マイケル・ヘミング/戦死した兵士のための哀歌
マイケル・ヘミング(アンソニー・コリンズ編曲):戦死した兵士のための哀歌
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団
今日は真面目に。オチはないよ。
先日の、 「読者の皆様に聞きたいこと。」の記事で、私が<回答例>として揚げた、
「8.皆々様に伝えたい、よく知られてないけど好きな曲を一曲あげて下さい。」の曲、 Michael Heming "Threnody for Soldier Killed in Action" のCDを今日はご紹介しましょう。
ご紹介・・・というよりも、秘曲中の秘曲と思われ。だもんで、皆に広く知らせるというよりも、自分で調べた結果の備忘録として書こうと思っています。おそらくこのCDをこれから普通に手に入れるのはちょっと難しいと思うんで、「あ、そういう曲があるんだなあ、へえ」と思って読んでみて下さい。
このCDは、何年か前までイギリスに住んでいた友人に頼み込んで、日本ではにっちもさっちもどうにも手に入らないもの何枚か(エリザベス戴冠式CDなども)を、ロンドンのショップ「ハロルド・ムーア」にて入手してもらったものの一つ。(いつもありがとう、元気ですか?もし読んでたら連絡ちょうだいね)
現在、入手するには中古でアマゾンで。↓
http://www.amazon.co.jp/Britten-Concerto-original-Symphony-Threnody/dp/B0000241DI/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1195474308&sr=1-1
うおう、驚くなかれ1枚で6533円もするぜ。そんなに貴重だとは。オドロキである。ジャケットもなんだか物々しいぜ。
このCDは、ブリテンのヴァイオリン協奏曲(原点版)とか、ラッブラの交響曲第5番などが収録されており、なんてったって全部バルビローリのハレ管というのがよい。ベルクの影響を受けてそーなブリテンのコンチェルトも勿論素晴らしいし、はたまたちょっと退屈かなという先入観のある(私は、だよ)ラッブラの交響曲も、バルビローリによってかなり「泣ける」演奏になっている。・・・ま、この曲の他の指揮者の演奏を聴いたことないんで何ともいえないんだけど。
で、本題のマイケル・ヘミングだが。
題名読んで想像しただけで涙ちょちょぎれる(でしょ)、戦死した兵士シリーズ。なんとも私はこの手のに弱い。どうしても聴いてみたくなってしまうのである。
一回だけ音楽の友社のなんかの本で紹介されていたのを実家で紛失してしまったので、がんばってネット等で色々調べてみたものを、ざっとまとめてみますね。英語の解説ばっかりなので、ヘンな日本語でごめんなさい。
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マイケル・ヘミング(1920~1942)
マイケル・ヘミングは、イングリッシュ・ナショナル・オペラのバリトン歌手、パーシー・ヘミングの息子。パーシー・ヘミングがこのオペラハウスで歌っていた頃、バルビローリはここの指揮者の一人だった。この歌手とバルビローリは大変親しかった。
バルビローリは、ロンドンのロイヤル・カレッジでのマイケルの作品を知っていたので、マイケルが戦争から帰ってきたら、指揮の勉強をする機会を与えることを約束していた。
戦地へ向かう輸送船において、マイケルは沢山のメロディーを走り書きしていた。そして、アフリカでの夏の戦いの間も作曲し続け、秋にはエンピツで書かれたそのメロディのメモはポケットに一杯になった。その後、エル・アラメインの戦いで、彼は戦死した。彼の荷物が家に送られてきて、その中の箱に入ったメモを母親が発見した。
その彼の残された沢山のメモからアンソニー・コリンズによって編まれてこの曲は作られた。この録音は1945年にバルビローリとハレ管によって行われた。
・・・。
おそらく、断片的なメロディを6分くらいに(うまいこと)まとめたもののようだ。もともとの楽譜がどの程度なのかわからないので何ともいえないのだが、アンソニー・コリンズの腕がよいのか、バルビローリの演奏の盛り上げ方がうまいのか、聴いていて心がきゅうんと痛む。事情が事情だけに、これを聴いた大抵の人は泣けるのではないだろうか。
そのあとに続く、ラッブラの交響曲がなかなか同傾向の作風で、こっちも(聞く人が)影響を受けて泣けるものになっている。このCDでは、比較的しんみりとした曲が集められているために、全体がレクイエムっぽい。全部で71分、聴くと心がしんしんとなる一枚である。
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コメント
はじめまして。「七つの封印の書」を検索してて、偶然ここにたどり着いたのですが…
この項を見てびっくり。これ、持ってます。国内で普通に買ったもの。いつだったかは覚えてません。
もちろんマイケル・ヘミングなんて知るはずもなく、たぶんブリテンを聴こうと思って買ったんでしょう。でも音も古く、今ひとつピンと来ず、ちゃんと聴かないまま…「もうあまり聴くことはないだろう箱」(要はダンボール箱)に放り込んでました。
さっき箱の中を捜索して、やっと見つけ出しましたんで、これから聴きますね。どうもありがとうございます。
投稿: ぜん | 2007年11月27日 (火曜日) 20時18分
>>ぜんさん
・・・。
じいいいいいん(←感動)。
このブログやってて良かった。大事なこの盤が救出されたのですね。こちらこそどうもありがとうございます。どうか、大事に聴いてあげて下さいね。
投稿: naoping | 2007年11月27日 (火曜日) 22時15分