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2007年6月 3日 (日曜日)

R・シュトラウス・アラベラ

R・シュトラウス:歌劇「アラベラ」
ユリア・ヴァラディ(アラベラ)、ヘレン・ドナート(ズデンカ)、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(マンドリーカ)、アドルフ・ダラポッツァ(マッテオ)、ヴァルター・ベリー(ヴァルトナー)、ヘルガ・シュミット(アデライーデ)、
ヴォルフガング・ザヴァリッシュ指揮/バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団


あー、懐かしいわ、このオペラ。全曲聴くの本当に久しぶり。胸がきゅうんとするわ。

「アラベラ」の実演観たのは1988年(古!)。バイエルン国立歌劇場&ザヴァリッシュの引越し公演で。その時はアラベラ役がアンナ・トモワ=シントウとルチア・ポップ、マンドリーカがトーマス・アレンとベルント・ヴァイクルのそれぞれダブル・キャストであった。

私はヤマをかけて、ポップとヴァイクルの日をゲット。いやー、当時は券を取るときはどっちの配役かわからなかったのだ。ま、普通はポップのほうに行きたいと思うが。(知り合いがシントウの回を取ってしまって、「イマイチだった」という話である。)

この公演は、NHKで放送されたのでご覧になった方もおられるであろう。

ポップはこの年に私は初めて見ることができ、その後もう一回来日してモーツァルトだかに出演したのだと思う。それは見なかったのだけれど。その後、肺癌でお亡くなりに。享年54歳。なんでもあの清澄な声とはうらはらにヘヴィー・スモーカーだったという話をどこかで読んだ。(似合わねー)

私が彼女を観にいった「アラベラ」(と「マイスタージンガー」)の時にはすでにかなりどっぷりと太られていた。(ヴァイクルが最後にポップを抱き上げてぶん回すシーンがあり、大変気の毒であった。)・・・あとで、もう彼女は病気に侵されていて、肥満は薬の副作用ではないか、ということもどこかで聞いた。
しかし、声はまだまだチャーミングで、あの歌唱を超えるアラベラは多分もう実演ではムリであろう。第2幕の二重唱とかどうしても忘れられない瞬間が色々あって(まあ、あとで録画放送を観たということもあるが)、思い返すと本当に胸がキュンとなる。

ということで、このCDはこの公演の前勉強のために購入したもの。輸入盤だが当時は対訳がちゃんとついていた。

<あらすじ>
退役軍人のヴァルトナー伯爵一家はウィーンの高級ホテルで贅沢な暮らしをしているが、実は恩給を使い果たし家計は火の車である。夫妻には2人の娘がおり、アラベラは美人だが気位が高く、数多くの求婚者がいるがなかなか結婚しない。

妹のズデンカは、娘2人を社交界に出すにはお金がかかりすぎるということで子供の時から男の子として育てられている。ズデンカの親友であるマッテオはアラベラに深い愛情を持っているが相手にされていない。実はマッテオを深く愛しているズデンカは冷淡な姉の名を語ってラブレターをマッテオに送ったりしている。

美しいアラベラが金持ちと結婚することが最後の望みであるヴァルトナーは昔の親友で大金持ちのマンドリーカにアラベラの写真を送りつけておいた。それを見て老マンドリーカの遺産を受け継いだ甥のマンドリーカが求婚に訪れる。

舞踏会。アラベラとマンドリーカは一目で恋に落ちる。マンドリーカは求婚し、アラベラは結婚を心に決める。マンドリーカは、彼の住む村では女性が婚約者に泉から水を汲んで差し出す、というしきたりがあるということを語って聞かせる。

その夜、アラベラは1時間だけ時間をもらって、踊りに行く。3人の求婚者と踊って別れを告げる。ズデンカはショックを受けるマッテオにこっそりと部屋の鍵を渡し、ここでアラベラが待っているから、と囁く。これを偶然マンドリーカが聞いてしまう。

陶酔してホテルに戻ってきたアラベラと、いましがた暗闇の部屋で愛を交わしたばかりのマッテオが鉢合わせする。マッテオはこんなに早く身支度をしてロビーにいるアラベラが信じられない。そこへヴァルトナー夫妻、マンドリーカが舞踏会場から戻ってくる。マンドリーカは次第に自分の聞いた「真相」を暴露しはじめる。ヴァルトナーとマンドリーカは決闘だと騒ぎ出す。

そこへ、女性の寝巻き姿のズデンカが現れる。マッテオを部屋で待っていたのは実は姉のふりをしたズデンカであった。全て誤解が解け、マンドリーカはズデンカとマッテオの結婚を許すようにヴァルトナーに要請する。

あとに残されたアラベラとマンドリーカ。アラベラは従者に水を一杯汲んでくるよう頼み、立ち去る。マンドリーカは不安に陥るが、部屋にコップの水を持ったアラベラが現れた。マンドリーカはその水を飲み、「このコップからもう誰も水は飲まない」と床に叩きつける。二人は抱き合うが、彼女は彼に「おやすみ」を言い、急いで部屋へ駆け上がって行ってしまう。

・・・ってな感じでずいぶん長くなってしまったが、こんな筋書きまるでありえねえ、昔の少女漫画のような、いや、私はなんとなく手塚治虫のマンガっぽく感じるんだけど、どうだろう。
どっちかっつーと、聴衆は圧倒的に冷淡なアラベラよりもズデンカに深く同情してしまうに違いない。大体、女性が演じるチャーミングなズボン役はいつの世でも人気者である。(実演ではジュリー・カウフマンが演じ、普段でもショートカットでボーイッシュな彼女はまだ若く大変チャーミングであった。)

