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2007年11月16日 (金曜日)

飯守さんのマーラー7番

S1116 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第213回定期演奏会
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
飯守泰次郎指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(東京オペラシティ・コンサートホール)












オシムさんが心配だ。

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今日は急に思い立って、コンサートへ。最初サントリーでのマーラー6番に行こう、そうしましょうということだったが、色々探してたら、今日 飯守さんが7番を振るというのを知り、少し迷って7番に。

私は7番がいまだによくわからない。マーラーの交響曲の中で一番ニガテかも。CDもインバルのとかしか熱心に聴いた覚えがない。

しかし、今一番私にとって旬な指揮者、飯守先生の演奏だったら、もしかして納得する演奏が聴かれるのではないかと。

で、今日はオペラシティホールでは初めて、2階席を取ってみた。サントリーではいつも取る、オケを横から眺める席。マーラーやシュトラウスなどの大オーケストラの上がる時にはとてつもなく楽しい、指揮者もよく見える席だ。

しかし。

オペラシティのホールは全体に真四角で、建築的見せ場の多いサントリーに比べ殺風景、しかもウィークデイのせいか客の入りは6割ちょいくいらい、オケの人の多さに対し、なんだかさみしい客の入り。

しかも。

上からオケを見下げるため、あらー・・・。
「嗚呼、何故殿方の髪と云ふものはなくなつていつてしまふのだらう。」と、感慨にふける。

そんななんとなく悲しい雰囲気(←気のせい)の中、大先生登場。あいかわらずお元気だ。実は演奏の前のプレ・トークのときに先生はピアノを弾き、一緒にうんうん歌いながら熱っぽく曲の解説をされていた。私やその周辺の男性たちは、それを体を揺り動かしながら一緒になってふんふん歌いながら?聴いていたのでした。

かっこいい。巨匠ってのはこうゆう人のことだわ。

で、まー。演奏は想像通り熱っぽい、情熱に満ちたものであったのだが。

演奏がどーの、というよりも。

この曲っていったいなんだね。

音楽って楽しむためにあると思うの、「音楽」だからね。

でも、この曲って・・・楽しいのかしら。わざわざ苦しみを味わうために聴きに行ったのかしら、とも思う。「音が苦」っつーか。そして、飯守先生の大変に情熱的な演奏ともあいまって。

普段、どんなに大好きな曲の演奏中でも「明日の朝食は玉子かけご飯にしようっと」とかアホなことを考えてる私なのに、この嵐のようにハゲしい第1楽章中は何も考えることができなかった。

ただただ、(全然面識ないのに)マーラー大先生の人生の悲しみや苦しみの吐露を、体中にガンガン浴びているような気がした。

まあ、マーラーはオーストリー人だから、もっと身近なイメージでいくと。

(たとえば。)

「花の金曜日に若手平社員が会社の帰りの駅で酒癖の悪い上司に捕まって飲みに誘われてイヤイヤながら行ってしまって会社のグチや説教を思いっきりクラってすごくイヤになってるの図」

<登場人物>
鈴木健一(25歳)、斉藤部長(55歳)

会社の帰りの田町駅にて。
斉藤部長「おや、鈴木君じゃないか。ちょっと一杯やっていかないかね?」

鈴木君「(あ、やっべー、こんなとこで会っちゃったよ。今日は待ちに待ったスッチーとの合コンなのに・・・でも今断ったら年末賞与の査定に響きそうだし)・・・あ、いいですねー。そうしましょう。」

斉藤部長、普段はそんなでもないのだが酒が入るととたんに性格が変り、会社のグチやら説教やらガンガン言いまくる。
「オレなんか、どうせドイナカの出身だし、三流大学だしみんなオレのことバカにしてるんだろ~~~!」

鈴木君はなんとか話題を変えようと、家庭の話題に。

鈴木君「ああ、そういえば、部長の奥さんすっごい美人なんですって? 聞きましたよ~なんでも20歳も年下なんですよね。部長もうまいことやりましたね~コノコノ。娘さんたちもとってもカワイイんでしょう?」

斉藤部長「・・・そんなの、オレの子かどうかわからんし。女房だってオレのいない間に絵画教室だなんて言って、そこの若い絵描きと浮気してるに決まってるんだ~~~!!ちきしょ~~~!!!」

