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2007年10月15日 (月曜日)

ベルリン国立歌劇場日本公演/トリスタンとイゾルデその2

P1000836 ワーグナー:歌劇「トリスタンとイゾルデ」
クリスティアン・フランツ(トリスタン)、ワルトラウト・マイヤー(イゾルデ)、ルネ・パペ(マルケ王)、ロマン・トレケル(クルヴェナル)、ライナー・ゴールドベルク(メロート)、ミシェル・デ・ヤング(ブランゲーネ)、フロリアン・ホフマン(牧童)、アルットゥ・ホフマン(舵手)、その他
ダニエル・バレンボイム指揮/ベルリン国立歌劇場管弦楽団・合唱団

(2007年10月14日 NHKホール)

過去記事:ベルリン国立歌劇場日本公演/トリスタンとイゾルデ






バレンボイムのトリスタン、2回も行ったのはどこのどいつだ~い?

あたしだよ!!!

いやー、細かいことはきいてくれるな。人間、魔がさすということもある。同じものを2回見るより、他の演目に行ったらどうかと、思う人もいるかもしれないのだが。

だって興味ないんだもん。
モーツァルト全然わかんないし。モーゼとアロン、昔CDで聴いてダメだったし。

しかも、トリスタンを一回観にいって、「あんまり良かったから、もう一回行きたくなって必死で券を入手した」わけでもない。

なんだかふとした勢いで取れてしまった、というか。そして誰かに売ろうと思ったけど、結局大好きなトリスタンだからそのまんまになってしまってたというか。

昨日(14日)の席は県民ホールのときよりも、あんまりよくねぇのであった。B席。

もちろん場所的にもよくねぇのだったが。(2階席左のほうの後ろから2番目)

周りの観客もよくなかった。

私の前の席には、座高の高いおにいさん。舞台前方まんなかはほとんど見えない。

私の後ろの席には「前奏曲はまだ休み時間」だと思っている女の人たち。(第3幕の絶望的に美しい前奏の間中こそこそ話していたので、私のとなりの人に「静かにしてください!」と注意されてた。ブラボーである。)

(ま、こんな私の一人の印象から述べるのは申し訳ないが。何故か観客のレベルは神奈川県民ホールのほうが高かったと思う。気合が入ってた気がする。)

2幕が終わってトイレ待ちの間。
後ろの女性たちのこんな会話が聴こえてきた。

「まったく・・・『昼の国』だの『夜の国』だの・・・そんなめんどくさいことずっと語り合ってないで、さっさとコトを運んだらどうなの? 本当にイライラするわね。ほんと、ワーグナーって長いわよね。」

「ほんとねえ。もういつ終わるのかいつ終わるのか・・・もう途中でいやんなっちゃったわよ。まあ、メロディはところどころ綺麗だったけどね。」

私は後ろを振り返って

「あんたたちぃ、初めてこの曲聴いたのぉぉ!!??ワーグナーってのはね、本来そういうもんだぁぁぁ!!!」

・・・と怒鳴った・・・心の中で。

NHKホールっつー・・・、ということで覚悟はしていったが、思ったよりもそんなに聴き辛くなかった。

とはいうものの、あれだけオケの音が粒立ちよく聴こえた神奈川県民ホールが懐かしく感じた。席に差はあるとはいえ・・・。まあ、色々と印象的なとこはあるが、たとえば第3幕で、イゾルデが歌う「イゾルデは勇敢に海を渡ってきたのに・・」の部分のクラリネットのソロの際立った美しさが、NHKではあんまり聞き取れなかった。ああ。

他にも金管楽器は2幕でマルケ王が踏み込んできたときもブリブリもっと凄かったしね。ティンパニーはずいぶん頑張ってたが(中学生の時に買ったフルトヴェングラーの正規盤でない、全曲ではないけどライブ演奏を収録したレコードを思い出した。ズートハウスが大熱演だったやつだね。実家においてきてしまったけど、あれは本当に凄かったです)。

その他、歌手の印象。

(船乗りの役の人が調子悪くて変更になってた・・・といってもどっちも知らない歌手だったのでわかんないが。)

・トリスタン、イゾルデともども県民ホールのときよりもやや声が疲れている?気がする。あんなだったかなあ。他の歌手はそんなでもなかった。

・ブランゲーネが、第3幕の最後のほうで「イゾルデ様!ご無事でよかった!・・・」のとこを歌い忘れた。ど、どしたの??

