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2007年3月25日 (日曜日)

アルミンク/ローエングリン

Pa0_0080 ワーグナー:歌劇「ローエングリン」全曲
トマシュ・コニェチュニ(ハインリヒ)、スティ・アナセン(ローエングリン)、メラニー・ディーナー(エルザ)、セルゲイ・レイフェルクス(テルラムント)、アレクサンドラ・ペーターザマー(オルトルート)石野繁生(伝令)/その他
クリスティアン・アルミンク指揮/新日本フィル・栗友会合唱団


(すみだトリフォニーホール・3月24日)

やー、お待たせいたしました。え、待ってない?
昨日のコンサートね。完売御礼だってさ。大入り袋はないの?

アルミンクのコンサート前にお話になるのを見込んでちょっと早く到着。
アルミンクはウィーンの出身。だからドイツ語もウィーンっぽい(どこがどうという指摘はできないが、ドイツ人のドイツ語ほどとんがってない)、ソフトな感じ。

お話によれば、劇場でのワーグナー上演とコンサート・ホールでのワーグナー上演はオケのならし方が少し違って、やっぱりリハーサルでは歌手の声が埋もれないようにオケはやや抑え目にしていたのだそう。

ところで、コンサート・ホールでのオペラ上演というのは、結構好きだ。
オケの響きを堪能しながらオペラを見聞きすることができる。一般的に歌手は少しの道具でそれらしい衣装を着て演技をする。
舞台や合唱の使い方は演出家の腕の見せ所である。サントリー・ホールで毎年のように行われているホール・オペラもそうだ。一昨年だか「ボエーム」を見にいったが、たいそう面白かった。

で、今回の「ローエングリン」も、「ボエーム」と同じ演出家の人だという。

舞台はというと、オケの後ろに細い長い階段が両端から中央に向かって作ってあって、後ろのパイプオルガンとこに行くまでの途中に踊場みたいなのがしつらえてあって、その狭い場所で歌手のみなさんは歌ったり演技したりするのである。その踊場には相撲の土俵みたいなのが書いてあってローエングリンとテルラムントはそこで戦ったりする。錦糸町のとなりは両国なのでなるほどである。

Pa0_0081 私の席からの舞台。なにしろネットで取れる最後の一枚だったので、2階のこんなへんてこりんな端っこの席に。一応S席だったんだが。中央に見えるのは舞台の幕代わりのダヴィンチの絵(Human Figure in a Circle)。ダヴィンチ・コードとの関係か?(聖杯伝説とかなー)

・・・。

で、またかよ、の開演前のお知らせ。なんでも、アナセンとペーターザマーの調子が悪いという。でも客のために歌うという。もー、ほんとにこんなことが多々あるから困りものだ。ありすぎ。

アナセンは聴くのは4回目。1回目はパルシファルの代役として、2回目・3回目はロンドンでのハイティンクのリングの「ジークフリート」「神々の黄昏」のジークフリートとして。(ついでに言えば、メスト指揮の「7つの封印の書」のCDも持っている。これについてはいずれまた。)

で、彼は若くて元気一杯のイメージがあったから、今回の体調悪いアナセンは返す返すも残念。楽しみにしていただけに。まあ、調子悪そうな中で頑張ってはいたが。声が突然出なくなったりしたことはなかった。ずいぶん年を取っておなかもでっぷりしてしまったし。

オルトルート役のペーターザマーも(メゾ・アルト歌手好きな私なので)調子悪くて気の毒だった。パンチの効いた声が必要な、ある意味このオペラのキーパーソンだから、第3幕の最後を決める声がうまく出なくてもどかしい。

エルザ役のディーナーはスリムな容姿も澄んだ声もこの役にぴったり。それにしてもずいぶん大きな人である。ローエングリンよりもアルミンクよりも大きかったかも。

ハインリヒ王のコニェチュニという人はまったく初めて聴く人だが、なかなかよかったのではないか。しかし、どっちかというと悪役むきのアクの強い声だった。来年ウィーンでアルベリヒを歌うらしく、そっちのほうが合ってそう。

テルラムントのレイフェルクスはさすがのベテランといった歌唱だが、声的にハインリヒ王と被るかなと。

一番がんばってたのはなんと日本人で伝令の石野さんて人。(伝令の役って新人のデビューとか、初めての大役で張り切るっていう印象が強い。ふしぶしですっごいアピール所の多い役柄である。)いい声だったす。衣装や容姿からなんだか昔のロボットの「學天則」みてえだなあと思ったが。

合唱団は評判がよいだけあってがんばってたし素晴らしかった。歌うだけでなく色々演技もしていた(エルザ一人に対し大人数の「漫才のつっこみ」みたいな感じもしたが。なんでやねん!みたいな)。

第1幕、ローエングリンは、なにやら白鳥の踊りをする人間複数と登場するが、なにぶんにも2階席のため、そのへんはほとんど見えず。歌舞伎の花道見えねーみたいなもどかしさ。

(なんかの本で、どっかの国の舞台でローエングリン役が酩酊してて、白鳥とともに登場してまだ1幕なのに「私はローエングリン、パルシファルの息子だ」と歌っちゃって、史上最短のローエングリンが出来上がってしまうとこだった、っていうのを読んだのを突然思い出した)

オケとか指揮とかは「うわ、こりゃすっげー名演だわ」とか「もー感無量です」って感じは残念ながらなかった(歌手の不調のせいもあるかも)んだが、ローエングリン全曲聞かせてもらったという充実感は確かにあった。オケの音が抑え目なのは仕方ないか。

3幕始まる前に私の後ろのほうから「うわ、あと70分もあんのか」という嘆きの声もきこえてきた。聞く人も演奏する人も、ワーグナーはお疲れ様でした。

         

受付で売ってたPa0_0082 ローエングリンTシャツ。合唱団が最後のほう舞台で長袖のを着てきた。買ってる人もいたよ。私は買わなかったが。写真撮るのはずかしかった。じゃ撮るな。











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昨日はナゾの大アクセス数1444。不吉だ。
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コメント

こんにちは。
私の席は1階の通路に近かったので、右から登場のダンサー+腹出アナセン、左からのでかいディーナー、それぞれ真近に見れましたたが、あの長い行列をアルミンクが気にして見てましたね。
一人もコケたり、吹き出したりしなくて良かったですわ(笑)

やっぱり、おんなじ印象になりましたね。よかった。
あの日本人歌手が一番の掘り出しものだったことと、naopingさんご指摘の「なんでやね~ん」的動きや、パンフレットみたいな歌詞みたいなものをみんな持っていて、それで顔を隠しちゃったりするのが、やたらおかしかったです。見ててニヤニヤしちゃったっす。

投稿: yokochan | 2007年3月25日 (日曜日) 16時28分

>>yokochanさん
こんにちは。一階席だったのですね。いや~、あのダンサーはキツいわ、間近だったら。あの白鳥についてはもっとすごくヘンなこと書いてやろうかと思ったけど、反響があったらイヤなので今回はおとなしめです。

サントリーのホール・オペラ「ボエーム」のときは合唱団の使い方が本当に面白くてすごく感心したんですが、今回はちといじりすぎの感がありました。マイスタージンガーとかだったら面白かったかも・・・(ムリかな?)。

投稿: naoping | 2007年3月25日 (日曜日) 18時08分

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アルミンク新日本フィルの「ローエングリン」、セミステージ上演を聴いた。開演前、 [続きを読む]

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