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2006年12月 7日 (木曜日)

私はこの世に忘れられ

P1000678 マーラー:歌曲集「亡き児を偲ぶ歌」、リュッケルトの詩による5つの歌曲、「さすらう若人の歌」
ジャネット・ベイカー(Mezzo-soprano)
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団・ニュー・フィルハーモニー管弦楽団



ずいぶんこのところ急激にランクアップしているようで、応援大変ありがたいです。
ですが、もしかして私の自虐ネタが功を奏しているのでは?
(だって、どう考えても人気のない作曲家・フィンジの項ですごく上がり始めたんだもん)

フィンジのクリスマス

だとしたら嬉しい。「クリスマス・シネシネ団・団長」といたしましては(←会社で考えた)。


私のほかにも、クリスマスが嫌いな方がこんなにいたとは!!


それとも、他人(ひと)の不幸は蜜の味!!だから?

というわけで、本日はこの(一般的には)楽しいシーズンにはおおよそ似つかわしくない、マーラーの素晴らしい歌曲集をディム・ジャネットの素晴らしい歌唱とサー・ジョンの伴奏で。

「クリスマス・シネシネ団」のテーマソングは「私はこの世に忘れられ」に決定!

考えてみると、これらはもう救いようのない曲目たちである。

まず「亡き児」だぜえええ。ないでしょ、普通。マーラーは長女を亡くしているが、この曲は子供死ぬ前に書いたんだとさ。ひどいお父さんだねえ。

「さすらう若人」。ま、ぶっちゃけ失恋の歌ですな。愛する彼女が他の男と結婚しちゃうんですな。嗚呼、なんてことでしょう。
さすらえ、さすらえ。存分にさすらえ、そのうちきっといい女が見つかるよ。

や、こいつらはクリスマスとは真逆な歌たちですな。

しかし。歌曲史上、最も暗い、恐怖ソングは「私はこの世に忘れられ」だと思う。

・・忘れられてしまったのである、この世に。こんな恐ろしいことはない。戸籍は生きているのか?
しかも、自分の天国の中で、自分の愛の中で、自分の歌の中で生きてるんだって。もう孤独死まっしぐらですわ。

・・・

久しぶりに聴くマーラー歌曲集。ディム・ジャネットの歌はやはり素晴らしい。すみずみにまで神経が行き届いていて、しかも暖かい歌唱。心が和む。サー・ジョンもあいかわらず唸っているし。しかも、ご丁寧に「私はこの世に忘れられ」がオケを違えて2バージョンで聴けるぞ。(ハレ管とのほうがいい気はする。)

しかし、しかし。

やっぱり、マーラーはカスリーン・フェリアーの歌唱にはかなわない、と思う。遺されている「亡き児」や「リュッケルト歌曲集」は人類の遺産といっていいと思う。フェリアーの場合、歌唱力とかそういうものではなくて、彼女は歌っている歌の世界に本当に生きていて、歌と一緒にこのまま死んでしまいそうな感じさえある。

フェリアーの歌には何か、他と違うものがあると思う。

でも、聴くと本当に落ち込んでしまうので、フェリアーのマーラー歌曲はあまり気分がふさいでいるときには聴きたくないものである。




「クリスマス死ね死ね団」についての説明は こちら

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コメント

こんにちは。ランキングアップおめでとうございます。
私もマーラーのこれらの歌曲は、怖くてよう聴きません。
R・シュトラウスの「四つの最後の歌」は平気なんですが。

投稿: 木曽 | 2006年12月 8日 (金曜日) 07時02分

>>木曽さん
そうそう、怖いですね怖いですね(淀川長治風?)。私は子供の時にこれらの歌曲を普通に聴いていたので、あまりその恐ろしさに気づかなかったのです。
(そういえば、子供の頃から普通に「トリスタン」前奏曲に親しんでいたのであんなあのエロさにずっと気づかなかったナァ)

投稿: naoping | 2006年12月 9日 (土曜日) 10時21分

naopingさん、こんばんは!
「クリスマス・シネシネ団」に賛同の敬意を表し(笑)、勝手にTB&ご紹介させていただきました。
私の取り上げた曲は、表題をもちながら「何を表現してるんだ??」と不可解な曲です。しかもペダンティックなので、さらに困りもの…。
またよろしくお願いいたしますm(_ _)m

投稿: Niklaus Vogel | 2006年12月12日 (火曜日) 22時18分

>>Niklaus Vogelさん
TB有難うございます。お礼にクリスマス・シネシネ団副団長に任命します。(い、イヤですって?)
いやはや、ニーチェの曲は気になる存在です。っつーか、奇盤珍盤の類は必ずチェックしてきたつもりなのに、ちらっとも見覚えがないです。ああ、私はまだまだ修行が足りないですわ。

投稿: naoping | 2006年12月13日 (水曜日) 19時33分

「私はこの世に忘れられ」、LOVEです。
この曲には16声の合唱編曲版があります。絶美です。昇天しそうなのです!マーラーの歌曲LOVEです。リュッケルトの歌曲はもう聴きながら死んでもいいです!

ベイカー、フェリアーと続く中、ルードヴィヒも忘れがたいし、最近だとオッターの楚々とした雰囲気も忘れ難いです。
て、今ヘンシェルの演奏を聴いています。いいですな!

投稿: ピースうさぎ | 2006年12月27日 (水曜日) 00時18分

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「クリスマス・シネシネ団」 という組織があることを最近知りました  naoping師匠が団長を務められていらっしゃるのですが、この国のクリスマスが本来の「降誕祭」に対する冒であるという警鐘でありましょう。「クリスマス・シネシネ」とはいっても、それは「神...... [続きを読む]

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