バイロイト音楽祭/神々の黄昏
2006年バイロイト音楽祭/神々のたそがれ
ジークフリート…(テノール)スティーヴン・グールド
グンター…(バス)アレクサンダー・マルコ・ブールメスター
アルベリヒ…(バリトン)アンドルー・ショア
ハーゲン…(バス)ハンス・ペーター・ケーニヒ
ブリュンヒルデ…(ソプラノ)リンダ・ワトソン
グートルーネ…(ソプラノ)ガブリエレ・フォンタナ
ワルトラウテ…(メゾ・ソプラノ)藤村実穂子
第1のノルン…(アルト)ジャネット・コリンズ
第2のノルン…(アルト)マルティーナ・ディーケ
第3のノルン…(ソプラノ)イレーネ・テオリン
ウォークリンデ…(ソプラノ)フィオニュアラ・マッカーシー
ウェルグンデ…(ソプラノ)ウルリケ・ヘルツェル
フロースヒルデ…(メゾ・ソプラノ)マリナ・プルデンスカヤ
(合唱)バイロイト祝祭合唱団
(管弦楽)バイロイト祝祭管弦楽団
(指揮)クリスティアン・ティーレマン
参考過去記事「神々の黄昏」を考える
ようやく、「リング」最後の日である。
私は4夜の中で一番「神々の黄昏」が好きだ。(突っ込み所満載なので)
なんたって、ブリュンヒルデとジークフリートが朝っぱらから夫婦で歌い狂っている所は何度聴いても(とくにコレといった内容ではない夫婦の会話なので、「まあ、勝手にしてくれ」といいたいけど)音楽がすばらしい。しかし、今回の演奏ではライブということもあるためか、はじめはジークフリートのグールドは押さえ気味であり(心なしかつまんなそうに聴こえる)。
ジークフリート役はマラソンと同じでペース配分が大事である。最初にぶっとばしてあとで息切れしないように、細心の注意が必要である。でないとあとから来た土佐礼子に抜かれてしまう。
ギービヒ家のたどり着いた時にはもうジークフリート役のグールドは本来のペースといった感じで、よい声を聴かせる。おじさん、ほっとしたよ。
そしてジークフリートとグンターの「義兄弟の誓い」。お互いの血を酒に混ぜて飲みあう。まるで東映任侠映画である。
♪兄弟の誓いに燃えて
雄雄しく混ぜた我らの血
酒の中で花と咲け!
唐獅子ぼ~た~ん~♪
イヨッ!健さん!
さあてお待たせ、我らがミポリン(藤村実穂子さん)の登場である。一回本当の藤村さんのワルトラウテを見た(聴いた)だけに、感慨もひとしお。実際、そもそもワルキューレの一人ってチョイ役が代表して出てきたくらいの役なんだけれど、ついついいつもより一生懸命聴いてしまう。だってうまいんだもーん。
そして隠れ頭巾のジークフリート登場。変装してても(火の神)ローゲは、ちゃんとジークフリートだってわかるんだなー、スルーだ。セコムしてますか?
さて。
「リング」で合唱団が入るのはこの「神々の黄昏」だけである。ハーゲンとともに登場するこの男性合唱がめちゃめちゃかっこいい。
(ハーゲンは悪役だが、例のトーキョー・リングでの長谷川顯さんがハーゲン役だったときは悪役ということを通り越してひどくかっこよくて惚れてしまった。それ以来ハーゲンって奴には一目置いている。「ラインの黄金」でのローゲのように、ある意味このオペラの真の主役はハーゲンでは?と思うくらい重要な役である。あいつはヤルよ、ほんと。)
ハーゲンが家臣たち(Die Mannen)を呼び寄せると、家臣たちはいったい何が起こったのか?すわ!一大事と集まってくる。関西弁みたいなドイツ語で歌う。
♪何のためにワシたちを呼び寄せまんねん?
敵がいっぱい攻めてきまーんねーん?
いやー、やっぱり世界一の合唱団・バイロイト祝祭合唱団はいつもながら素晴らしい。合唱団なのにまるで一人の歌手が歌っているみたいに表情が細かくて豊か。ハーゲンの人もめちゃくちゃカッコイイ。(耳で聞く限りは)
今日のブリュンヒルデ。このオペラでは何かと怒り狂ってばかりいるブリュンヒルデだが、リンダ・ワトソンは(ギネス・ジョーンズのやうに)決して大声で悲鳴を上げたりしない。が、歌では怒り狂っている。最後までテンションを維持するのは相当大変だろうが(いや、ほんとにこの役は凄い。大変である)、彼女はがんばっている。アッパレである。
ジークフリート役のグールドは私の印象としましては少しパワーのないウィントガッセンといったところで(?)、決して悪くなかったと思う。
ティーレマンの指揮は毎度のコトながら大絶賛を浴びただけあって良かった。(留めが長げー)
ホントに生で聴いたらどんなによいでしょう。あー、長かった。風呂入って寝ます。
-----------
実家に帰ったら順位がどうなるか心配です。
人気blogランキングへ
| 固定リンク
コメント