05分

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