読響:トゥーランガリラ交響曲
オリヴィエ・メシアン:トゥーランガリラ交響曲
ロジェ・ムラロ(ピアノ)原田節(オンド・マルトノ)
シルヴァン・カンブルラン指揮/読売日響
(12月15日サントリー・ホール)
行ってきたわ、サントリーホール。
いやー、クリスマス飾りが。飾りが。さすがアークヒルズ。(←ちょっとシネシネ団返上して楽しむ。)
世の婦女子たちは、殿方に「ひかりもの」や「高いデナー」をねだったりするんだろうなあ、こんな季節は。(ぼんやり)
あたしはさあ、もうそんなのないわけよ。あたしってもう、与えるだけなの。
なんももらえねーの。あげるばっかなの。
無償の愛。
もー、マザー・テレサかあたしかってなもんよ。
あのね、ノーベル平和賞貰ってもいいくらいよ。
でも、今夜のアークヒルズ。カッポー(couple)はそんなにいねー。さすがトゥーランガリラ。
もしも、私があんまりクラシックには詳しくないと仮定して、「クラシック音楽~?きゃー素敵!オシャレしてサントリーホールに連れて行って!」とちょっと詳しげな男におねだりしたとする。そのコンサートの曲目がメシアンのトゥーランガリラだったら微妙だな。ディナーもそこそこに無言で帰るかもしれん。
ま、私はこの曲好きなので、いいんだけど。
メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」を生で聴きに行ったのは実はそんなになくて今日が2度目である。
ずいぶん昔。エサ=ペッカ・サロネンが初来日してN響を振ったときが一回目。
サロネンは。まだ30歳そこそこだった。私は名前と顔くらいは知っていたが、彼が舞台に出てきたときは「こんな可愛い男の子がこんな難しい曲を振るのか」と少し不安になったものだった。(いや~ほんとにカワイかったのだ。少々太めのマイケル・J・フォックスみたい、とか思った)
しかし、それは杞憂だった。
当時、ラトル盤を愛聴していたが、その日の演奏はそのCDを凌駕してた。トゥーランガリラがこんなに凄い曲とは。大迫力のノリノリの演奏であった。その日の演奏は少なからず話題になり、レコ芸で読者から「CD化の予定はないのでしょうか?」という質問が寄せられたのを覚えている。
そのときも、オンド・マルトノは原田節(たかし)さんだった。原田さんはいつまでも青年のような感じで(渡部篤郎さんにちと似ている)とても素敵な人だが、昔から容貌に全く変化がないのはとても不思議である。
オンド・マルトノという楽器は、メジャーなクラシック名曲ではオネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」か「トゥーランガリラ」しか普通出番がない。この曲たちがコンサートにかけられるのは何年かに一回である。なので、コンサート行き始めの頃は、原田さんをまるで「お正月以外の染乃助染太郎さんはいったいどこで仕事しているのだろう」みたいな感じで見ていた気がする。
今は勿論そんな風に思ってない。作曲家として、アーティストとして(そしてオンド・マルトノ教室の先生として)活躍してらっしゃることは知っている。
ま、今日はそんな風に原田さん目当てで行ったのに、何故か死角の席を取ってしまったので、指揮者の影に隠れて原田さんもオンド・マルトノもちらりちらりとしか見えなかった。
非常に残念なことである。ただ、横からオケを覗く感じの席(2階LA)でとても面白かった。打楽器が沢山で、色々なことをしていて楽しかった。
ただ、となりの(今夜数少ない)カッポーの女性は気の毒だった。楽章が終わるたびに男の人にパンフレットの曲目解説を指差して「今ここ?ここ?」といちいち確かめていたのがとてもカワイソウだった。(涙)
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コメント
こんばんは。カンブルランのトゥーランガリラは気になってたんです。行かれたんですね。イケメン・サロネンはビデオで撮って見てます。CDもいいですよ。
私の実演は、デュトワでしたが、NHKホールじゃオンド・マルトノは全く見えず。周囲の方々は夢幻の境地でゆらゆらしてましたよ。これを聴きにきてしまった「カッポー」の相方は確かに気の毒かも。
投稿: yokochan | 2006年12月16日 (土曜日) 01時01分
>>yokochanさん
昨日は、結構ガラガラでした。オケの人数が多いぶんなんだか気の毒。みんな忘年会で忙しいのですかね~。
サロネンのコンサートは一階席前から2~3番目で、指揮者も目の保養になりましたが、演奏もNHKホールの天上がおっこってきそうな大迫力でした。N響で行ってよかったコンサートの一つ。帰り道でコンサートに興奮したマニアのお兄さんたちが第一楽章冒頭を叫び歌いながら帰ってたのを今でも覚えています。
投稿: naoping | 2006年12月16日 (土曜日) 09時13分
人気ブログランキングからお邪魔しました。
たびたび読ませていただいています。
いやあ、楽しい読み物で、ストレートしか投げられない私には刺激的に面白いです。
トゥーランガリラはケント・ナガノのCDしか聴いたことはないです。
こういう曲は生の方がいいでしょうね。
投稿: ピースうさぎ | 2006年12月17日 (日曜日) 21時44分
>>ピースうさぎさん
ようこそおいでいただきました!ピースうさぎさんのblogも読ませて頂いています。(コメントしなくてすいません、人見知りするものですから)
そちらにもお邪魔いたしますので、どうぞ宜しくおねがいします。
実演の「トゥーランガリラ」は静かな部分ではすごーく眠くなるのに、最終楽章はかなりド迫力でびっくりして起こされるので、現代の「びっくり交響曲」かもしれません。
投稿: naoping | 2006年12月17日 (日曜日) 23時56分