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2007年5月 9日 (水曜日)

デュ・プレ&バルビのエルガー

P1000754エルガー:チェロ協奏曲ホ短調
ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)、サー・ジョン・バルビローリ指揮/ロンドン交響楽団

最近、朝昼晩の自炊にどうしても飽きてきて、ここ2日間夜は外食にしている。いくらシェフ並みの料理の腕前(?)でも、自分の味付けというのはワンパターンで、こう毎日だとうんざりしてくる。

昨日行ったのは、知る人ぞ知るラーメン店「じらい屋」。取材お断りの店。
http://www.jiraiya-ramen.jp/

休みの日に行っても、行列が出来てたり、いっぱいで入れなかったため、昨日は6時半ころ行ってみたら、お客さんは誰もいなかった(よかった)。なんたってこの店はとっても狭くてカウンター7席しかないこと、店のオヤジは(夜はお弟子さんがやっているようだ)ラーメンは副業としてやっているらしく、店は開いてたり開いてなかったりというテキトーぶりなのでなかなかラーメンにありつけない感じである。そこが人気なのかしら~。

Jiraiya っつーことで私が行ったときは作ってくれたのはお弟子さんだったようだ。初めてなのでシンプルなメニューで醤油ラーメン。スープはみたところ真っ黒だけど意外とさっぱり。ぶあついチャーシューの上にネギがたくさん乗っている。メンマもびんづめのとかじゃなくて手製っぽい。
次回は野菜の乗った塩ラーメンか、醤油ラーメンに「とりたま」というトッピングにしようか、迷っている。できればおやじのいる昼間に行ってみたい。(トッピングなしだったら650円で食べられるのは有難い。写真はライブドアグルメより借りたす。)

えーっと、何のblogだっけ?音楽blogだし。
そんな私の「お一人様」のさみしい楽しいひとときのお供となるのが、先日下北沢で買ったみうらじゅん・・・じゃなくて三浦淳史先生の「演奏家ショートショート」。ラーメン屋でこういう本を読んでいるとなんだかハイソサエティな感じ・・・でもないか。

私の年代やそれ以上の年代の音楽ファンは、大抵三浦先生の文章を読んで育ったものだと思う(よね?)。そんな先生の筆致が懐かしい・・・。オペラ・バッフ(ペラキチ)なんて言い回しとかね。

そんな楽しい懐かしい文章の中には、当然ながらイギリス人音楽家が多く登場する。ジャクリーヌ・デュ・プレも、あの忌まわしきMSを発病して引退のあと、7年後にステージに復帰(チェロではないけど)、夫であるバレンボイムの棒でプロコフィエフの「ピーターと狼」の語りを担当したというエピソードが書かれている。

で、まー。本日紹介のこのCDも、国内盤なので三浦先生の愛情あふれる解説が付いている。私が持ってるこのCD(エンジェル・ベスト100)が発売された頃はジャッキーはすでにお亡くなりになっていた。享年42歳。

久しぶりに聴くこのCD。実は私は同じバルビローリ指揮でもナヴァラ&ハレ管をもっぱら聴いている。こっちも素晴らしいです、シブイ。男気があるっつーか。ジャケットもシブイし。デュ・プレのような第2楽章のチャーミングさはないが。

実際、ジャッキーの演奏はなんだか聴いているのが辛くなる。あまりにも力いっぱいで(バルビローリと似ているのかも)。それと、私が勝手に思っているだけかもしれないけれど彼女の恐ろしき運命、将来が見え隠れする演奏に少々怯えてしまうのである。とても平静に聴いてはいられない。(以前、衛星放送で彼女の発病後の映像を見たことがあるが、静かな表情とはうらはらにとても辛いものだった。)

それに、彼女の死後に彼女のことを描いた映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」のことも思い出してイヤな気持ちになる。(「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に次ぐ、観なければよかったと思う音楽映画。)

