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2007年3月21日 (水曜日)

フルトヴェングラー:スカラ座のワルキューレ

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ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」
ギュンター・トレプトウ(ジークムント)、ルートヴィヒ・ウェーバー(フンディング)、ヒルデ・コネツニ(ジークリンデ)、フェルデナント・フランツ(ヴォータン)、キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ)、エリザベート・ヘンゲン(フリッカ)/その他
ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団(1950年3月9日、ライブ)

ジャケットは、今更このアタイが語るのもおこがましい、空前絶後の名演として有名なフルトヴェングラーのスカラ座リングであります。

当時いくらしたんだったかな?2万5千円くらいか。すでにショルティ・リングを初ボーナスで入手したあとだったのにずいぶん大盤振る舞いである。

ちなみに、ウチのコレクターズナンバーは0025である。(ちょっと、早くない?ねえ)

当時でもびっくりするようないい音質だと思った。現在はSACD化されてもっといい音になっているはずである。

しかし、昔はネコもシャクシもショルティのリングが一番だといわれていた時代だったので、最初に聴くのはとりあえずショルティ、次にはベームかカラヤン、フルヴェンやクナはかなりレベルの高いマニアのおにいさんたちが聴くもんだと思っていた。(でもフルヴェンのは出てすぐ買った。そのすぐあと出たクナはさすがに手が出なかった。)

なんたって、私は神のごときフラグスタートのファンだったから(今ももちろん)、彼女がブリュンヒルデを歌うこのリングは絶対ほしかったのでありました。(盛期はちょっと過ぎてはいるが)

でも、でも。他の歌手はどうしてもダメだった。「ワルキューレ」に関して言えば、やたらと怒鳴るウォータン、やけに重い声のジークムント、声をずりあげる歌い方が気に入らないジークリンデ。全体的に歌い方の古臭さが、なんともダメだったのである。

で、今日はお裁縫をしながら(「ワルキューレ」を聴きながらだと仕事が進むのよね~)かなりひさーしぶりに聴いてみたらこれがなかなかね、いいんだわ。フラグスタートばっかり聴いていたもんでね。他の歌手の皆さんには申し訳ない。

まずトレプトウのジークムント。近頃カイルベルト盤リング他でヴィナイなどの重いジークムントやトリスタンを聴きなれていたので、このトレプトウはさほど重くは感じず。「古い歌唱」と切り捨てずに聴くべきだと思った。大変ヒロイックなうたいぶりで感動いたしました。

コネツニもとても熱演で素晴らしいです。どうしてこんなにダメだと思ったのだろう。画面は見えませんが、彼女はかなり演技がんばっているように思います。

(昔、彼女が舞台上でジークリンデを歌っているときに差し歯が抜けてしまって、歌いながら舞台中探し回って、やっとジークムントの目の前に落ちているのを発見、歓喜に満ちた表情で恋人の前へひれ伏したのを見て何も事情を知らぬ聴衆はみな感銘を受けたという記事を読んだことがある。)

ヘンゲンのフリッカもさすがな貫禄ぶりです。

で、ま。
フルトヴェングラーのリングなのにフルトヴェングラーに触れないで今日のblogを終わるなど、国際オペラ法違反であろう(そんなもんない)。

フルトヴェングラーとかクナッパーツブッシュのワーグナーを聴いたあと、ショルティなどの後年の演奏がなんだかただ棒を振って音楽を整えているだけのように聴こえてしまうのがコワイ。いや絶対そんなことはないんだけれども。

フルトヴェングラーのワーグナーはなんだかこゆいのである、音楽が。どろり~と。一週間煮込んだビーフシチューとかそんな。おいしい。

第1幕の最後などは、まるでバイロイトの第9の終わりのようにオケが走りまくっていて(指揮が見にくいのか。あらあらどうしましょという表情)金管がお先に「ぷ」とか出てしまったり、あとのほうが弦の合奏があってなかったりするのが、すっごく素晴らしい。ああ、やっぱりフルヴェンね。こうでないとね。

第2幕でも。とくに「きた」のは、ジークムントとジークムントが逃げまくっているときに、ジークリンデが「こんな汚れた私など置いて逃げてください!」と切々と歌う部分は、コネツニもすいぶん切々としたもんだが、それ以上に弦が雄弁で泣き狂っているのがこれがフルトヴェングラー節っつーのか。今更ながら。「死の予告」のあとのジークムントの切々とジークリンデを思う気持ちも、オケのほうが雄弁に歌いまくっちゃってる。これは泣けるねえ。

で、フラグスタート・・・ってもうこんなに長くなっちゃった。今更アタイが語るまでもないよ、なにしろすごいから聴いてごらんなさい。ではまた!!

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コメント

naopingさん、こんばんは!
やはり、本来のオペラ・ファン、ワーグナー愛好家からすれば、フルトヴェングラーの「リング」となれば、スカラ座なのでしょうね…。
世評では「(フルトヴェングラーの「リング」ならば、)演奏のスカラ座、音質のRAI」と言われているようですが、個人的には演奏も含めてRAIの方が好きです。メードルのブリュンヒルデも、ここでは絶好調に聞こえます。
元来、「リング」をヒストリカルな音質で聞くことを苦手としていますが、このフルトヴェングラー&RAI盤は例外中の例外となっています。(ちなみに、ショルティは、「ジークフリート」以外あまり好きではありません。)
EMIの曇った音質も、最近のGEBHARDTのリマスタリングによって、きわめてクリアーになりました。
(師匠のブログでは、ひさしぶりに、音楽に関するコメントを記したような気がします(笑)。)

投稿: Niklaus Vogel | 2007年3月22日 (木曜日) 00時15分

こんばんは。フルヴェンのリングはわたし、苦手であります。
というのは、録音がイマイチ印象でして、最近のリマスタリングのものを聴けば印象がかわるのでしょうが。
スカラ盤は海賊盤で、ローマ盤は黄昏だけですが、15年前に、一度しか聴いてまへん。ちょっと考えなおさなくてはいかんですね。
あんまり誉めていらっしゃるので。
フラグスタートですもんね。

投稿: yokochan | 2007年3月22日 (木曜日) 01時45分

>>Niklaus Vogelさん
こんばんは!
フルヴェンのリング、実はスカラ座盤しか持ってませんです。だってフラグスタートを聴くために買ったんだも~ん(←?)。ローマは音質いいぜえというのはいろんなところで読んだりしてますが・・・。他に聴くべきリングが沢山ありすぎて、そこまで手が回りませぬ。ショルティはあくまで資料的価値かなと最近では思うようになりました。

最近は、さすがに音楽的ネタが尽きてきましたな~。そんな汲めども尽きぬ泉のような人間でもないし(笑)。ネコの写真でも載せようかな、ネコ飼ってないけど。

>>yokochandさん
こんばんは!いやー、ほめてるったってこの程度のコレクション(リング全曲6つしか持ってない)ですから、なんとも言えませんが。でも、フルヴェン盤で聴いてソンはないのは、上記の「ワルキューレ」一幕おしまいのオケの乱れ具合と、フラグスタートの「自己犠牲」のかなりイっちゃってる歌唱ですかね。何か、魔物が取り憑いてる感があります。まー「録音がいい」ったって、フルヴェン&フラグスタートのヒストリカルLPで育った人間ですから、比較になるかどうか。。。

投稿: naoping | 2007年3月22日 (木曜日) 19時50分

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