知られざる、でも大好きな作曲家ガーニーについて
戦争のもえさし(War's Embers)
<戦争によって死んだ、または傷ついた作曲家による歌曲集>
(ガーニー、フィンジ、ファーラー、バタワース、デニス・ブラウンの作品)
マーティン・ヒル(テノール)、スティーヴン・ヴァーコー(バリトン)、マイケル・ジョージ(バス)、クリフォード・ベンソン(ピアノ)
やっときた。やっときた。(踊る)
アマゾンで頼んでおいた「イギリス音楽の復興」 (マイケル・トレンド著、木邨和彦・訳)って本が。
これでたくさん今まで書きたくても書けなかった作曲家のことが書けるわ。
←購入はここからね!
この本はタワレコでちら、ちらと見ていたものの、4,400円て値段がちょっとヒクものがあり、購入を迷ってた。しかし、あるときからお店になくなってしまった。そしてアマゾンに頼ることに。
なんて便利な時代なの!
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その昔、小学6年生のときに近所の本屋にマイケル・ケネディ著のマーラーの伝記を注文して、やっと入荷されたと連絡が入り、大喜びで買いに行った所、店のオヤジに「ホントにこれ、アンタが読むの?ホントに??」としつこく聞かれて傷ついて帰ってきたりしたが。別にエロ本じゃないのだから、いいじゃないか、何読んだって。
もうそんな心配もないし。いや、大人なのだから今はそんな心配は全くない。
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この「イギリス音楽~」の本で最もありがたいのは、私のフェイヴァリット・イングリッシュ・ソング・ライターのアイヴァー・ガーニーのことが結構詳しく書いてあること。もうこれが一番の買った理由。
ガーニーの曲との出会いは6年前。英国音楽に興味を持ち始めたかなり頭の頃で、石丸電気のバーゲンコーナーで、本日紹介のCDを見つけた(あたしにとって記念碑的なCDだったので、レシートを取ってある)。
当時CDは今みたいにバカ安くなかったから2枚組で1,960円でも当時はエラク安く感じたものである。で、全然知らない作曲家ばかりだったのに、あまりのジャケット絵の暗さに興味を覚え購入。
英国歌曲との出会いもこのCDで。英国歌曲の名手のヴァーコーと、ヒルとの出会いもこのCD。
そして、このCDの中で半分の曲数を占めるガーニーとの出会いもこのCD。
アイヴァー・ガーニー(Ivor Gurney, 1890 - 1937)イギリスの作曲家・詩人。
グロスターで仕立て屋の息子として生まれた。少年時代から音楽の才能を見出され、10歳からグロスター大聖堂の聖歌隊員を務めるかたわらでオルガンの手ほどきを受けた。14歳ごろから作曲を始める。大聖堂のオルガニスト、ハーバート・ブルワーに師事、作曲やオルガンを学んだ。王立音楽大学に入学しスタンフォードに師事。
その後、フランスへ出征中に毒ガスを吸い、そのショックから精神を病むようになり、精神病院への入院を余儀なくされる。結核により死去。
(参考ウィキペディア)
・・・というように悲惨な人生で、そのせいか曲はほとんど暗い。たまーに明るい曲もあるけれど私はあんまり好きではない。ほの暗くて、聴く者の心に深く深く染み入るような曲がガーニーの真骨頂。
歌曲は、やはり英国詩人の詩に曲を付けたものが多いが、ガーニー自身が詩人でもあったために、自身の詩に曲を付けたものもある。
その中の一つ、「セヴァーンの牧草地」という曲の詩は短いけれど大変素晴らしい。大好きな詩である。抒情的な曲も大好き。
放浪者だけが
イギリスのたおやかさを知る、
あるいは新たにはっきりと
見慣れた顔を見直す。
そして、誰が放浪者のように喜び愛すか
陰にひそむ喜びを。
私を忘れてはならない、
ああ、セヴァーンの牧草地よ。(木邨和彦・訳)
Only the wonderer
Knows England's graces,
Or can anew see clear
Familiar faces.
And who loves joy as he
That dwells in shadows?
Do not foeget me quite,
O Severn meadows.
・・・・・。
長くなってしまったので、ガーニーやこのCDのことはいずれまた!
英語だけど大変シブイ、ガーニーのHP。英国の風景写真も素敵よ。
http://www.geneva.edu/~dksmith/gurney/index.html
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コメント
さすらい人のみがイングランドの美観を知り
ありふれた景観を明瞭に再発見できるのだ。
夕闇に潜む喜びを
さすらい人ほど愛するものがいるだろうか?
嗚呼、セヴァーン湿地よ、決して私を忘れないで。
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この詩を読んで、自然に対する作詞家の愛情を感じました。(セヴァーン低湿地帯が、故郷なのでしょうか?)
なかなか巧くニュアンスを伝えることができませんが、上記のような意味に思えました。
残念ながら曲は知らないのですけれども…(汗)。
曲の解説はどのようになっているのでしょう…?
投稿: Niklaus Vogel | 2007年1月12日 (金曜日) 02時21分
ガーニーとは初耳ですね。
英国の作曲家は合唱曲でもいいのを書いているので、少しチェックはしているんですが、せいぜいフィンジやパリーくらいです。
詩もいいですね。韻もちゃんと踏んでますし。
投稿: ピースうさぎ | 2007年1月12日 (金曜日) 20時11分
こんばんは。なんかスゴイCDをゲットしましたね。
ガーニーさんは、どこかで見た気がすると思って棚を調べたら、「フィンジと仲間による歌曲」という1枚に数曲と、「ブリン・ターフェル」のDG盤「放浪者」に、「眠り」という歌曲が入ってました。あまり記憶がないですが、これを機に聴きなおしてみましょう。ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2007年1月13日 (土曜日) 02時01分
皆様、都合によりコメント遅れまして申し訳ないです。
>>Niklaus Vogelさん
食いついてくださり、ありがとうございます。
紹介しておいてなんですが、本のこの詩の翻訳は硬いですね(笑)。原文の雰囲気はNiklaus Vogelさんのほうが伝えてらっしゃると思いますね。
そうそう、曲のご紹介がまだでした。思いいれが強いとどんどん文が長くなります。また、後編を書きたいと思います。
>>ピースうさぎさん
合唱をされているということで、イギリス合唱曲はお聴きになるんですね。フィンジもパリーも合唱曲は素敵ですね。
でも、英国の歌曲は(ドイツ・リートとはまた違う)もっと独特の位置だと思っています。クラシックとポピュラー音楽(古くはサイモンとガーファンクルとか)の中間くらいな感じだと思っています、私は。
>>yokochanさん
「フィンジと愉快な仲間達(?)」も「放浪者」も持っています。「眠り」はガーニーの曲でも結構録音されることが多い曲ですが、眠いですね。もっといい曲がいっぱいあるのになあ、と。でもフィンジのCDに入っている「サリー・ガーデン」のガーニー作曲のは結構いいなあと思ってたまに聞きます。
「戦争のもえさし」はレーベルはハイペリオンだったけれど、またレーベルが変って最近タワレコの「英国歌曲」のコーナーで見かけました。まだあるかな?
投稿: naoping | 2007年1月13日 (土曜日) 11時47分