浅草歌舞伎と浅草途中下車の旅
少しまた日があいてしまい、更新を楽しみにして下さっている方には申し訳ないです。
せっかく大好きなガーニーのことを書いて、意外と反響もあったというのに・・・ごめんなさい、今日は放置プレイです。続きはまた。
まー、私も遊んでばっかりいたわけではなく(昨日は遊んでいたんですが・・・)、実は友人のおうちに不幸があり、土曜のお通夜に急遽、会計係のご指名を受けたのでありました。
全く予想外の突然の連絡だったため、まず慌てたのはン年前に作った喪服が体に合うかどうかでした。
しかし。
年明けにダイエットしていたお陰で2キロ痩せたため、なんとか入りました。もしダイエットしてなかったら・・・と考えたら、身が細る思いでした。
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で、昨日は友人(勿論別の友人)と前々から約束していた「新春浅草歌舞伎」を鑑賞に行きました。浅草はまだまだ正月気分。人ごみは大嫌いだが、賑わう浅草はよいものである。
新春浅草歌舞伎のHP
http://www.ntv.co.jp/event/kabuki/
まあ、前に書いたとおり私は歌舞伎役者さんの中では片岡愛之助さんが好きなので、当然彼目当てである。
第一部(午前の部)を鑑賞。まず「義経千本桜」の中の「すし屋」。愛之助さんは主人公の「いがみの権太」役である。
「義経千本桜」といいつつ、この演目には義経は出てこない。「タンホイザー」ってオペラなのにタンホイザーが出てこない、とかそんな感じ(そりゃ違うか)。ついでに「すし屋」なのに寿司は出てこない。ナゾである。ただ「お酢」を売っている店なの?
釣瓶鮓屋(つるべすしや)の長男の権太は勘当されているのに、たまに家に帰ってきたかと思うと母親に金をせびりに来る。鮓屋で働いている下男の弥助と鮓屋の娘お里は今夜祝言をあげることになっていたが、弥助は実は平清盛の息子・維盛で妻子ある身である。鮓屋の主人で権太の父の弥左衛門は清盛に恩があるので弥助をかくまっているのである。
ところが。維盛とその妻子を捕らえるためにやってきた敵方を欺くために、権太は一計を案じ自分の子供と妻を身代わりに敵に引き渡すが、権太のとーちゃんは権太がてっきりお金のために弥助一家を売ってしまったとカンチガイ。怒り狂って権太を刀で刺してしまう。権太は無事で生きている維盛とその妻子を笛で呼び寄せ、全てを告白して権太は死ぬ。悲しむ両親と妹。
よくわかんねーけど、こんな感じの筋である(たぶん)。歌舞伎の筋書きというのは現代の考え方とかなりずれまくっていて、「ナンデ?」と思うことが多いが、あまり深く考えてはいけない。ま、とにかく権太役の愛之助さんは大熱演で素晴らしかった。周りでは泣いている人もいた。
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休憩。お弁当。公会堂内で購入。900円ナリ。日本人に生まれてよかったなと思う瞬間。
で、次の演目は「身替座禅」。ま、歌舞伎のコメディア・デラルテといったところか。
都の大名・山蔭右京は愛人との逢瀬を楽しみたいがために、妻・玉の井に「最近夢見が悪いので、自分の家のお堂で一晩中座禅をしたい」と言う。嫉妬深いワイフの許可がやっと下りたのをいいことに、右京は家臣の太郎冠者に身代わりに座禅してもらい、自分は愛人のところへ行ってしまう。
楽しい一夜を過ごしたあと、右京はほろ酔い気分で太郎冠者の様子を見に行く。楽しいひとときのことを太郎冠者に自慢げに話してしまう右京だが、座禅をしていたのはなんと太郎冠者と入れ替わっていた妻・玉の井。ビビリながら逃げる右京を玉の井は猛然と追いかけていって幕。
見所は、すっかりお父さんそっくりに芸達者になった勘太郎くんの右京だが。それよりなんといっても、先ごろ自身の浮気?のために離婚騒動の渦中にいる獅童さんが嫉妬深い妻・玉の井を演じているところ(爆)。ちっとも女形が似合わないので、出てきただけで場内はザワザワとしてこらえきれない笑いが起こる。もうこうなると獅童はノリノリ。たまにこちら(観客)を見据えては、ニヤリ(ゾゾ~)。そもそもこんなコワイ役でいいのかどうかは不明。
