ヴァルナイ&ヴィナイ&ミトプー「神々の黄昏」第3幕
ワーグナー「神々の黄昏」第3幕全曲
アストリッド・ヴァルナイ(ブリュンヒルデ)、ラモン・ヴィナイ(ジークフリート)、Lubomir Vichegonov(ハーゲン)、Clifford Harvuot(グンター)、Lucine Amara(グートルーネ)、その他
ディミトリ・ミトロプーロス指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック管弦楽団
(1955年11月30日、ライブ)
いやー、堀江モン・・・じゃなくて、なんだか掘り出しモンである(ワタシ的に)。CDの棚をいじってたらこんなCDがでてきちゃった。しかも、いままでろくに聴いてない風である。
なんたってあの、カイルベルトのステレオリングと同じ年の録音なんだからね!しかも指揮はミトロプーロスときてる。ライブだけど演奏会形式なのか合唱が入ってない。しかもモノラルだけど、音はそんなに悪くないです。指揮者の唸り声まで入ってる。
(ま、はなっから出てくるラインの乙女たちの歌がちょっとアメリカっぽくジャジーなのが気になるが、それはおいといて。)
ミトロプーロスの指揮はスゴイの一言。こんな気迫に溢れた演奏がライブで聴けたらなんて幸せなのかしらー。演奏会形式でもぜんぜん構わない。またニューヨーク・フィルの管楽器もホレボレするくらいガンガン鳴らしてるし、ジークフリートの死ぬ所もオケバリバリ鳴ってるし(さすがアメリカのオケだ)、ほんと物凄い集中力がコワイくらいよ。
カイルベルト盤でジークムントだったヴィナイは、ここではランクアップしてジークフリートになってる。しかし、ご存知の通りジークフリートは第3幕では歌うトコ少ないんだねえ。結構すぐ死んでしまうわけだ。いやー、でもほんとにすごい頑張ってる。力強い声でしびれちゃう。ウィントガッセンとはまた違う重い声が男らしい。絶好調でガンガンいっちゃってる。もっとききてえ。
最後だけ突然かっこよく登場して一人でえんえんと歌いまくって曲をシメるのはブリュンヒルデ。
ヴァルナイはそもそもスウェーデン生まれのアメリカの歌手なのだから、ここは故郷の地ってことだな。出だしはまだ声が温まってないのかちょっといつもより「?」だがすぐに調子を取り戻して朗々とした声を聴かせてくれる。いやーさすがはヴァルナイ。
しかし。
途中から(からすたちよ、飛んでいけ!あたりから)何が起こったのか?というくらいミトプーは急ぎはじめる。ヴァルナイが歌い終わってからはもうジェット機並みというのか。ミトプー、演奏中に急用でも思い出したのか?帰りの飛行機が間に合わないとか?
いままで、あれだけたっぷりと聴かせてくれてたのに、そんなこんなで、ハラホロヒレハレ、最後はすごーくあっけなく終わる。
アレ?
曲が終わってのブラヴォーは間髪いれず、メリケン人らしく熱狂的だが・・・。
うーん・・・・・
ある意味、珍演奏といってもいいかもしれん。
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ココログ不調ですいません。
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コメント
これは面白い盤ですよね。
あまりワーグナーは聴きませんが、この録音にはビビリました。
ミトロプーロスって、ヘンですよね?
凄いんだか、なんなんだか、音の彫刻家のようで、気が外れると、大木のブツギリみたいな演奏する(>_<)
このワーグナーは、名演の類かと思慮します。
投稿: ちょ | 2007年2月14日 (水曜日) 23時25分
>>ちょさん
そうなんですよ。最初は「なんてすごい名演なんだ!!」と思って聴いていたのに、突然の超スピードぶりにはすっかりまいってしまいました。グッドール指揮の「神々の黄昏」の第3幕と比べたいです。
凄い名演もたくさん残しているのに、たまーに不思議なものもあるミトロプーロスが大好きです、私。
投稿: naoping | 2007年2月15日 (木曜日) 11時13分