このCDでのヘレン・ドナートも大変チャーミングな歌声でカワイイなあ、こんな素敵な女性に愛されてマッテオってなんて幸せ者なの、と思う。

もちろん実際にご夫婦のF=Dとヴァラディは息もぴったり。(二人のキューピットはザヴァリッシュだったって聞いた)
ところで、1988年の来日公演の前にサントリー・ウイスキーのCMでこの「アラベラ」を二人で演じ、第2幕のあの美しい2重唱を歌ってたのが頭に残っているんだけど・・・誰か覚えてますか?

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コメント

R.シュトラウスってオペラおかいていたんですね。
知らなかったデス。
R.シュトラウスといえば交響詩あたりが好きです。
ドン・ファンが1番気に入ってますww

投稿: ホルン初心者マーク | 2007年6月 3日 (日曜日) 22時12分

naopingさん、こんばんは! NHKによる放送を観た記憶がちょっぴりあります。確か小塩節氏の解説だったような…。ただポップを「素敵だなぁ」と思ったことをうっすらと覚えています。
ところで、「水を!水を!」のお兄さんは怖いですね… 今度そういう方が来たら、ベートーヴェン「大フーガ」をかけて踊ってみては如何でしょうか? 来訪者も怖くなって逃げ出すと思います(爆)。
余談ですが… 吉田さんまでエルガーを採り上げておられ、もう二面楚歌となっています(笑)。

投稿: Niklaus Vogel | 2007年6月 3日 (日曜日) 22時19分

>>ホルン初心者マークさん
こんばんは!そおですよ。たくさんオペラかいていたのです。交響詩もよいですよね。私は英雄の生涯がすきです。

>>Niklaus Vogelさん
こんばんは。そうですね、随分昔なので私も記憶が薄い・・・ウチはもちろんヴィデオを録画してあるのですが、いかんせん現在の住居にはプレイヤーがありません。うう。ポップ、ほんとに素敵でした。

まー、踊ったりするのは確かに効果的かもしれませんが、逆に隣に住んでる女の子に通報されてしまいそうな気がしますね。曲はハルサイがいいと思います。

吉田氏のとこには早速行ってみました。エルガー感染者がここにも・・・ウッシッシ。Niklaus Vogelさんも往生際が悪いなあ、本当は好きなくせに。早くカミングアウトしましょうね。

投稿: naoping | 2007年6月 3日 (日曜日) 23時01分

こんばんは。アラベラ!大好きなシュトラウス・オペラの中でも、かなり上位です。いくつも持ってますが、ご指摘の来日公演の映像、大事に保管してあります。ポップは、ゾフィーからマルシャリンになったように、ズデンカからアラベラになりました。そして亡くなってしまったことは、音楽界のもったいない事件のひとつといえましょう!

サヴァリッシュとFD夫妻の共演って、結構ありますね。
キューピットだったんですか!
もう聴けない顔合わせですなぁ・・・。
私のシュトラウス・シリーズ、アラベラはまだ先です。月イチですが、最近ちょっと焦ってます。あんまり、焦らせないで下さいな。

投稿: yokochan | 2007年6月 3日 (日曜日) 23時15分

>>yokochanさん
こんばんは!私はアラベラってオペラはこのザヴァリッシュの公演があるって知るまで名前も知らなかったです。「バラの騎士」の妹分みたいな感じ・・・と聞いてどんなかなと思ったりしたのですが、ホンワカしたイイ感じのオペラですよね。

どこかで、ヴァラディのインタビューを読んだんですが、F=Dにはじめて会った時、相手は大歌手だからすごく緊張した~って言ってました。でも、お似合いの夫婦ですよね。ヴァラディってジークリンデしか観たことないですが、とってもお綺麗でしたね。

あー、アラベラそういえばまだでしたね。誰の演奏のCDか楽しみにしています。

投稿: naoping | 2007年6月 3日 (日曜日) 23時38分

naopingさん、先日はウチのブログにお越しいただいてありがとうございます。しかも、リンクまでしてくださっているのですね(T_T)。今後ともよろしくお願いします。

ヘレン・ドナートは、私が中学生の時に初めて買ったワーグナーの全曲もののLP、カラヤンのマイスタージンガーでエヴァを歌っていて、その可憐な歌声に萌え萌えだったことが思い出されます。そういえばあのレコードが、幸か不幸かワーグナーのレコードを中学生の分際で貯金をすべて使いつくして集め始めたきっかけで、その後の人生をも狂わせた?のだと思います。うーん。狂ってよかったと思ってますけどね。(^_^;)

投稿: ココアカ | 2007年6月 5日 (火曜日) 11時13分

>>ココアカさん
いつもどうも。こちらこそリンク貼って頂いてありがとうございます。
ヘレン・ドナートは、清純で本当にカワイイ声ですよね。カラヤンのマイスタージンガーを持ってないのでアレなんですが、確かに殿方の人生を狂わす感じ?の歌声ですね。きっとご本人もカワイイんでしょうね。このズデンカ役もとーってもカワイイので萌え萌えです。

投稿: naoping | 2007年6月 5日 (火曜日) 20時53分

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