エネスコ・オイディプス王/ギーレン
エネスコ: 歌劇 「エディプ(オイディプス王)」
モンテ・ピダーゾン(オイディプス王)、エギルス・シリンス(ティレシアス)、ダヴィデ・ダミアーニ(クレオシ)、ミヒャエル・ロイダー(羊飼い)、ゴラン・シミッチ(神官)、ペーター・ケーヴェス(ポリュポス王)、ヴァルター・フィンク(見張人)、ユー・チェン(テセウス)、ヨーゼフ・ホプフェルヴィーザー(ライオス王)、マリアーナ・リポウシェク(イオカステ王妃)、ルクサンドラ・ドノーセ(アンティゴネー)、ミハエラ・ウングレアヌ(メロペ王妃)
ミヒャエル・ギーレン指揮、ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団、オーストリア連邦歌劇場舞台管弦楽団、ウィーン少年合唱団
(1997年5月 ウィーン国立歌劇場ライヴ)
おお、これはいったい。こんなの出てるのずっと知らなかった。しかも、ギーレンでウィーン国立歌劇場なのにナクソス。これは珍しいオペラ好きには即買いでしょ。
エネスコ(エネスク)って作曲家はここでは初登場。私も聴くの初めてである。管弦楽曲だって聴いたことないんだけど。この人のオペラはこれ一曲しかないそうだが。かなり産みの苦しみというか、長い期間かけて完成したものらしい。
ジョルジェ・エネスコ(1881 - 1955)はルーマニアの作曲家、ヴァイオリニスト、ピアニスト、指揮者、音楽教師。
20世紀の傑出した音楽家にして、存命中は最高のヴァイオリン演奏家の一人であった。今日においても、作曲家としてよりヴァイオリニストとしての価値において賛嘆される傾向がある。(ウィキペディアより)
幼児期より楽才を発揮、7歳でウィーン音楽院に進学。ご学友にツェムリンスキーがいたという。
さて、このオイディプス王。「歌劇大事典」によると一般的なオイディプス王のあらすじと一緒みたいなので、その辺のあらすじを一応載せておこう。
<あらすじ>
神託によって息子のために一命を失うであろうことを知ったライオス王は、その子オイディプスを殺すことを家来に命ずるが、オイディプスはある羊飼いに救われる。そして両親を知らなかった彼は、成長してのちライオス王を殺したうえ、王座について生みの母イオカステを妻とし、2男2女をもうける。しかし、自分が父殺しと母を妻としたことを知りオイディプスは自ら両目をえぐ取り、イオカステは首をくくって死ぬ。
このCD。これぞナクソス!という本領を発揮して歌詞対訳もなく、しかも歌詞はフランス語なのでかなりキツイかも・・・ということで、筋書きを楽しむというよりはこの音楽そのものに耳を傾けたい。
もしも。
ウィーンに旅行に行って、国立歌劇場でたまたまこの陣容でこんな珍しいオペラを見ることができたらかなりラッキー。だが、クラヲタでない友人との旅行や新婚旅行でコレが当たってしまったら、あとでかなりブーブー言われること、うけあい。新婚旅行だったら、成田離婚かもしんね。
うくくっ。
で、私の印象として。雰囲気的に、例えていうならば、ダラピッコラの囚人の残酷、シマノフスキのオペラの神秘、ベルクのヴォツェックの緊張感、ツェムリンスキーの優美(但し1%くらい)、が混じっている感じ。(わからん??)
ま、多分ここらへんのオペラが好きな人は大抵オッケー、オッパッピー。第1幕の壮大な合唱が入る部分を聴いただけで、買ってよかった感が。合唱にはウィーン少年合唱団まで入る豪華さ。
でも、一般的にはあまり薦めない(おや?)。オペラ的な優美さにはかなり欠ける。キツイ。聴く人に愛想のよいオペラでは決してないのである。
キャスト的には平均的な国立歌劇場のレベルかと。母にして妻の役にリポウシェク。ここでもかなり強烈な歌唱を聴かせてくれている。他のキャストも(誰がなんだかよくわからないが)、穴はないと思う。
ライブ録音で最後には盛大に拍手も入り(大盛況だったみたい)、臨場感溢れるものである。
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※小島よしお関係のTBはもう受け付けないよ。一つで充分。
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