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2007年3月 3日 (土曜日)

クライバー「トリスタンとイゾルデ」

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」
ルネ・コロ(トリスタン)、クルト・モル(マルケ王)、マーガレット・プライス(イゾルデ)、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(クルヴェナール)、ブリギッテ・ファスベンダー(ブランゲーネ)、アントン・デルモータ(牧童)その他
カルロス・クライバー指揮/ドレスデン国立管弦楽団・ライプツィヒ放送合唱団

過去記事
クライバー:トリスタンとイゾルデ(スカラ座ライブ)

「カルロス・クライバー・オリジナル」に収録のオペラ全曲盤のCDの感想(っつーか漫談)を連日やってきました。ま、残るは「トリスタン」だわね。期待していた方も多かったと思う。

今日、ベルリン国立「トリスタン」の券が届きました。うーん、招聘元の作った(ガガガーとレジ印刷でない)券を久しぶりに見ました。ほとんどプレイガイドで取っていたからね、このところ。ナンだか豪華でイイネ。

まああ、今年のベルリン国立のトリスタンは、演奏や歌唱も楽しみなのはもちろんのこと。クプファーの演出とシャーフェルノッホ(シャヴァノフ?いったい本当の発音はなんなの?)の舞台美術もおおいに楽しみ。チラシで見れるこの舞台写真はなんとも素敵だ。う~。

以前、市川猿之助さんがR・シュトラウスの「影のない女」を演出したのが縁で、猿之助さん主催の「スーパー歌舞伎」の舞台美術をシャーフェルノッホが手がけたときがあった。私は何故かたまたま父の仕事経由で券が回ってきてお弁当・お土産つきでタダで観にいくことができた。歌舞伎とドイツ・オペラの美術の融合。「影のない女」逆バージョンとして、興味深く見させて頂いた。演目は八犬伝だったかな~?いや~黒を基調とした舞台はかっこよかったです。

実はわりとこんなことが縁で歌舞伎にもはまったのかもしれない。

さて、クライバーのトリスタン。すでにどこでも語りつくされた名盤で、私のファーストバイ・トリスタンであった。が、実は最初に聴いたのはラジオ放送でのバイロイト音楽祭のバレンボイム指揮、トリスタンはコロであった。なんだか第3幕がコロのトンでもない大熱演で大層びっくりした覚えがある。今はバレンボイムはどんな演奏をするんだろう。

で、クライバー(なかなか本題に入らない・・・)なんだけど、こないだ買ったグッドールの「トリスタン」演奏が重戦車(Niklaus Vogel氏がコメントで表現して下さったのを引用)なのに対し、早めの指揮ぶりは最新のベンツとかBMWがアウトバーンをぶっ飛ばしてる感じ。すいーすいーとハンドルさばきは軽快だ。

ドレスデンのオケのややくすんだ音色とあいまって、なんだか耳で聴いているのに映画みたいに悲劇の情景がすうっと目に浮かぶ。(最近、「トリスタンとイゾルデ」の映画が公開されたが見ていない。ワーグナーとは関係なさそうだったんで)

昔。(自慢、始まるよ!)
クライバーが来日してフレーニのミミで「ボエーム」を指揮したときに、私もこれは観にいったのだが、吉田秀和さんだかが新聞評で「この日出演した名歌手の他に稀代の名歌手がもう一人加わったような、クライバー指揮のオーケストラ」などということを書いてらっしゃったのを思い出した。

たとえば、第3幕。
瀕死のトリスタンがやっと目をさます。大喜びのクルヴェナールと一緒にオーケストラも横で無言で大喜びしているのが目に浮かぶ(なんとなく「千と千尋の神隠し」の「カオナシ」が頭に浮かんだ)。しかしそれに反して次にはトリスタンはイゾルデを思うあまりに苦悩の歌を歌うが、カオナシがその横で「え?」とばかりの落胆の表情。そしてトリスタンとともにオケにもみるみる表情に悲しみが表れる。このへんはまあワーグナーの音楽自体もうまいのかもしれないけれども、こういった変幻自在のクライバーの指揮はうなるもんがある。

歌手は~。コロのトリスタンは、昨日はお調子者の「こうもり」のアルフレートを歌ってたばっかりでちょっと笑ってしまった。このところヴィナイだのヴェンコフだのの「重トリスタン」を聴いていたので、コロの「軽トリスタン」はちょっと新鮮。コロのトリスタンはベルリン・ドイツ・オペラ来日で見聞きしたけれど、指揮者があまり良くなかったんだかあまりよく覚えてないのが残念。

イゾルデのマーガレット・プライスは、解説書の写真さえ見なければ、リゲンツァやデルネッシュ並の金髪美女を想像できる歌声かと思うが、ムリだろうか。プライスの、他のワーグナー歌手にはないこまやかな歌いぶりは結構気に入っている。とくにホレ薬を飲んだあとの「どうしたの、ブランゲーネ?あの叫び声は何ごと?」と取り乱して歌うところなど、ニルソンやフラグスタートなどには見られない可憐な表情が何度聴いても好き。

・・・。
そんなわけで、10月のトリスタンが楽しみですねえ!