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・・・というわけで、楽しい一時を過ごし。そのあとは浅草を散策。まずブロマイドのマルベル堂で買い物をしたあと(私は桂歌丸師匠のまだ20代と思われる・・・毛のある・・・ブロマイドなどを購入)、上司のお土産に有名な「亀十」のどらやきを購入。(少々値は張るが。今日おやつに食べたら本当に美味しかった。とくに皮の部分が少々コゲていてなんとも香ばしいし、そこらへんのどらやきとは違う。東京みやげ第一位に選ばれたという。殺人的な混みよう。)
歩き疲れたのでふと立ち寄ったのが「西山菓子店」 。近頃わざとレトロな店構えにしている新しいお店が多い中、全く地のままでレトロなお店である(店員のじじ様ばば様お嫁様もレトロ。嫁姑の会話なども昭和。)。ひび割れたダイヤル黒電話がセロテープで補修されながら現役で使われている。保留音はナシと見た。
渥美清さんがここのまんじゅうのファンだったらしく、写真も貼ってある。そのまま「寅さん」のセットになりそうな風情。小豆アイスクリームと名物の店頭のセイロで蒸したての福々まんじゅうを頂きましたが、どちらも昔っぽいレトロな味ナリ。パリパリのモナカの皮に入れたアイスモナカも食べたかったなあ。
夕飯は(また食べるんですか~?・・・←「途中下車の旅」風)。神谷バーが混んでいたので、雷門すぐ横のなのに比較的余裕のあった天ぷらの老舗「三定」へ。
創業160年超というのも驚くが、ここもやはり浅草らしくレトロな店構え。
旬の天ぷら盛り合わせやごぼうの素揚げをつつきながら、手酌でビールなどすすっていると、自分が池波正太郎にでもなった気分。日本人だねえ・・・っつーか、なぜビールを全く注がないんじゃ私の友人は。
そんなこんなで(ま、そのあとなつかしのアニメソング特集と銘打ったカラオケ大会が催された件は省略)楽しい一日はおしまい。
みなさんもたまには浅草見物はいかが?
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すいません、次回は音楽の話題を書きますので許して。
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コメント
こんばんは。ご友人のおうちのご不幸のくだりは、こちらも厳粛に読ませていただきましたが、浅草のお話はとても楽しく拝見しました。歌舞伎に疎い私、獅童って歌舞伎系だったのね。
あんな美しい女性がありながら、浮気しおって、「不届きなヤツ」と憎たらしく思ってました(笑)
浅草は得意先の本社があるためよく行きますが、都心から数分でアナザー・ワールドですね。
近隣諸国の方々がやたらに多いですが、いい味のある町ですね。
投稿: yokochan | 2007年1月16日 (火曜日) 01時28分
>>yokochanさん
獅童さんが歌舞伎役者って思ってない方ってもしかして他にもいるかもしれない、と思う今日この頃。彼は時代劇俳優の萬屋錦之介さんの甥っ子なのですね。若手なのでなかなか大きな役が付かないんで、歌舞伎座では大根持った農民Aみたいなのしか見たことありません。歌舞伎では決して嫌いな役者さんではありませんが、私生活は。。。ううーん。世の男性方を敵に回していますな。
浅草は、ウィーンと並んでダイエット中には絶対行ってはいけない街です。お菓子が美味しすぎる・・・。
投稿: naoping | 2007年1月16日 (火曜日) 20時06分
弁当が美味そうです。
歌舞伎は全然分からないのですが、名古屋市の各区に定員300人ほどの小さな文化劇場があるんですが、北区の劇場には花道がついています。
升席(?)のようなところもあります。
花道って歌舞伎などで使うんですよね?
投稿: ピースうさぎ | 2007年1月16日 (火曜日) 20時37分
>>ピースうさぎさん
そうそう、「幕の内弁当」は日本の誇る素晴らしい食べ物です。オペラだと座席で物を食すのは基本的にはダメですが、歌舞伎ではオッケーです。半分はコレが楽しみで出かけます。
小さな劇場で花道があるってのも大変珍しいですね。花道は花形の役者さんが座席後方からかっこよく登場するところです。花道のすぐ横の席が取れたりすると、臨場感が素晴らしくてすごく感動します。
投稿: naoping | 2007年1月16日 (火曜日) 22時15分