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2007年8月15日 (水曜日)

クラーサ:子供のためのオペラ・ブルンジバール

ハンス・クラーサ:子供のための歌劇「ブルンジバール」
ジェラード・シュウォーツ指揮/ミュージック・オブ・リメンブランス、ノースウェスト合唱団、他

今日は終戦記念日だという。
我々は、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び・・・という日である。

というわけで、たまたま~ではあるが、第二次大戦関係ってことで、きょうは先日購入したクラーサのガキの子供のためのオペラ、ブルンジバールを。

このオペラについては、ずいぶん前にテレジンのユダヤ人収容所とそこにいた音楽家についてのドキュメンタリーをテレビで見たので知っていた。確か、取材をしていたのは指揮者の大野和士さんだったと思う。

テレジンの収容所は、アウシュビッツのごとく直接の虐殺行為を行う場所ではなく、そこに送られる前の中継地点みたいな収容所で、また他の国に見せることによって「収容所は実はこんないいとこでっせ」という隠蔽行為を行うといった存在だった思う。

ということで、ここに収容されてた作曲家は(クラーサのほかにヴィクトル・ウルマン、ギデオン・クラインなど)、多少作曲をしたりはできる環境だったようだ。

過去記事:ウルマン「アトランティスの皇帝」


ハンス・クラーサ(1899 - 1944)はボヘミアの作曲家。ドイツ国立歌劇場(現・プラハ国立歌劇場)の声楽コーチを勤め、同歌劇場の音楽監督ツェムリンスキーと出会って多大な影響を受ける。

作曲家としては、1920年に《クリスチャン・モルゲンシュテルンの詩による4つの管弦楽伴奏歌曲》によりデビュー、もう一つの大作は、1938年に教育省により主催された作曲コンテストのために書かれた、児童オペラ《ブルンジバール Brundibár 》である。

《ブルンジバール》の完成後、1942年8月10日にナチスにより拘束され、テレジン強制収容所に送致される。《ブルンジバール》は所内で改訂された後、そこで55回の上演を見た。クラーサはテレジンに隔離された年代が最も実り豊かな時期であったが、苛酷な環境のためにいくつかの作品が失われた。

1944年10月にアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に送致され、若者ではないので強制労働に向かないとの口実から、ガス室で処刑された。(以上ウィキペディアより)

うううううあああうう(泣)。

夏休みだってのに、なんだか記事が暗くなってきたので、純粋にこのCDの感想を。

以前見たテレビのドキュメンタリーで(実際のテレジンの子供たちが収容所内で上演している所のフィルム)見聞きしたのは、最後の合唱の部分だけだったので今回全曲聴くのは初めてである。何年か前にチェコの少年合唱団が来日したときにこの曲を上演したのだが、何かの都合で行けなかったのは残念だったす。

原曲はおそらくチェコ語なんだろうが、このCDはトニー・クシュナーによる英語訳の録音である。子供が全部歌っているのかと早とちりして購入したが、子供は合唱のみで、ソロは大人の歌手がやっている。

これはかわいくない。がっくり。全部子供が歌ってるのかと思って買ったのに。

しかも。英語が全くのアメリカ英語でムカつく。この曲の悲しみみたいなのがやや薄れていくようで残念だ。
全体的に♪ナ~ントカ~ハーワユ~?ジスイズマイシスタ~♪みたいな感じなので戦後の子供向け進駐軍英会話放送(?なんとなく)みてえ。それもまた味なのかもしれんが。教科書に墨塗っちゃうよまったく。サンキューマッカーサーだよ、もう。(←意味不明)

オペラの内容は、弱いものが力をあわせて悪者ブルンジバールをやっつける、というものだったと思う。テレジンの子供たちはそれこそいつか悪い者(ナチス・ドイツ)をやっつけてやろうという一心で毎日この曲の練習をしていたのである。

曲自体は、ここら辺の迫害作曲家の作風そのものであり、室内オーケストラの音色もなんとなくドンヨリと心が曇っている感じはする。ツェムリンスキーに師事した、ということだがここでは影響は・・・どうなんだろう。弦の扱いは多少、ウィーンの退廃的な匂いは感じるとこもある。

しかし、原語の演奏も聴いてみたい。きっと格段に味わいが違うと思うんで。

・・・。

それにしても、平和な時代に生まれてよかった。

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