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2007年6月11日 (月曜日)

フィンジ・大地と空気と雨

034571161617フィンジ:歌曲集「大地と空気と雨」
スティーヴン・ヴァーコー(バリトン)
クリフォード・ベンソン(ピアノ)

雨が降ったり。また晴れたり。
いったい最近の気候ってなんなの? 週末の予定も立てられないよね。天気予報士役にたたねー。石原良純、四苦八苦。

そんな今日この頃、いかがお過ごしですか?  (←誰に向かって)
今日は、何故か会社で北海道のアスパラガス、大量にもらったりしまして。私は一人ものなので、遠慮して12本くらい頂きました。いや、アスパラガス、高いのですよ、スーパーで買うと。

Pa0_0115 それで、サーモンとオニオンスライスとともにサラダにしてみました。ドレッシングは普通のフレンチドレッシング(市販のじゃないぜ。手作り)にバジルペーストをちょっと混ぜてみました。

残りは肉巻きにして明日の弁当のオカズに。

・・・

そんな(どんな?)うっとうしい気候にぴったり、心に深く染み入るようなフィンジの歌曲を。しかも雨って題名についてるしぴったりよ。
本日紹介のCD、2枚組なもんでフィンジの歌曲集5つも収められている(ハイペリオンにはそういう「この作曲家の曲、まとめてもってけ!」みたいなイギリス歌曲集が多い)。しかも、対訳がついてねー。輸入盤だからシカタガナイ。

このCDはフィンジが(気に入ってるらしい)詩人トーマス・ハーディの詩による歌曲を集めたもんなのですが。
私は「トーマス・ハーディ全詩集」(中央大学出版部)のⅠを昔買ってもっているので(その後買ってないのでウチは一冊目しかない)、この中の曲で半分は訳を持っているのです、たまたま。

ということで、この歌曲集「大地と空気と雨」の中で訳詞があるもので、しかも自分も大好きなのが「リズビー・ブラウンに」という曲。



リズビー・ブラウンに


懐かしいリズビー・ブラウンよ
今君はどこに居るのか?
太陽のなか、雨のなか?
それとも君の面貌は
喜びも悲しみも通過してしまったのか?
懐かしいリズビー・ブラウンよ


愛らしいリズビー・ブラウンよ
どんなに君は微笑んだことか
どんなに君は歌ったことか!
ひと目ちらりと見るときも
何と君はいたずらっぽかったことか
愛らしいリズビー・ブラウンよ


そして、リズビー・ブラウンよ
ほかの誰が君の髪のように
鹿毛馬の赤さを持っていただろう
戸外で育ったというのに
誰が君のように色白だったろう?
愛らしいリズビー・ブラウンよ


君が、リズビー・ブラウンよ
ちょうどある少年に
こっそり恋されるように
なり始めたその時に
君は姿を消した
僕のリズビー・ブラウンよ!


そうだ、リズビー・ブラウンよ
君の生は とても早く歩み
僕の生は とても遅く歩んだので
僕が愛の心を君に まだ
見せることもできないうちに君はもう
人妻、リズビー・ブラウンよ


でも、リズビー・ブラウンよ
人の噂では 君は
男のなかでも一番上等な男と
結婚したというではないか・・・
それから君はどこに行ったのだ?
おお。リズビー・ブラウンよ


懐かしいリズビー・ブラウンよ
僕は考えるべきだったのに、
「女の子は早く大人になってしまう」と
そして君が居なくならないうちに
言いくるめて掴まえておくべきだったのに
懐かしいリズビー・ブラウンよ!


なのに、リズビー・ブラウンよ
僕は君を逃してしまった
恋のしるしひとつ見せなかった
僕の唇で触れもしなかった、
一度たりとも君の唇に。
失われた リズビー・ブラウンよ!


だから、リズビー・ブラウンよ
ある日人々が
僕のことを 世を去ったとして
語るときにも君はいうだろう
「だけど、その人どんな人?」
そうだとも、リズビー・ブラウンよ

(森松健介 訳)

こんなふうにヘタレ、というか大変ナサケナイ男の歌である。私の大好きなヴァーコーの美声でさりげなく、語るように歌われているからじーーーーんと心に深く染み入るものであるが、詩だけ読んでいるとどうだろうか。(ちょっとイラっとくるかも?)

この人はきっと卒業10年後とかに久しぶりに同窓会とか行っても「てゆーか、あの人誰?」とか、こそこそ女子に言われているような人なんだと思う。

(英国引っ込み思案&後悔ソングの有名なので「サリー・ガーデンズ」がある)

とはいえ、この2枚組CDはとても私は大事にしている。何年か前はお店に見当たらなくて、ハロルド・ムーアで個人輸入までして買ったものである。

icon ←こんなに安く買えるようになったが。 icon

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コメント

こんにちは。昼の職場より、こっそりお邪魔します。
この2枚組、持ってないのですよ。フィンジは寡作だから、全部集めようと思えば可能ですが、ハイペリオンって高いから・・・・。
というセコイ私ですが、ハイペリオンにシャンドス、ENIのコンポーザーシリーズは、英国音楽好きにとってなくてはならぬ存在ですな。
意を決して購入してみようかしらん。
私も、歌詞知りたさに、詩集を購入することがあります。
歌物は、手間がかかります。

アスパラうまそう!

投稿: yokochan | 2007年6月12日 (火曜日) 12時50分

>>yokochanさん
おお、昼休みですね。このCDお持ちでないとは。
これは、私がフィンジので一番好きなCDです。私のイメージするフィンジに一番近いです。
確かにハイペリオンはどれもお高いですね。しかも私、買ったときはイギリスのお店でカード決済だったので(しかも英国歌曲ばかり何枚かまとめて買った)、マヒしたままでいくらか忘れました。
しかし、買ってソンはないと思います。ヴァーコーと、テノールはマーティン・ヒルだもん、間違いなし。どっぷりと癒されてください。

アスパラは美味しいです。

投稿: naoping | 2007年6月12日 (火曜日) 21時06分

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