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2007年11月22日 (木曜日)

ブーレーズ・コンダクツ・ウェーベルン

P1000850 ブーレーズ・コンダクツ・ウェーベルンⅡ
オーケストラのためのパッサカリア、弦楽四重奏のための《5つの断章》(弦楽オーケストラ版)、管弦楽のための《6つの小品》、「6声のリチェルカーレ」(バッハ~ウェーベルン編曲)、ドイツ舞曲(シューベルト~ウェーベルン編曲)、夏風の中で

ピエール・ブーレーズ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


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昨日は、友人と飲みに行きました(また!)。
非常にローカルなお店なもんで、全く紹介する気はなかったので、料理の写真も撮らなかったんだけど。(大好きなラーメン屋、じらい屋の近く)

本田飲食堂

ある意味、このblog「音源雑記帖」と似ている感じがする。この親しみにくい文字づらと異なり、入ってみると実に楽しいとこだとわかるが(←自分で言うな)、ここのお店も「名前変えたほうがいいんじゃね?」と思うほど外見と中身が違う。

店構えはこんな、そこら辺の一杯飲み屋みたいなのに。

A292100ps2_2 












以下のようなものを食べた。

・鶏レバーのペースト(パン付き)
・まぐろとほうれん草のサラダ
・牛ロースのステーキ 和風シャリアピンソース
・カルボナーラ
・焼きプリン
etc

全然、一杯飲み屋じゃなかった。高級な欧風ビストロ。ハンパなかった。マスターもこだわってるっぽい風貌(←何が)。
最初のレバー・ペーストから感激しっぱなし。焼いたフランスパンに塗って食べるんだけど、量もたっぷりパンもたくさんで、これで500円はないだろ(安すぎて文句)。写真なくてごめんなさい。

ステーキも美味しかったなあ。レアに焼いたステーキ肉を薄切りにしてタマネギのソースがかかっていて。肉の下に敷いてあるポテトも美味。ま、全部の料理が美味しかったけどね。

ワインを飲みつつ、あらなんてオシャレなのってな感じで。でも店構えはあくまで庶民的で親しみやすい。今度行ったら料理の写真撮ってくるから。

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で、まー。
今日はそれとは全く正反対に親しみにくいと思うウェーベルン。とはいうものの、このCDは比較的「わかりやすい」曲を集めている(ような気がする)。

長身でハンサムなベルクに比べ、いかにも神経質そうな風貌のウェーベルン。

Anton_webern




この写真はカッコイイかも。








ウェーベルンは、我が愛するベルクの親友であり、シェーンベルクの重要な生徒である、you know.

なのに、私はベルクのようにこの作曲家を熱狂的に愛せないし、シェーンベルクのように興味を持ったりはいままでできなかった(ずっとできてない)。だから、ウェーベルンの単独のCDは多分持ってるのこれだけ。ウェーベルン指揮のベルクのヴァイオリン協奏曲のCDはあるけどね。

まー、持ってるのこのCDで充分かなと。そもそもあまり作品数の多い作曲家ではない、ベルクと同様。

しかも、作曲家には珍しい、病気とかでない悲劇的な最期(戦後、娘の住むザルツブルグの家に避難中に、外で煙草を吸おうとしたら、娘婿の闇取引の合図と勘違いされて米兵に射殺された)だったために、これから色々な作品がもしかして作られたかもなあとも思う。ベルクよりはちょっと長く生きたけれど。

で。

ウェーベルンにはちょっとした思い出がある。最初のウィーン旅行のときに、ウィーンの有名な画家フンデルトヴァッサーの美術館に行く途中(どこかの大きな駅から地図を見て大胆にもてくてく歩いて行ったのである)、「ウェーベルンの生家(の、あった場所)」のちっぽけなプレートを偶然発見したのだ。その通りの通りはさんで向い側には、あのショルティのリングや千人の交響曲を録音したソフィエンザールがあったのである(たしか)。別にわざわざたずねていったわけでもないのに。ウィーンってこんなとこなの。

まあ、一緒に行った友人はクラヲタでもなんでもない普通の娘さんだったから、私のオドロキぶりに「何かよくわからないけど、この友人にはとても重要な建物なんだろう」と思ったと思う。

ま、そんなわけで、私にとってウィーンといえばヨハン・シュトラウスでもモーツァルトでもなくブラームスでもなく、ベルク&シェーンベルク&ウェーベルン(そしてあとはクリムトやシーレやココシュカなどの大好きな画家たち)の生まれた(または育った)街なのである。

さて、今日の本題、ウェーベルン。
ウェーベルンで好きな曲は「夏風の中で」である(だけ?)。このクソ寒いのに季節外れもはなはだしくて申し訳ない。

この曲は、ウェーベルンがシェーンベルクに作曲を習うようになる前の作品なもんで、作品番号はない。作品番号がつけられたのは、「パッサカリア」(作品1)からである。

「夏風の中で」はどっちかっつーとツェムリンスキーとかディーリアスに近いっぽい作風でとても聴きやすい。一生ずっとこんな作風だったら、あまり音楽史に名を残さなかったかもしれないが、幸か不幸か私はこっちらへんの作品のほうが好きである。

