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2007年11月11日 (日曜日)

ツェムリンスキー/フィレンツェの悲劇

アレクサンダー・ツェムリンスキー: 歌劇 「フィレンツェの悲劇」
アルベルト・ドーメン(グイド・バルディ)、ハインツ・クルーゼ(シモーネ)、イリス・フェルミリオン(ビアンカ)
リッカルド・シャイー指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ここのblogでは(あくまでここだけで)大人気作曲家、ツェムリンスキーのオペラであります。
しかもついこないだ、関西フィルで飯守先生が演奏会形式で上演されたから、お聴きになった方も多くいらっしゃるだろう。

羨ましい。

各地ブログでは、素晴らしい演奏だったということが書いてあったので、東京に住みいつもオイシイ思いをしてはいるが、関西が羨ましいと思った、このときばかりは。

あ、そうそう、関西アリアドネ行くことにしたからネ。

このオペラ、題名どおりフィレンツェが舞台。ここらへんの時代のドイツ・オーストリア系の作曲家がフィレンツェやジェノヴァ(及び15~6世紀あたりの設定)といった古きイタリアを舞台に作曲された曲が何曲かある。

・コルンゴルト「ヴィオランタ」

・シュレーカー「烙印を押された人々」

・マックス・フォン・シリングス「モナ・リザ」

めったに上演はされないものの、いずれも聴き応え充分の隠れた名作であるから、CDをご購入(廃盤?)するなり、それが不可能にゃらば、それぞれの私の拙記事を参照していただくなりしていただきたく。

たぶん古きよき時代のフィレンツェ(などイタリア地方)が、20世紀前半のドイツ語圏の作曲家たちに大きなイマジネーションを与えていたのだなあ、と想像。どの曲も死とデカダンスのイメージに彩られ、だいたいは夫婦の不倫殺人の「火サス」な内容であることは注目に値する。

さて、本日のお題の「フィレンツェの悲劇」。CD1枚でも余るくらいの短い演奏時間ながら、(コルンゴルト「ヴィオランタ」同様)凝縮された音楽が素晴らしい。

このオペラは、オスカー・ワイルドの原作による。(ちなみにこの原作、プッチーニもオペラ化を構想してたらしいが、何故かナシになった)

<あらすじ>
16世紀のフィレンツェ。商品の売れ行きが悪くて旅先から自宅に戻った商人のシモーネは、妻のビアンカが見知らぬ男を迎え入れているのに驚く。その男はフィレンツェ大公の息子にして跡取りのグイド・バルディ。シモーネは「こいつぁ~怪しい」とわかりつつも、すっとぼけて彼を名誉ある客として、また将来の顧客として歓待するふりをする。

会話のうちに、シモーネの冗談はしだいに棘のあるものになったので、グイドは暇乞いをしようとすると、シモーネは冗談半分に決闘を申し込む。ビアンカは夫を殺すようにグイドに迫るが、彼女の意に反してグイドは武器を奪われ夫によって絞め殺されてしまう。ビアンカは目の前で生じた出来事に心を奪われ、畏敬の念に駆られて彼に近づいてくる。

「どうしてそんなに強いことを私に話してくれなかったの?」
それを受けて夫。
「どうしてそんなに美しいと私にいってくれなかったのだ!」
手を取り合う二人。幕。

・・・というふうに「こんなオチかよ!」と、さまぁ~ず三村風につっこみをいれたくなるオペラである。曲の短さに反比例して序曲は普通に4分くらいある。これがまた素晴らしい。ただ、この曲の初演された(1910年)直前にシュトラウスの「エレクトラ」が1909年に初演されているから、影響を受けてないはずはないと思うが、このはじめのほうの管弦楽がひどくエレクトラっぽい。優美さと凶暴さがないまぜになっている。
(ほとんどメロディ一緒かな~と思う部分が序曲にあり)

登場人物が3人、しかもほとんどが夫のシモーネ(バリトンだと思う・・・なぜかウチの国内盤解説書はテノールの記述が。)の歌うとこがほとんどなので、全体にツェムリンスキーの代表作「叙情交響曲」を思わせる。そして、ツェムリンスキー好きにはたまんねえ瞬間がたくさんある。

このCDは、わりと最近(去年だかおととしだか?)ありがたく国内盤で再発売されたため、お持ちの方も多いと思う。もってない人は手に入るうちに入手されることを強くオススメする。退廃音楽シリーズはすぐになくなっちゃうからさー。
ほかにコンロン盤があるけど未聴。

シャイーはツェムリンスキーを得意にしているようで(あの!大好きな「人魚姫」の名演を思えば)、海中を泳ぎ回る魚のように変幻自在の音楽をうっとりと聴かせる。この演奏しか聴いたことないんだけど、テンポとかツボを得ていると思う。

キャストは、まあタイハイシリーズの平均的なキャスト。男声はもうちょっと有名どこが欲しいかなとも(他のオペラでも)思うが、これは贅沢か。全然大丈夫です。フェルミリオンはあいかわらず知性的なうたいぶり。あまり歌うとこ少ないので、余白にアルマ・マーラーの歌曲(コリン&デイヴィッド・マシューズ管弦楽編曲)を歌っている。アルマの歌曲についてはウチは他にもCDがあるので、別の機会に。


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コメント

ドレスデン国立歌劇場の「タンホイザー」にサンティ/N響の「ボエーム」とヘビーな土日を過ごした白夜です。(しかも明日、いや今日はドレスデンの「復活」に行く予定)

「フィレンツェの悲劇」は一昨年東京二期会の公演を観ました。アルミンクの芸風には合わないのでは?と聴く前は少々心配しましたが、毒こそ些か足りないものの美しすぎるくらいに美しい演奏で(アルブレヒトの生真面目なCDよりはずっと)ツェムリンスキーの音楽を堪能しました。あのときは演出がSM仕立てだったっけ(笑)

そういえばたしか今月琵琶湖オペラが「こびと~王女様の誕生日~」をやるんですよね。観に行きたいけど絶対無理・・・

投稿: 白夜 | 2007年11月12日 (月曜日) 02時04分

>>白夜さん
こんばんは。タンホイザーにボエーム連チャンなんて羨ましい。私は遠い昔にクライバー/ボエームとマゼール/トゥーランドットの連チャンをやったことありますが、私も超若かったので当時は何でもなかったですけどね。

ああ、アルミンクは以前「フィレンツェの悲劇」をやってたのですね・・・その頃あまり演奏会行かなかったもんでして。惜しかったです。

びわ湖・・・。いかにも遠い。私もチラシだけは貰いましたが。福井敬さんがこびとを演じているのは私が聴きに行ったのと同じですね。あのオペラ結構見るの辛いですよ。カワイソウで。

投稿: naoping | 2007年11月12日 (月曜日) 19時51分

こんなところにひっそりカキコ(笑)

3月の新国中劇場オペラ研修所公演の「フィレンツェの悲劇」が飯守泰次郎指揮の東京シティフィルです!

飯守氏のツェムリンスキーといえば「メーテルリンク歌曲集」の素晴らしさが今も耳に残っています。

安いので3回あるうち2回くらい行ってもいいかな(爆)

投稿: 白夜 | 2012年1月22日 (日曜日) 22時56分

>>白夜さん

おや!!飯守先生はついに東京でもフィレひげやるんですね!(←無謀な略)
なるほど1500円は安いですね・・・ってZ席か。スペインの時は聴いた事ないので、予習が必要です。
ツェムリンスキーって東京でも滅多にやらないから、これは外せないですね。

情報ありがとうございました。

投稿: naoping | 2012年1月22日 (日曜日) 23時11分

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