P=ベリエル:ラップランド交響曲
ペッテション=ベリエル:交響曲第3番「ラップランド」
ミハイル・ユロフスキ指揮/ノールチェピング交響楽団
まあ、古今東西この世には色んな交響曲があるもんだが、この「ラップランド」交響曲のCDは自分で買っておきながらもすっかり忘れていたので、家で見つけてびっくりした。題名もステキだけど、曲もなかなかよいであります。
まずラップランド(サーミランド)て。自分、地理には本当に疎い人間なので、なんか寒いイメージはあるけどアラスカのほう?とか南極かしらとか途方もないことを考えていたのですが、北欧のノルウェー・スウェーデン・フィンランドにまたがる地方だそうです。
なんでもラップランドはスキー発祥の地らしく、紀元前2500年頃に描かれたと推定される岩絵には先の反り返った二つの板に乗る人間が描かれているという。
・・・ま、曲と関係ありませんが。
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル(1867-1942)、スウェーデン北部ウランゲル生まれ。
1886年にストックホルムの王立音楽大学オルガン科に入学。すぐに作曲科で学ぶ。
1895年秋にストックホルムへ移り、音楽批評を始めた。翌年には、スウェーデンの大手新聞の音楽評論家として雇用され、1930年までそのポストにあった。彼の批評は正直であるが刺があり、評論は大衆に受け入れられて読まれたが、同時に敵意と嫉妬を煽った。
(ウノコーホー氏みてえなもんか。違うか。)
1914年にイェムトランドのストゥーシェン湖にあるフレーセー島に別荘を作り、1930年より、その地に永住した。
1896年にピアノのために8曲の小品を発表し、作曲家としては成功したと見なされる。その作品が『フレーセーの花々』である。
1942年12月にエステサンドの病院で逝去。
とゆーよーに、ペッテション=ベリエルといえばなんとしてもピアノ曲集「フレーセーの花々」が有名なようである。ホントにこの曲たちはチャーミングで聴いていて心癒されるものであるが(自分で弾けるのならば弾いてみてえ。だけど~僕にはピアノがない~。)、まあ、今日のお題は「ラップランド」であるからこれはおいといて。
彼の交響曲は5曲遺されていて、その中の3番目。
第一楽章 Allegro moderato
ラップランドの先住民サーミ人が口語で伝えてきた「ヨイク」って民謡が使われてるという。どれがそうなのか?
第二楽章 Moderato
なんだか荒々しい感じ。厳しい自然を感じさせる。中間はちょっと和みな雰囲気。
第三楽章 Tranquillo
8分の10拍子を使っている(・・・ということだがよくわからない)。静かなゆったりとした美しい曲。後半は心に迫るものがある。
第四楽章 Moderato
嵐に立ち向かう人という印象で出だしは英雄的。が、聞き進むうちになんとなくお茶目な表情も見せる。結構最後はこれだけ引っ張っておいて「アレ?オチは?どこ?」といった感じでなんとなく終わる。
まあ、全般的に「愛想のいいシベリウス」みたいな感じかと(???)。一般的な「名曲」のような決定打には欠けるが綺麗なメロディが出てくるし、ちょっと変った交響曲を聴きたい方にはおすすめ。
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コメント
こんにちは。
ペッテション=ベリエル、確かにシベリウスをユルくしたような味わいですね。
もっともこのユルさ、妙に気持ちよかったりします。
シベリウスの寒さ厳しさにイマイチなじめない私でございます。
投稿: 木曽のあばら屋 | 2007年4月 3日 (火曜日) 07時32分
>>木曽さん
コメントありがとうございます。ペッテション=ベリエルはいいですよね。他の交響曲も聴いてみたいです。私も実はシベリウスの交響曲は好きなものもあれば、ちょっと馴染めないものもあるのです。音楽はやっぱりちょっとユルくないとね。
投稿: naoping | 2007年4月 3日 (火曜日) 22時04分