因みに、「夏風~」は12月11日にサントリー・ホールにて若杉さんの指揮で演奏されます。マーラー「花の章」やベルク、シェーンベルクの組み合わせで、いかにも若杉さんらしいプログラム・・・季節外れだが。(私は一年でおそらく一番忙しい時期なので、どうも行けそうにありませぬ。嗚呼悲し。)

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コメント

ブーレーズによるヴェーベルンは新しい方の全集を持ってますよ、「夏風の中で」は個人的にはシノーポリ/シュターツカペレ・ドレスデンの方が好きでしたが・・・ここであげられてるCDの中では「パッサカリア」と「管弦楽のための6つの小品」と「リチェルカーレ」が名演ですね、確かにヴェーベルンの作品は取っつきにくいけど、じっくり聴いて見ると見かけ以上に豊かな世界が広がってますよ。特に「6つの小品」は傑作です。

シノーポリの新ウィーン楽派の作品はかなりの録音が残っているけど、ドレスデンのオケの古風な音色が音楽にピッタリとあってて、独特の味わいがありますよ。ただし殆どが輸入盤かAmazonでの購入となりますが・・・

それはそうと、来年度の九響の定期プログラムが発表されましたが、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲やウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」とか、naopingさん好みのプログラム連発ですよ(笑)。

投稿: Shamshyraq | 2007年11月22日 (木曜日) 22時18分

>>Shamshyraqさん
速攻コメントありがとうございます。
ま、ウェーベルンの中では「パッサカリア」はギリギリ大丈夫です。ウェーベルンはバッハなどの編曲ものは別にして、聴くと「頭の中がモンドリアン」みたいな感じになります。

九響コルンゴルトやるのですか。はあ。東京にもってきて欲しかった、ベルシャザールでもいい。

投稿: naoping | 2007年11月23日 (金曜日) 10時11分

なかなか渋いレストランじゃあ、ありませぬか。
一見、定食屋さんですが、れっきとしたレストランですね。
乞う画像。次回お願いします。

ブーレーズのDG盤は、さすがBPOですね。
私は旧盤も聴きますが、そちらと比べると、響が豊かでふくよかな感じです。
冬の寒い晩にウェーベルンはいいですね。

投稿: yokochan | 2007年11月23日 (金曜日) 15時48分

>>yokochanさん
このお店は、こんなへんぴなとこでなければ皆様にオススメするのですが・・・。駅から近いけれどまるでナンジャタウンみたいな昭和路地裏の飲み屋街の一角にあります。だからこんなに安いんですが。味は保証します。生牡蠣一個200円なんてのもありました。

ウェーベルンとか聴いていると、いきなり自分が「音楽ツウ」になった気分です。気分だけですが。聴き比べなんて、そんな高度なことできない・・・(恥)。

投稿: naoping | 2007年11月23日 (金曜日) 21時41分

Wikiの「七つの封印の書」のリンク先にここが出てましたよ。

まあ「パッサカリア」は明快な曲なので入門にはいいけど、「6つの小品」もじっくり聴き込むとマーラーの世界を継承していると感じ取れますよ。それにある種の標題音楽的なアプローチも可能ですし(第4曲を中心に据えて)・・・

>九響コルンゴルトやるのですか

コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を日本初演したのは九響みたいです。このコンサートは5月、ウォルトンは11月ですけど、他にもR・シュトラウスのアルプス交響曲(4月)、メシアンのトゥランガリラ交響曲(7月)、「春の祭典」(9月)、プロコフィエフの交響曲第5番(10月)と揃ってます。

投稿: Shamshyraq@ヴェーベルンで何時間でも話せます | 2007年11月24日 (土曜日) 23時42分

>>Shamshyraqさん

>Wikiの「七つの封印の書」のリンク先にここが出てましたよ。
またぁ。油断できないなあ。「死の都」のリンクは何時の間にか外れてましたけどね。

へええ。九響もなかなか強烈なものをやりますね。トゥランガリラは、年にそんなにやるものではないから行かなきゃですね(いや、私はいけませんけどね)。


投稿: naoping@ウェーベルンで何か話そうとしたら、秒殺で話終わります | 2007年11月25日 (日曜日) 14時08分

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私が今最も注目している現役の指揮者はピエール・ブーレーズである。彼は鋭敏な耳で、スコアを明晰に音にする技術は卓越している。得意のフランス物やストラヴィンスキー、バルトークにも傾聴させられる。 [続きを読む]

受信: 2007年12月 6日 (木曜日) 19時07分

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