・・・でも。
私の主観はさておきこの演奏は、言うまでもなく最上のものである。エルガーを聴くなら絶対に外せない名盤である。

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コメント

こんばんは。
三浦淳史、レコ芸や週刊FM(古い)でよく読みました。わりに趣味が似ていましたが、ディーリアスはまだついていけてません。落武者のような風貌と飄々とした文章が好きでした。
デュ・プレのエルガーは激しすぎてコワイですね。

投稿: 吉田 | 2007年5月 9日 (水曜日) 22時46分

>>私の年代やそれ以上の年代の音楽ファンは、大抵三浦先生の文章を読んで育ったものだと思う(よね?)。

僕もです、あんな洒落た文章をさらりと書けるようになりたいって思いましたね。

>>ジャッキーの演奏はなんだか聴いているのが辛くなる

確かに、このCDは僕も10年前に買ったけど、何度聴いても「これが最後」って感じの切迫した感じを受けましたね。っていうか、今でも他のチェリストでこの曲を聴いてもどこか違和感が残りますし、やはり聴いてて辛くなりますね。

投稿: Shamshyraq | 2007年5月 9日 (水曜日) 22時48分

ああ、わたしもラーメン大好き小池さんなので、ラーメン屋にはよく行きます。
ウチの近所にラーメン街道といわれるスポットがあり、なぜかラーメン屋さんが多いのです。
私はねぎ味噌チャーシューが好きです。かなりメタボですが。

デュ・プレのエルガーは本当に身を切るような演奏でちょっとつらいところがあります。
最近フルニエのディスクを聴いたら全然違うのでびっくりしました。

投稿: ピースうさぎ | 2007年5月 9日 (水曜日) 22時55分

>>吉田さん
こんばんは!
週刊FMとかFMファン、今でも年末は欲しいなあと思いますが、いつのまになくなっちゃったんでしょ?まあ、ネットがあるからいいのかしらん。三浦さんて落ち武者みたいだったんですか(実はお顔を拝見したことがありません)。
やっぱりデュ・プレの演奏はコワイっすよね。

>>Shamshyraqさん
連日どうもです。
デュ・プレの演奏は何度聴いてもこれが最後って切迫感は感じますね。でも他の人の演奏だとなんだか違和感があるかもです。彼女のおかげでエルガーは女性が演奏するのがふさわしいっぽい風潮があるのか、私は実演では女性の演奏しか聴いたことない気がします。

>>ピースうさぎさん
ピースうさぎさんもラーメン好きなのですね。最近は「一人じゃどうも入りにくいなあ・・・」と思う店でも、平気で入れるようになりました。この「じらい屋」はネットでも評判のよい店ですが、ちょっとヒクくらい狭いので、ここに一人で入れたら他は大丈夫!な感じがします。名古屋方面だとこってり味噌味が主流という印象がありますね。ねぎ味噌チャーシューってあんまり東京では聞かないです。

デュ・プレのエルガー「聴くの辛い」説は私だけじゃなかったので、ホッとしました次第です。

投稿: naoping | 2007年5月10日 (木曜日) 20時36分

さまよえる歌人さんから参りましたおぺきちと申します。
デュ・プレとバルビローリのエルガーは真に迫る名演奏だと思います。
聞いているこちらをも切ない重たい心になる1素晴らしいですが、「本当のジャックリーン・デュプレ」を見て、この曲は彼女のためにつくられたのではないかと思えました。

投稿: おぺきち | 2007年5月11日 (金曜日) 11時35分

>>おぺきちさん
どうもはじめまして!・・・というか前からちらちら読ませて頂いてました(例によって読んでるだけでコメント残さずスイマセン)。

エルガーのこの曲はホントにデュ・プレのために書かれたみたいに・・・彼女のテーマ曲っぽくなってますよね。彼女が演奏してくれたおかげでチェロ協奏曲の代名詞といってもいいくらいになってますね。

どうぞよろしくお願いします!

投稿: naoping | 2007年5月11日 (金曜日) 21時58分

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受信: 2007年5月11日 (金曜日) 11時51分

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