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2007年6月 5日 (火曜日)

シマノフスキ「夜の歌」

シマノフスキ:交響曲第3番「夜の歌」
ウィエスワフ・オフマン(テノール)
クラコウ・ポーランド放送合唱団
イエジー・セムコフ指揮/ポーランド国立放送交響楽団


過去記事:スターバト・マーテル


久しぶりにシマノフスキ。ああ、この曲大好きなのよね。すごーく頭の中にイメージが広がる。漆黒な、東欧の夜の風景。なんて素敵なの。ヴィスワフ・オフマンのテノール独唱もとってもよいです。

この曲は声楽入りだけども、輸入盤なので対訳がない。それどころか英語の対訳もないのですが。

交響曲第3番「夜の歌」op.27 (1914-16年)
13世紀ペルシアの神秘主義者ジャラル・アッディン・ルーミーの「夜の歌」のテキストによっており、テノール独唱と混声合唱が加わる。オリエンタリズムとドビュッシーらの印象主義の音楽が融合昇華した作品である。
(ウィキペディアより)

おそらく、ツェムリンスキーの曲が好きだったりすると大抵ハマりそうな雰囲気です。(ね!)

で、まー。
なんとなくこのblogにはちょろ、ちょろと、ごくたまーにポーランドの作曲家の作品のことが書いてあったりしますね。(一番有名なショパンはないけれども。)

なんでかっていうと。私、ほんのちょっとポーランドには思い出があります。行ったことはないんですけどもね。

かなり前、画学生の頃。

版画(リトグラフ)を習っていた私。版画の勉強している人はみな、学生でもたいてい色々な美術展やコンクールに出品する。私も色々な美術展には出品しており。上野の東京都美術館の版画展の常連であった(ホントよ。審査員の中に習っている先生がいたからなんだけど。)。今は描いてないですが・・・。

まー、そんなにずば抜けてうまかったわけでもなかったので日本のコンクールでも落っこちてしまったりとか普通でした。そんな私が、ある年にちょっと茶目っ気を出して、世界的に有名なポーランドのクラコウ(クラクフ)の版画コンクールに出品したのでした。

版画だから、紙を丸めて紙筒に入れて国際郵便で送るだけ。まあ、「どうせこんな有名なところなんか入選したら大奇跡」と思ってたから、出品してからも忘れていた。

その後すぐ、(いつだっか正確な年は覚えてないんだけど)なんとポーランドに革命が起こった。おそらくポーランド民主化改革運動のことだと思う。ワレサとかヤルゼルスキとか関係?かも。(世界史全然わかんないから間違ってたらごめんなさい)

革命て。それって100年も前のことじゃね?現代にあることなんだー。

私は、その後すぐに学生じゃなくなり、事務仕事をしながら絵を描くというのんきな生活を続けていました。

で。

何年も経ったある日。ある郵便物が家に届きました。もう周りの封筒なんかはボロボロで原型を留めておらず(爆撃にでもあったのか、くらい)、日本で補修したビニールに包まれていました。日本の郵政省のお手紙が入っていました。文面は忘れちゃったけど、こんなんなっちゃったことのいきさつとお詫びが書いてあったと思った。

それは、ポーランドのクラコウからでした。版画コンクールの入賞者の分厚いカタログが送られてきたのでした(参加者全員に送られてくるもの)。私はそんなにすごい姿になってまで革命を乗り越えて日本にやってきた郵便物を見て、受け取った母とともに泣きました。

そのあと、また1年くらいして、いったいいつの時代の?と思うくらいぼろぼろのでかい紙筒がクラコウから送られてきました。中には私の作品が入っていました。もう戦乱とともにとっくに紛失したと思ってたし、版画だから(何枚か刷るし)なくなってもそんなに惜しくないかなと思ったので、戻ってきたときの感慨はひとしおでした。中には批評としてちっちゃく「good!」と書いてあり。勿論落選だったのですが、ポーランドの人が革命後の大変な中作業をしてくれたのか想像すると、無傷で帰国をした自分の作品を抱きしめて涙ぐんでしまいました。


・・・・。

ということなんで。(ま、ちょっと話はそれてしまったけれど)ポーランドという国にはちょっと親しみがあるのです・・・というお話でした!

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コメント

こんばんは。
シマノフスキーはあまり聞いたことがないですが、この曲は好きですね。
確かにツェムリンスキーっぽいですね。
そして、「ポーランドからのお手紙」のおはなし、なかなか経験できないじゃないですか。歴史のひとコマに参加したみたいで。

ところでですね、バトンがまわってきたもんで、次に受けていただきたいんです。もうupしちゃいましたけど。
スルーしていただいてもかまいません。
乙女の私生活をご披露いただければ幸いです。

投稿: yokochan | 2007年6月 5日 (火曜日) 23時25分

>>yokochanさん
シマノフスキ、いまひとつつかみ所がない作曲家ですが、この「夜の歌」は最初に聴いたときは衝撃でした。この曲を聴いていたら、クラコウのことを思い出しました。ポーランド、今は平和だと思うので行ってみたいです。

あー、バトンは謹んでお受けいたします。yokochanさんみたいなウィットに富んだ回答はできないと思いますが・・・がんばります。

投稿: naoping | 2007年6月 6日 (水曜日) 00時06分

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