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2007年1月31日 (水曜日)

春でもないけど春の交響曲


ブリテン:春の交響曲
ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)、カスリーン・フェリア(コントラルト)、ピーター・ピアーズ(テノール)、
エドゥアルド・ファン・ベイヌム指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、オランダ放送合唱団、ロッテルダム聖ヴィリスブロルドゥスケルク児童合唱団
(1949年、世界初演ライブ)

春はまだまだ遠いけれども「春の交響曲」。なんと世界初演ライブ盤。歌手は大変なゴーカメンバーである。しかし、あまりに音は貧相で国内盤ながら誰にでも薦められるものではない。しゅるしゅると針の音がする。

私がこの「春の交響曲」をはじめて聴いたのは、CDなんかではなく、実演であります。プレヴィンがN響でこの曲を振るんで、「あー、プレヴィンかー。なんか聴きに行ってみようかなあ」と突然思い立って(国内オケの演奏会はほとんどそんな感じである)出かけたら、よい席は一番前とかしか空いてなかった。ので、席に行ってみたら、これじゃ字幕が見えない・・・ということに気がついた。(字幕は舞台横でなくて舞台の上だったのである)

休み時間に仕方なく売店に行ってガーディナー盤を買いに行って、対訳を見ながら聴いた。予想外の出費。でもこの盤は録音もよく素晴らしい。(横で観客のおにーさんたちが「字幕みえねー」と騒いでいた)

ブリテンの曲は誰にもわかりやすい音楽とはいえないものもあるが、この曲は比較的わかりやすい(と思う)。まー、一番最初の合唱などは無調っぽいところもあるが。

第1部
序奏:輝き出でよ(合唱)
陽気なカッコウ(テノール)
春よ、やさしい春よ(ソプラノ、アルト、テノール、合唱)
馬車に乗る少年(児童合唱)
朝の星(合唱)
第2部
来たれ、誉れの娘たち(アルト)
天の水よ(テノール)
芝生に出て寝ていると(アルト、合唱)
第3部
我が五月はいつ来るのか(テノール)
きれいできれい(ソプラノ、テノール)
笛を吹け(合唱、児童合唱)
第4部
フィナーレ
ロンドンよ、お前にあげよう(全員)

おのおのの楽章で、色々な時代・色々な詩人による春をテーマとした詩を用いている。交響曲というよりはオラトリオっぽいかもしれない(・・・というような曲が私は好きなのである)。

トーマス・ナッシュの詩「春よ、優しい春よ」で歌手たちが鳥の歌声をまねして歌うのもなんとも楽しいし、続く「馬車に乗る少年」のソプラノと児童合唱の掛け合いもチャーミング。

このCDはフェリアーが歌っているのがなんともうれしいし、メンゲルベルクのマタイで独唱してたヴィンセントも清楚な歌声が素敵。ピーター・ピアーズの素晴らしさは言うまでもない。それに、イギリスの詩はなんともいい。

「馬車に乗る少年」より

麦が伸びて頤まで届けば、
さくらんぼも食べごろだ、
苺はクリームに泳いでる、
子供は小川で遊んでいる。
あの時、僕の恋人はこういった。
「この季節までに戻ってきてね、
そうしないと私は乙女ではいないわ」
        (ジョージ・ビール詩)

ところでプレヴィンが振った実演は、本当に素晴らしかった。細かいことは記録がないので覚えてないけれど、最終楽章は春の喜びに溢れていて胸がきゅううう~んとなってしまった。
ひとしきり合唱団と独唱者たちで盛り上がったあと、この交響曲ははこんなふうにテノールが歌って、ユーモラスに終わる。

・・・最後には、こういおう、国王万歳、
国には平和を、
反逆が根こそぎになるように!
さて、皆さん、私もこれでやめましょう。

        (リチャード・ボーモント、ジョン・フレッチャー詩)





今の時期、がんばっている受験生を含め、
皆様によい春が来ますように!
(そりゃ書いてるアンタじゃ!って声が聞こえてきそう)

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コメント

こうした曲にはお決まりで登場します、こんにちは。
この初演盤はまだ聴いたことがありませんが、いい曲ですね。
プレヴィンとN響は映像で観てます。
あの時、新日フィルに「ヒコックス」が同時に来て、V=ウィリアムズの5番とこの曲で、完璧にダブって演奏しました。
私は、ブリテンはヒコックス、RVWはプレヴィンにいきましたが、なんとも贅沢な5月でした。

投稿: yokochan | 2007年2月 1日 (木曜日) 06時59分

>>yokochanさん
こんにちは。毎度どうも。
ずいぶん前の話なので、当時の記憶がかなり飛んでしまっているのですが、そういえばRVWの交響曲もやりましたね。
同時期に来てたヒコックスは行かなかったですね、今考えると残念でした。日本でそんなにイギリスもので同じ曲がバッティングすることは珍しいですよね。本国イギリスでも滅多になかろうと思います。

投稿: naoping | 2007年2月 1日 (木曜日) 20時27分

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