・県民ホールのときにはそんなでもなかったのに、東京公演ではルネ・パペへの喝采が恐ろしく多かった。まあ・・・そりゃうまいことはうまいけど、そんなに他の歌手に比べて格段に良かったかっつーと「?」である。

まあ、色々とあったが、やはり際立って素晴らしい上演だったということは変わりない。くしくも私は、県民ホールのときは舞台右から見て、NHKのほうは左から見ることとなり、第1幕のときは初日はイゾルデ&ブランゲーネ側から、昨日はトリスタン&クルヴェナル側から覘くということになった。映画みたいでそれはとっても面白かったです。

演出は。そうそう例の「同性愛」という視点から見ると、なるほど。イゾルデとトリスタンはさほどいちゃいちゃしてないのね、マルケ王とトリスタン、クルヴェナルとトリスタン、ブランゲーネとイゾルデよりは。トリスタンとイゾルデの待ちに待った逢瀬の音楽の超盛り上がりに反して、これは・・・。

・・・ということで。トリスタン4回とも行かれた方のコメントを募集しており・・・・・そんな人いるんだろうか?

-------

乱筆乱文、申し訳ない。

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コメント

前略・・・です。

やっぱり国営放送(でも、冷戦時代のマル系諸国の《国営》とは違う組織なのだが)ホールは「ちょっとペケ」でしたか。シブヤがなぁ・・・。あの街では集中できんわ、苦手です。演奏する側も人間だから、そういう街やお客の「逆オーラ」を感じてしまうんでしょう。
yokochanさんが楽日を観にいくことになっているんだけど、心配です。

投稿: IANIS | 2007年10月15日 (月曜日) 23時34分

幸い(?)県民ホールの公演は聴いてないんであれで十分楽しめました。NHKホールは聞き慣れてるせいか脳みそが半ば諦めてくれているのかもしれません(笑)
わたしもルネ・パーペに盛大にブラーヴォした口ですが、はっきり言ってタイトルロールの二人が(特にマイヤーは)期待の割にはもうひとつだったのでその分相対的に評価が上がったのもあるかも。
でも2幕後半のマルケ王の失意と悲嘆の場面はオケともども素晴らしかったと思いますけどね。

それにしてもトイレの女性たちの会話笑ってしまいますね。じっさい話がにっちもさっちも進まないのも事実なわけですが、その分溢れんばかりの音楽の海に溺れて歓喜に悶えるのがワグネリアンというものでしょうか(笑)

投稿: 白夜 | 2007年10月16日 (火曜日) 00時47分

お久しゅうございます。
4回全部はさすがに無理ですが、私も先週の県民ホールに続き、明日もう一回聴きに行く予定です。
オーソドックスな演出とシンプルな舞台で落ち着いて音楽に浸れるでしたが、トリスタンが何だかすごく老けて見えたので、お芝居的には、トリスタンとクルヴェナルが入れ替わっていたような印象をうけました。(笑)

投稿: あうれりゃーの(だったっけ?) | 2007年10月16日 (火曜日) 18時18分

失礼、久しぶりで日本語も忘れかけてました。
×浸れるでしたが → ◯浸れましたが

投稿: あうれりゃーの(だったと思う) | 2007年10月16日 (火曜日) 18時22分

まとめてのコメントで失礼します。

>>IANISさん
こんにちは。
うーん・・・NHKで見る方が圧倒的に多いので、あまり書かないほうがいいかしらと思ったのですが。渋谷ではよく遊ぶので好きな街ですが、NHKの前に辻音楽師の若者(もちろんロック・ポップス系)が何組もいまして、この光景とワーグナー上演のギャップの凄さは物凄いです。ま、ホールとは関係ないですがね。最高にいい演奏だといいなあ、最終日(祈)。

>>白夜さん
こんにちは。NHKに行かれたのですね。
マイヤーは初日と2日めに力尽きちゃったのかなあとか思いました。初日では俗に言う「愛の死」は大変な絶唱でしたが、最後に降りてきた幕の中に入れずにそそくさと舞台のはじに引っ込んで行く姿が見られました。さすがに3回目となるとそんなこともなく自然に闇に消えて行きましたが。色んなことがあるもんだなあと思って見てました。県民ホールのときに比べて14日はパペが他の歌手より飛びぬけて良かったのでしょうね。

私は、ワーグナーのよさは天国的な長さだと思っています。最後に「ああ~やっと終わった~~」的な。ヘタすると一曲の上演で(休み時間含めて)人間の睡眠時間くらいかかりますからね。モーツァルトと比べて沢山聴けて値段的にもお得な感じしますよね(←何故か主婦感覚)。