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コメント

naopingさん、こんばんは!
マーガレット・プライスの可憐なイゾルデはとても好きです。スタミナ的に実演で向くか否かは別としても、これが録音の魅力ですね!
個人的な感想では、コロとモルが私のとても好きな歌手であるにもかかわらず、ここでのコンディションが今ひとつのように思えてしまいます…。
naopingさんが挙げられていたトリスタンでは、ヴェンコフが正規全曲録音を残してくれなかったことがとても残念です。

投稿: Niklaus Vogel | 2007年3月 3日 (土曜日) 23時55分

>>Niklaus Vogelさん
あ、頂いたのですね。でもいいですね~。バーバラ・ボニーちゃんは生で見ましたが、席がやや遠かったですね。(←こっちで返事書いてしまった)

そうそう、プライスのイゾルデは実演ではまずなさそうですね。あの巨大なオケを通り抜ける力は絶対ないし。カラヤンのトゥーランドット(リッチャレッリ)もそんな感じがしましたが・・・。録音ていいですね。

クライバー×スカラのスパス・ヴェンコフ、意外といいんで聞き入ってしまいます。このところ重トリスタンに結構はまってます。キング様がトリスタンやったらイケてたんじゃないかなと思うんですが・・・。

投稿: naoping | 2007年3月 4日 (日曜日) 09時43分

こんにちは。連続カルロスにどこで合いの手をいれようか、と思っているうちに、忙しくてあれよあれよで、トリスタンになってしまいました。
スカラ座のボエームは2回とも、観のがしてしまいました。つーか、カルロスは一度も実演経験なしです。

コロとプライスは、かなりユニークな歌になってますよね。
私もかなり好きですし、ヴィナイやヴェンコフの重トリスタン大好き。あとコロ系のザイフェルトがウィーンで歌い始めてますので、来年のウィーンの来日公演で聴けるかもしれません。
ついでに、J・トーマスのトリスタンがちょっと聴けるCDとヴェンコフをいずれ取上げますので、お楽しみに。

投稿: yokochan | 2007年3月 4日 (日曜日) 13時03分

naopingさん、こんにちは。

最近、買い替えたiPod80Gに、フルベンやベームなどを含めて数種類のトリスタンを入れていますが、一番聴く機会が多いのは、やはりこのクライバーのドレスデン盤です。
あと、先日、MEMORIESというマイナーレーベルから発売された75年のバイロイトライブは、実演ならではの熱気あふれる演奏に加え、ステレオで録音状態もそれほど悪くないため最近よく聴いています。
naopingさんが、以前、紹介されていたMYTOのスカラ座ライブは未聴なのですが、あれはモノラル?ステレオの音源はないんでしょうかね?

話はそれますが、上記盤と一緒に通販で入手したクライバーの81年スカラ座ライブの「オテロ」(RE!DISCOVERとかいうレーベル)は、同じくステレオでいっそう生々しい音だったので驚きました。何年か前に発売された「カルメン」のDVDみたいに、今後もC.クライバーの素晴らしい未発表音源が登場して欲しいものですね。

投稿: あうれりゃーの | 2007年3月 4日 (日曜日) 15時37分

>>yokochanさん
いつ合いの手がくるかなあと思っていました。今日はダフネ
を教育テレビでやるみたいですが(ちょびっとだけな感じ)、放送は大丈夫なのでしょうかね。
ヴィナイはいいですな~。昔はコロやイエルザレム等の若い声のテノールが好きだったんですが、年とともに重い声もいいかなあと思うようになりました。今だったらフルヴェン盤のズートハウスも受け入れられるかもなあと思います。

え、来年ウィーンが来るんですか・・・。うわー。(悲鳴)

>>あうれりゃーのさん
コメントありがとうございます。
75年のは未聴です。ステレオなんですか・・・。わお。

MYTOのは何も書いてませんがモノラルです。1978年ですが、あんまり音はよくないです。しかも、観客の鼻をかむ音が何回かします。花粉症か!って思う。あと、クライバーが登場すると拍手大喝采で、観客が「シー!シー!」って言っているのも聴こえます。イタリア人てこんな。

※音質は、必ずしも良好とはまでは言えません。予めご了承の上お買い求め下さい。←ってタワレコでも。

投稿: naoping | 2007年3月 4日 (日曜日) 18時49分

 こんにちわ。ひさびさにトリスタンのチケットを買ってしまいました。以前見たのは1986年のウイーン国立歌劇場公演で、ヨハンナ・マイヤー、ゲルト・ブレンアイス(コロまたはヴェンコフの代役)、テオ・アダムでした。今回も楽しみです。
 ベーム、クライバー、フルトベングラー、バーンスタイン、ティーレマン、バレンボイムヴィデオ、など揃えてこれから勉強します。今は、小澤「タンホイザー」のために、「タンホイザー」のみ聴いています。

投稿: サモトラケのニケ | 2007年3月13日 (火曜日) 19時16分

>>サモトラケのニケさん
ようこそいらっしゃいました。
blog、少しですが見せていただきました。「ダフネ」、行かれたのですね、やっぱり「ぶらさがり健康器」だったですよね?
バレンボイムの「トリスタン」の券を買われたのですね!私が以前観たトリスタンの舞台はコロ&ジャニス・マルティンンのベルリン・ドイツ・オペラです。トリスタンもそうですが、ワーグナーの実演は何ものにも代えがたいですよね。予習もまた楽しみの一つです。また宜しくお願いします。

投稿: naoping | 2007年3月13日 (火曜日) 19時30分

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