「神々の黄昏」を考える
このたび、カイルベルト指揮の「神々の黄昏」が発売され、めでたく「ニーベルングの指環」が完結となりました。
「神々の黄昏」は私にとって特別なオペラ。なんたって生まれて初めて生で観たオペラが「神々の黄昏」なのですから。しかも日本初演(ベルリン・ドイツ・オペラの、東京公演より早い横浜公演)。歴史の生き証人なのです。黒船見たっつーか。
なので、本日は「神々の黄昏」について考えてみたいと思います。
しかし。
この「神々の黄昏」という仰々しい題名が、まずイカン。
これが初心者を怯えさせるのでは。なんだかCD4枚で長いし、何か凄く高尚な荘厳なことが行われていそうで、近づきにくい。
が、そんな不安は無用です!
こんな題名のわりには、たいしたことはない。夫婦の痴話げんかくらいに思っていい。
言ってみれば、火曜サスペンスとかと大差ない。
ぶっちゃけたあらすじはこんな感じである。
主な配役(例えば) :ブリュンヒルデ(松居一代)、ジークフリート(船越栄一郎)
ブリュンヒルデとジークフリートは結婚してアツアツ夫婦だが、年下夫のジークフリートはニートでなかなか働かない。ブリュンヒルデは夫を叱咤激励し(Zu neuen Taten)、ジークフリートは職探しに出かける。
しかし、ジークフリートはド田舎で父子家庭に生まれ育って、お友達は熊や小鳥という劣悪な家庭環境のために世間知らず。最初に出会った都会の悪い兄弟たちにたちまちだまされて麻薬を打たれてしまう。そして妻のことなどすっかり忘れて、その悪い兄弟の妹にうつつをぬかしてしまう。都会の女にイチコロである。
留守中に得意のお掃除などに熱中していたブリュンヒルデのところに、実家から妹のワルトラウテが血相変えてやってくる。「あら~、あたしの幸せにあやかりたいの?」とのんきなブリュンヒルデ。しかし妹は「そんな結婚指環は捨ててしまいなさい!」と忠告。無論姉は聴く耳を持たない。
しかし、不幸はすぐにやってきた。別の男に変装して戻ってきたジークフリートに襲われて、指環を取られてしまう妻ブリュンヒルデ。都会の新しい女と結婚し、ブリュンヒルデはそのお兄さんとくっつけようという魂胆(安易である)。
だが、都会の悪い兄弟たちにまたしても麻薬を打たれて全てを思い出したジークフリートは背中を刺されてしまう。妻ブリュンヒルデの愛を語りながら死んでいくジークフリート。
そしてコトの全てを知ったブリュンヒルデは、夫を火葬してその中に飛び込む。
・・・と、かなりぶっちゃけて こんな感じの内容ですから、何も恐れることはありません。「神々」何て言ってるけど、所詮こんなですから。ね。
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Xデーは近い(ええっ、もしかして今日??)
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コメント
ええ、Xデーは今日。。
知人二人が今日結婚式でした。こんな日になにも挙式することないと思うが、、どう思います?ひょっとしたらXデーシネシネ団員とか。
失礼しました。
リングは1790円で買ったノイホルトの激安盤のみ所有です。
カイルベルト盤は国内盤だと25,000円するんですね~。(それでも安い方か?)
リング、聴きたくなってきました。今年は帰省しないので、正月に聴いてみようかな?
投稿: ピースうさぎ | 2006年12月24日 (日曜日) 20時23分
>>ピースうさぎさん
クリスマス・イブに挙式!日がいいのでしょうかね。ほとんど陰謀だとしか思えません。ま、わたくしが呼ばれてしまったら喜んでほいほい出かけてしまいそうです。ノイホルト盤は未聴です。
実は明日からNHK-FMでバイロイト音楽祭のリング放送です。ティーレマン指揮。何も25日の7:30からやらんでも。私はデートの約束も断って聴かなきゃならないし、んも~ほんとに迷惑な話だわ(←嘘が見え見えです)。
投稿: naoping | 2006年12月24日 (日曜日) 21時54分
こんばんは。はじめまして。
「クリスマス・シネシネ団」発足のあたりから(確かNiklaus Vogelさんが副団長でしたよね?)気になって、ちょくちょくのぞせていただいておりました。
「神々の黄昏」のあらすじ、素晴らしいです!どの解説を読んでもちっとも理解できなかったのですが、火曜サスペンスでしたか!開眼。納得。
でも、今後は「神々の黄昏」と聞くと松居一代と船越栄一郎がボボボンと浮かんできそうで怖いですが・・・。
私はワーグナーはちょっと苦手なので(タンホイザーは2幕目に爆睡、ニュルンベルクのマイスタージンガーは2幕目で気分が悪くなり帰りました・・・)、年を取ったときに聴けるよう覚えておきます(マジ)。
投稿: しじみ | 2006年12月24日 (日曜日) 21時59分
>>しじみさん
はじめまして!副団長さんのblog等でお見かけいたしておりましたが、来ていただいて嬉しいです。
しじみさんはワーグナー、苦手なんですね・・・でも私のblogをお読み頂けるとしたら、とってもウレシイです。これからも宜しくお願いしますね。
実はリングなんていたずらに長いだけでとても人間臭い内容なんですよ。老後のお楽しみに取っておいて下さいね。一度ハマればかなり大変ですから(お金かかるし)。
投稿: naoping | 2006年12月24日 (日曜日) 22時28分
うぬぬ、、。
リングが火サスとは、私にも分かりやすいです。
naopingさんのブログでワーグナーにはまりそうです。
しかし、金が。。
こちらのブログを弊ブログのブックマークに入れました。
事後ですが、ご報告まで。
投稿: ピースうさぎ | 2006年12月24日 (日曜日) 23時01分
>>ピースうさぎさん
ブックマークありがとうございます。
私のところにもリンクさせて頂きました。
ワーグナーにもはまって頂けると嬉しいです(笑)。
投稿: naoping | 2006年12月24日 (日曜日) 23時30分
いやあ、流石。
naopingさんの文章は超一流ですね。
リングは、昔はブーレーズとかショルティとか持っていたんですが、一度も聴かぬまま両方とも売却、現在は、Arte Novaのグスタフ・クーン盤のみです。無論対訳などなし。オントモから出ている対訳シリーズの下巻(ジークフリート&神々の黄昏)を頼りにハマろうかと思っています。
ノイホルト盤は、買いはしたのですが、これまた1度も聴かぬまま売却。
DECCAでショルティが録音したリング以外を集めたセットは持っているんですけどね。これも容易に取り出しては聴けぬところに押し込んでおり、まだ聴いてません。(>_<)
投稿: frosch | 2009年10月 9日 (金曜日) 01時39分