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2007年1月29日 (月曜日)

R・シュトラウス「火の欠乏」

P1000711 R・シュトラウス:歌劇「火の欠乏」
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ティムート)、ジョン・シャーリー=カーク(クンラート)、ヘルムート・クレップス(シュヴァイカー・フォン・グンデルフィンゲン)、ヘルムート・ベルガー=トゥナ(オルトルフ・ゼントリンガー)
他、
エーリッヒ・ラインスドルフ指揮/ベルリン放送交響楽団・リアス合唱団・テルツ少年合唱団





いつもお世話になってるyokochanさんのblogにトラックバック。

こないだ、酔っ払ったついでにタワレコのポイントでゲットしました、「火の欠乏」のCDを昨日やっと全部聴きまして、今書いてるわけですが。

なんだかなあ。

おととい見に行った「ルイーズ」はなかなか考えさせられた。現在もてはやされてない(ほとんど上演されない)オペラってのは、やっぱり何らかの要因があるんだなあと。(な、なに??)

「ルイーズ」だって、思い切ってハイライト上演てことにして、他の作品(シャルパンティエの「イタリアの印象」とかでも、他のプーランクとかのフランス・オペラでも)と演奏会で上演するのってどうかなあ。そしたら出演者4人で済むだろうし。いいところどりでさ。あの子にもいいとこいっぱいあるんだからさー、埋もれさせとくのもったいないよ。

だれか、考えてー。

で。「火の欠乏」だけれども。

この作品はシュトラウスのオペラでは2作目。前回作「グントラム」の初演ではヒロインを演じたパウリーネ・ド・アーナと結婚。彼の恐妻家としての人生が始まった。オペラ作曲家としては、3作目の「サロメ」でやっと日の目を見たといった感じである(当時は賛否両論だったが)。

一応こっちでも「火の欠乏」のあらすじを。

舞台は13世紀のミュンヘン。ヨハネ祭の焚き火にするために家から家に薪を貰って歩いている子供達の仲間入りをしたクンラートは市長の娘ティムートの姿を見かけ、ビビビっと来てしまって突然彼女をハグ&キッス、キッスオブファイアー。怒り心頭のティムートはお友達たちと仕返しを計画。彼を大勢の人の前で恥をかかせる。

すると、クンラートは魔法使いの力を借り(そんなもんいたのか?)て、街中のあらゆる火を消し去ってしまう。街中の人は大騒ぎ、役人達はこの不埒な行為と妖術に対してクンラートを死刑に処すことを決定するが、そのとき露台に現れたクンラートは、何故街中の火を消したのかを説明する。彼は芸術家の妻としてディムートを選んだけれど、彼女が愛の力を理解しないので全ての光が愛から発し、愛がなければ世界が暗く冷たいということを示すためにしたのである、と語る。

ところが、彼の雄弁が終わるや否や、静かに扉が開いてディムートがクンラートを引き入れる。ディムートの部屋の窓からは灯影が洩れ始め、やがて祭の火が一時に燃え立って、家々の窓も往来も明るくなる。

やー、やっぱり火はないと料理した気にならないって妻夫木くんも東京ガスのコマーシャルで言ってたしねえ。火がないのは困るな。
(いや、そんな内容じゃないってば)

曲はいかにもワーグナーの影響ありありなのだが、ところどころ「あれ?エレクトラっぽい?ここはサロメっぽい?」とか色々気がつくとこも多くてシュトラウス・ファンは面白く聴ける。(実は「グントラム」が未聴なので、どこが引用なのかわからんし)

yokochanさんのblogで紹介されていたフリッケ指揮の盤でもテルツ少年合唱団が歌っていたが、こっちの盤でも大活躍。なんてぇの、私はオペラの中の少年合唱はやっぱりテルツがイイだと思っている。ウィーン少年はなんだかキレイすぎてね。テルツってのは子供らしいやんちゃさが感じられて好ましいと思ふ。ま、好みだけれども。

ティムート役のヤノヴィッツはやっぱりイイねえ。R・シュトラウスのリリックなヒロインの女王だね。意外と歌うとこ少ないけど。

クンラートのシャーリー=カークは、私の大好きなイギリスのバリトンだが、この曲と合っているのかどうか。ヴァイクルのは聴いてないのでわからないけど・・・ヴァイクルのほうが合っているのでは、と想像。シャーリー=カークはちと生真面目かと。歌はうまいけんども。

指揮のラインスドルフは職人芸というか、さすが数多くのオペラ全曲盤を指揮しているだけあって、派手ではないんだけれどもR・シュトラウスらしい感じで上手にまとめている。普通にこんな風に仕上げるのは簡単に見えて実は大変なんである(・・・と思う)。

指揮者って大事ね、やっぱり。


最後はナカナカ盛り上がり、かなり盛大に拍手が入っている。あ、これライブなんだ(1978年)。でもステレオ録音で(モチロン!)音はまーまーいいです。

で、これ2枚組で余白が相当余っているんで、ヘスス・ロペス・コボス指揮のスポンティーニ作曲の「ラ・ヴェスターレ」なんつー、珍しいオペラがヤノヴィッツのヒロインにてハイライトで(かなり長く)収録されている。・・・これはいらねー。






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コメント

こんばんは、TBありがとうございました。
ほう、ヤノヴィッツはよさそうですね、シャーリー=カークのイメージでは確かにないような感じ。ヴァイクルはバッチリですが、少し一人舞台になりすぎの感もあり、難しい作品ですね。
こんな作品は絶対に舞台にかからないでしょうかね?
面白そうです。

それはそうとココログ、調子悪いですね。
みんな不満爆発ですが、簡単に乗り換えられないですもんね。

投稿: yokochan | 2007年1月30日 (火曜日) 22時47分

>>yokochanさん
こちらこそどうも。やっぱり次はグントラムも聴かなきゃなあと思っているところです、そしたら私もシュトラウスのオペラ全曲制覇です・・・多分。
舞台にはなりにくい曲ですが、もしかして将来、例の「東京オペラ・プロデュース」がやってくれるかも・・・なんだか珍しい曲の上演が多いですからね。

ココログだけなんでしょうかねえ、こんなに調子悪いのって。記事を全部書いたあとに保存で消えてしまったりしたことも何度かアリ。それからは下書きするようにしてます。

投稿: naoping | 2007年1月30日 (火曜日) 23時33分

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» R・シュトラウス 歌劇「火の欠乏」 フリッケ [さまよえる歌人日記]
R・シュトラウスのオペラの2作目は、1901年、37歳の作品。前作「グントラム [続きを読む]

受信: 2007年1月30日 (火曜日) 22時37分

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