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2007年7月16日 (月曜日)

シュレーカー・狂える炎

074646685020 シュレーカー:歌劇「狂える炎」(Irrelohe)
ミヒャエル・パプスト(ハインリッヒ)、ルアナ・デヴォル(エヴァ)、エヴァ・ランドヴァ(ローラ)、モンテ・ペダーソン(ペーター)、ハインツ・ツェドニク(クリストバルト)その他
ペーター・ギュルケ指揮/ウィーン交響楽団・ウィーン楽友協会合唱団

はじめに、本日の大地震に見舞われた方、心よりお見舞い申し上げます。

過去記事:シュレーカー・烙印を押された人々

・・・さて。
ここのblogもほとんど書きたいCDは書いてしまった感があります。あとは新しく買ってレビューを書くしかないなあ。さあて、ほんとにどうしようかなあと思ったら、まだあった。ウチの秘曲中の秘曲。多分、このCDの価値といったら、以前ご紹介したコルンゴルトの「ヴィオランタ」くらいのもんだと思う。

あまり最近CDショップでも見かけないので、廃盤になったものと思われる。1989年、ムジークフェラインにおけるライブ。演奏会形式(多分)。

今までblogに書かなかったのかというと、当然輸入盤なので対訳はないし解説は英語・ドイツ語・フランス語。

うーん。私のたどたどしい英語力。そしてただでさえ難解なシュレーカーの台本。あいかわらず自己完結っぽい筋書き(だからなんなんだ~と言いたくなる)。ちょっとヒクものがある。

そんなこんなで・・・・「たぶんこんな感じなんだろう」という筋書き。


時は18世紀、とある小さな村に建つIrreloheという城にまつわる物語。

とある居酒屋の女主人ローラは、自分は昔は美しく若かった、と歌っている。彼女の息子のペーターは、自分の出生の秘密を知りたがっている。彼女は「Irreloheの呪い」について語る。
その昔ある貴族が水の精を愛し、息子をもうけた。この子供とその子孫は代々この村から若い花嫁を強奪するという。

そのとき居酒屋に現れた楽士・クリストバルト。彼もかつて「Irreloheの呪い」によって自分の花嫁を奪われた。クリストバルトは3人の楽士とともに国中を回っているが、彼らの現れるところには必ず火事が起こる。

ペーターの幼馴染みであるエヴァが、城の現在の持ち主であるハインリッヒ伯爵と会い、あわてて逃げてやってきた。しかし、ペーターはエヴァが伯爵と会ったことに嫉妬し、彼女を部屋から追い出してしまう。

夜。3人の楽士(放火犯)が村に現れる。これから城が燃やされるということを背後で見ていたエヴァは知ってしまい、ハインリッヒに知らせにあわてて城へ向かう。

ハインリッヒ伯爵はエヴァに恋してしまっていて、彼女に手紙を渡すように召使に言いつける。それと入れ替わりにエヴァが城にやってくる。互いの愛を告白する二人。それからすぐに教会で婚礼があげられることになる。
教会。婚礼の場に、嫉妬に狂ったペーターが決闘に現れる。母ローラは「この人はあなたの兄弟なのよ!」と止めようとするが、すでに遅くペーターは殺されてしまう。火事を知らせる鐘が鳴り響き、人々がIrrelohe城が燃えていることを告げる中、ハインリッヒとエヴァは若い愛の輝く朝の光の中へ踏み出す。




初演は1924年、クレンペラーによって行われたが、結果はあまり芳しくなくシュレーカーの今までの名声に陰りが見えてくる。

とはいえ、このCDで聴ける音楽はいかにもシュレーカーらしいものである。とくに第2幕のエヴァとハインリッヒの愛の場面は美しい。それと第3幕の出だしからの混沌とした管弦楽、舞台裏から聞こえる軍楽トランペット(マーラーのようである)、色々な楽器が好き勝手にメロディーを奏でつつも一つにまとまっていく様はうーんと唸ってしまう。オルガンも交えた婚礼の合唱も壮大で、かなり聴き応えがある。

さて歌唱は。

なんといっても私の大好きな性格テノール、ツェドニクが大活躍しているところが素晴らしい。この役はやっぱりこの歌手でないと、というくらいはまっている。名歌手ランドヴァも(老女の役なので違和感があるが)うまいし。

猿之助版「影の無い女」で皇后を歌っていたデヴォルが主役のエヴァを歌っている。ホント、このパートはトンデモナイ高音から始まったり、伴奏オケも複雑なのできっととっても音が取りにくいんじゃないかと思うが、この歌手はピタリと決めている。とくに高音の弱音が素晴らしく綺麗。

ヘルデン・テナーの役柄と思われる伯爵役のパプストはこの難しい役を頑張って歌っています。たまーに音をちょっと外したりしているのが惜しい。

録音はデジタルなのでかなりよいですが、もうちょっと合唱団に広がりがあるともっとよかったかなと思います。

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自民党のCMにさーえどわーどの音楽は。やめてちくれ。
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