などと、ついつい墓穴を掘ってしまい、おんおん泣き始める部長。
『若い綺麗な奥さん貰うのも大変なんだなあ』と思う鈴木君。

だのに。

ひとしきり店で騒いで泣いて、すっかり周りに迷惑をかけまくったのに、帰りには「いったいどうしたの?」というくらい明るくなり、「また、月曜日会おうぜ!鈴木君!!」と肩を叩かれ、駅で別れた。

釈然としない鈴木君。あの終わり方はなんだったのか・・・。

いや。(またもや脱線)

本当に、今までの展開からいうと、この曲の第5楽章は全く釈然としない。急にぱあああっと曲調が明るくなり輝かしいファンファーレ、やたらと打楽器が大活躍しやかましい。まるで「笑いながら怒る竹中直人」みたい。こんな分裂症気味のマーラー、さぞやアルマも「ああ、こんな人と結婚して本当に良かったのかしら」と考えたに違いない・・・できちゃった結婚だったからしょうがないが。

で。

今夜の演奏はすばらしかった・・・と思う。ただ、こんなに騒々しい曲だったのか、という不思議発見。すいません、演奏の感想じゃなくて。




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コメント

こんにちは。
飯守さんのマーラーですか~。聴きたかったですね。
7番は要は二重人格男だと思っています。ウラオモテのある小1時間ネチネチ説教する上司みたいだと、私も思っていました。

最近は7番のネチネチ感が結構好きになって来てます。

投稿: ピースうさぎ | 2007年11月17日 (土曜日) 13時18分

>>ピースうさぎさん
マーラーといえばピースうさぎさん。
演奏は素晴らしかったです、オケも思いっきり鳴ってましたし。マエストロもオケの実力以上のものを引き出そうと頑張った感じがしました。しかし、聴き終わったあと疲れました。心地よい疲れでしたが。

やっぱりこの曲、二重人格ネチネチ上司の説教でしょう? 共感して下さって大変嬉しいです(笑)。

投稿: naoping | 2007年11月17日 (土曜日) 14時06分

やはりコンサートでマーラーが演奏されるとなると行ってみたいと思いますね、実は先月に九響が岡山でマーラーの10番(全曲版)をやったのだけど、来年あたり福岡でも定期でもないかな?とちょい期待してます(笑)。明後日は九響の定期でペトルーシュカとダフニスとクロエです。

マーラー7番はかなり複雑だけど、ストーリー展開的な物に拘らないと魅力満載の音楽で大好きです。まあマーラーの場合はあまり標題とかストーリー的な展開を追い求めてはちょっと難しいかも(曲への理解どころか足枷になってるかも)・・・僕はこの曲をマーラーにとっての「英雄の生涯」だと思います、多面的な表情こそが、多面的であったマーラーそのものだと感じますね。

投稿: Shamshyraq | 2007年11月17日 (土曜日) 20時36分

>>Shamshyraqさん
こんにちは。
マーラーのオーケストラだけなものは(時節柄?ってこともないが)東京では結構演奏されるので、当日券で6番か7番かっていうとちょっと迷ってしまいます。指揮者で決めました。

マーラーはこの曲(と6番)を書いた頃は、人生で一番絶好調な時期だったようなのですが、そう思うとこの7番の「苦情タラタラ」感は不思議です(あくまで印象。作曲者はどう思って書いたかは不明)。6番はまだいいんだけれども。

投稿: naoping | 2007年11月18日 (日曜日) 09時39分

おかげさまで、笑わせていただきました。
何でもありのマーラーの音楽が、現代人をどうしてこんなに惹きつけるのか不思議です。「私の時代が必ず来る」と言ったマーラーの予言が不気味であります。
飯守さんのマーラー、楽しそうですね。
オケの上の方でマーラーを聴くと、打楽器や金管がガンガン来るもんですから、よけい賑やかに聴こえますね。

投稿: yokochan | 2007年11月18日 (日曜日) 12時15分

>>yokochanさん
笑っていただいてナンボなんで、嬉しいです。

もう、マーラーは時代がとっくに来ちゃってて、演奏会も普通になってしまいましたね。マーラーのイタコに来てもらって「今どんな気持ち?」と訊いてもらいたい。

終楽章、本当に弦も管も打楽器も力いっぱい、鐘はガンガン鳴るわ、ホルンもベルアップ、チェロも足踏ん張ってギコギコ弾いていました。音楽鑑賞というより「見物」っぽい気分。やっぱり演奏会はこうでなくっちゃ!

投稿: naoping | 2007年11月18日 (日曜日) 12時52分

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