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2007年11月 4日 (日曜日)

ベーム/R・シュトラウス・交響詩集

P1000841 R・シュトラウス:アルプス交響曲、「ドン・ファン」、「ツァラトゥストラはかく語りき」、祝典前奏曲、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、サロメから7つのベールの踊り、「英雄の生涯」、「死と変容」
カール・ベーム指揮/シュターツカペレ・ドレスデン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 
(1957、58、63、72年録音)

今日は久しぶりに、実家に帰ってた(自転車で10分)のですが。
常々頭にあった、二つのCDを探しに。

・カール・ベームのR・シュトラウスの交響詩集3枚組(本日のCD)
・ケンペ指揮のナクソス島のアリアドネ(キング様、ヤノヴィッツ、シュライヤー、プライ、アダムの豪華版)

実家でどこいっちゃったのだろう、と思って毎日過ごしていた。ベームのなんて、夢にまで見ちゃったくらい。が、今日ちょっと探したどっちも見つかった。他の沢山のCDとともに。

ということで、沢山持って帰ってきた。どれも名盤や珍盤というよりは、いかにも私らしい一味違ったコレクション。暫く途絶えがちだったCDレビューがまた再開いたしますので、こうご期待です。

さて今日は、探し当てたベームのシュトラウス集。3枚組で、有名どころはほとんど入っている。
(作曲者と指揮者のジャケットは大企業の会長と社長のような感じである。)

私はこのCDでシュトラウスの交響詩を本格的に聴くようになった。もちろん、カラヤンのとかのCDもあったし、もっと新しい、録音のよいCDも聴いてた。でも。

やはり、ベームの作曲者直伝のこの演奏にはかなわない。文句なし。

3枚組でそれぞれ70分くらいの収録時間なので、これをいっぺんに聴くのは時間がかかる(いや、時間があれば、これを一日で聴くのは全然苦痛ではなくむしろ幸せである)から、特に長いこと聴きたくてしょうがなかった曲を聴くと。

シュトラウスが深くかかわったシュターツカペレ・ドレスデンの演奏はウィーン・フィルとともにシュトラウス演奏では他に比べ物にならない見事さであり。しかも両者の音質は全く違うのだけれど。

最初の「アルプス交響曲」は(うちにあるミトプーの、とか)ウィーン・フィルの弦のなまめかしさはなく、シュトラウスの官能性とはまた別の方向。古式ゆかしく格調の高い演奏。このどちらがより優れているというわけではないが。ドン・ファンも同様。

(ベルリン・フィルとのツァラトゥストラは、まさに「2001年宇宙の旅」の映画に使われた音源なのだという。これはまた別の機会に。)

あんまり録音の少ない「祝典前奏曲」。何がどう祝典なのかは不明。これもBPOとの録音。オルガンの和音で始まり、いかにもシュトラウスらしい(ヒトラー好みっぽい?)華々しさに終始する12分ほどのこの曲、大好きだ。一回ナマで聴いてみたいなあ。入学式とか入社式とかにもいいかも。

・・・だいぶ収録曲をすっとばして。またドレスデンとの「英雄の生涯」。前半はテンポが速く、颯爽とした演奏。ホルンの咆哮がすごい。英雄はまだまだバリバリ現役活躍中といった感じである。

最後の「死と変容」の録音だけ突然新しく1972年。ライブ録音である。ベームの唸り声も聞こえる熱演。オケの音の広がりが素晴らしい。
これも大好きな曲だが、病気闘病中には是非聴きたくない曲である。

(むかーし、FMで聴いたブルーノ・ワルターの古い演奏がこの指揮者のイメージを覆すもの凄いド迫力で、ずっと頭にあるんだけどあれから聴いてないなあ。)

録音は、モノラルとステレオ録音の混在であるが、不思議なくらい差は感じない。モノラル録音の曲でも残響が長くて今聴いてもさほど聴き辛くない。



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コメント

これこそR・シュトラウスの古典的解釈ですね、僕も初めて持ったR・シュトラウスのCDはこれです。アルプス交響曲の格調の高さは未だに最高だと思いますよ^o^

>作曲者と指揮者のジャケットは大企業の会長と社長のような感じである

全くですね^^;

>後の「死と変容」の録音だけ(中略)これも大好きな曲だが、病気闘病中には是非聴きたくない曲である。

確かに(笑)。だけど10年前に夏風邪をこじらせすぎて伏せってた時にこれや「メタモルフォーゼン」ばっかり聴いてました(・・・)。かくいう今もジンマン/チューリヒ・トーンハレ管の演奏で聴いてますが・・・

「祝典前奏曲」はウィーンのコンツェルトハウスの完成記念で書かれた曲ですよ。最後には金管のバンダも加わるなかなか豪華な曲だけど、かなり映画音楽っぽいですよね。


投稿: Shamshyraq | 2007年11月 4日 (日曜日) 22時36分

>>(ベルリン・フィルとのツァラトゥストラは、まさに「2001年宇宙の旅」の映画に使われた音源なのだという。これはまた別の機会に。)

これ、MGMのサントラ盤は契約の関係でベーム盤になっていますけど、実際の映画では、「ドナウ」と同じくカラヤン盤が使われています。カラヤンのはカルショー録音ですから、キューブリックは録音のダイナミックレンジの広さに惹かれたのかもしれません。

投稿: Ervin | 2007年11月 5日 (月曜日) 14時48分

>>Shamshyraqさん
こんにちは。おお、このCDお持ちでしたか。
このアルプス交響曲は本当にいいですね。ゆるぎない自信のようなものを感じます。

>「祝典前奏曲」はウィーンのコンツェルトハウスの完成記念で書かれた曲ですよ。
おお、そうでしたか。情報ありがとうございます。そういえばなんかの記念っぽい曲な感じはしますね。


>>Ervinさん
こんにちは。
>実際の映画では、「ドナウ」と同じくカラヤン盤が使われています。
おお、タワレコの情報を鵜呑みにするところでした。情報ありがとうございます。カラヤンなのですね。カルショーってことで、またCD聴いてみたくなってしまいました。

投稿: naoping | 2007年11月 5日 (月曜日) 19時41分

このジャケットはお宝ですぜ。
アルプス交響曲をはじめて聞いたのは、この演奏です。
AMのNHKで、日曜朝の名曲の泉だったです。
こまぎれに解説を挟みながら、滝のそばをとおりました・・・、とか解説しながらで、中学生のワタシには実に驚くべき音楽に聞こえましたよ。懐かしい。

投稿: yokochan | 2007年11月 7日 (水曜日) 01時27分

>>yokochanさん
こんばんは。指揮者と作曲者のツーショットのこのジャケットは時代を感じますなあ。因みに、解説書には二人が寝椅子に並んでお昼寝している写真があります(勿論、一緒の椅子に寝てるわけではないです)。

名曲の泉・・・シヴイですね。
私の最初のアルプスは・・・多分N響のFMラジオ放送だったと思います。指揮者は忘れました。それより前に、「♪セブン~セブン~セブン~」の部分だけ、民放の何かのテーマ曲になってたのを(母親が毎日ラジオを聴いてたので)毎日耳にしていました。なんだったか忘れましたが。山関係の情報かと(?不明)。

投稿: naoping | 2007年11月 7日 (水曜日) 20時14分

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