>>あうれりゃーの(確かそれでよかったと思う)さん
お久しぶりでございます。
トリスタン役の人はどの方のblogを見てもあまり評判はよくないのですが、他に誰か現在この役を歌い切る人がいるかなあと思うと「?」ですね。アルミンクのローエングリンの時のアナセン(アンデルセン)も不調で「ヘタコイタ~」でしたし。今やヘルデン・テノール氷河期にいるのかもしれません。ああ、コロが、イエルザレムが、そしてP・ホフマンが懐かしいです。

投稿: naoping | 2007年10月16日 (火曜日) 19時32分

こんにちは。明日いやもう今日か!を控えながら、飲み会にはまってしまった者です。
おお、2度行かれましたか。
お気持ち充分ご察しします。
昨日の「モーゼとアロン」でさえ、もう一度・・・なんて気分になってしまうのですから。(さすがに行きませぬよ、お財布がいうことを聞かない)
それにしても、極悪渋谷には、わかっていながら困ったものです。少なくとも、あの辻音楽師たちはどうにかならないものでしょうか?「愛の死」のあと、あれは勘弁ですね。
先般は、プレヴィンの極上モーツァルトのあとにあれを無理やり聞かされたんですから。

ところで、バレンボイム、世界文化賞を受賞したんですね。

投稿: yokochan | 2007年10月17日 (水曜日) 00時50分

>>yokochanさん
今ごろ、渋谷で「トリスタン」鑑賞されているとこだと思います。blogの感想を楽しみにしております。よい公演だとよいですね。
ところで世界文化賞は1500万円ももらえるのですね。すごいですね~~。

投稿: naoping | 2007年10月17日 (水曜日) 18時43分

2回目の『トリスタンとイゾルデ』の感想、楽しく拝見させていただきました。
私はまだ同じものを2回以上観るという体験をしたことがないのですが、その時のオーケストラや歌手達の出来不出来、違う角度から舞台を観る、周りの観客の違い・・・など、色々比較して面白いことも多いでしょうね。

トイレ待ちの時の女性達の会話には私も笑ってしまいました・・・
第2幕は演奏・歌手によっては確かに長~く感じられる場面であるかとは思いますが、県民ホールでは全く長さを感じませんでした。まさに、ワーグナーの醍醐味を味わった感じでしたね。

投稿: Lamsy | 2007年10月18日 (木曜日) 20時48分

naopingさん。
NHKホールの2階後方は、できれば避けたい席です。他は屋根がないですからね。私は3階センターのほぼ真ん中あたりでした。3階はオケピットに対してほぼ水平の傾きなので、前の人全員が低くなっていないと指揮者やオケがほとんど見えません。ちょっと頭を前に傾けていると後ろから舞台が見えません。したがって、そこここで、前の人に注意をしている人を見ました。
こんな素晴らしいもの、2回も見るなんて、バチが当たりますぜ。

投稿: にけ | 2007年10月18日 (木曜日) 21時54分

2回目のトリスタンのときに風邪を引き(今思えば、喉が痛いのに幕間に外に出ていたのがまずった)、レスが遅れて申し訳ありません。

>>Lamsyさん
再度コメントありがとうございます。
引越しオペラ公演で同じ演目を2回見るのは初めてではないのですが、今回は他に見たい演目がなかったのが幸いし、2回もこんな素晴らしいものを見ることとなりました。本当に幸せでした。

数多くblogに感想を書いている方がおられますが、「前奏曲と愛の死」しかあんまり聴いたことないのに初めて全曲の実演を見て、スゴイ感銘を受けたって人もいるくらいなので、やっぱりわかる人にはあの長さは関係ないんだなあと思いました。

>>にけさん
こんにちは。最後の日に行かれたのですね。
3階席とかだと、前の人がかがみこんだりすると見えなくて困りますね。私もこの回は前のお兄さんは身長が高い方だったので悲しかったです。前の席の人は小さい女性か空席であることを毎回祈っています。

>こんな素晴らしいもの、2回も見るなんて、バチが当たりますぜ。
うう、風邪を引いたのがバチかもしれません・・・。

それにしても。今回神奈川県民ホールの素晴らしさを書きすぎて、次回の何かの催しで県民ホールの回が取りにくくなったらやだなあ・・・と心配です。周辺にすぐホテルあるし。

投稿: naoping | 2007年10月20日 (土曜日) 12時05分

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 海外の歌劇場の来日公演体験では、もっとも数多く接したのはサヴァリッシュ指揮のバイエルン国立歌劇場だが、もっとも感銘を受けたのは今回で3回目の体験となるベルリン国立歌劇場だ。以前の2回は、まだ東ドイツの時で、オ... [続きを読む]

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