ヤルヴィ:ステンハンマル集
ヴィルヘルム・ステンハンマル:カンタータ「歌」より間奏曲、演奏会用序曲「エクセルシオール」、交響曲第1番、セレナーデ、交響曲第2番
ネーメ・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団
話題のヤルヴィのステンハンマル集である。
おかげさまで(何が?)タワレコのクラシック部門ウィークリー・チャートの6位である(現在)。
比較的マニアックな作曲家なのに、これはすごい。でも、本当にクラシック聴き初めて「クラシックちょっといいかもなあ~」くらいの方でも薦められると思う(そういう該当者が周囲に皆無なのは残念である)。
判りやすくて、心のひだに深くしみこんでいくようないい曲ばかりであると思う。(悪く言えば、年代的に重なるマーラーみたいな毒がなく、そういうのを求める人には多少ものたりないかも。CDオビの「北欧のメンデルスゾーン」と書かれているのはそのへんか?)
例えば、大雪に降られて家に帰ってきたときに暖かいココアとか飲んでほっとする感じ。
なので、冬の寒い日の夜などにゆったり聴くのがぴったり。(もちろんあったかくしてね)
この曲の中で、交響曲第1番だけが私は初めて聴くものである。ま、金管の重奏から始まる感じはいかにも「北欧!」「ステンハンマル!」って感じだが、全体的にドイツ系の「あんまりよく知らないけど初めて聴く、いい曲」っていう印象である。ブラームスとブルックナーが極寒の地にて二人で暖炉でほのぼの暖まっている・・・みたいな(意味不明)。ついでにあとでワーグナーも来ちゃった、みたいな。で、華々しく終わる。でもすこ~し個性に欠けるかも?
このアルバムの第1曲めの「歌」ってのはホンマにしみじみいい曲。なのにポピュラーになってないのは何故。何かの「名曲集」みたいなのに入ってても違和感なさそー。
「エクセルシオール!」って曲も題名に違わぬ(コーヒー・チェーン店とは関係ないぜ)輝かしい曲。「高みに向かって」って意味だからね。ちょっとワーグナーっぽい。
そして2枚組の2枚目。「セレナーデ」はクーベリックのステンハンマルの項でもご紹介したけどと~っても魅力的な曲。「セレナーデ」といいつつ5楽章もあるんだけども。なんでも、ステンハンマルの「南国へのあこがれ」が表現されてるとゆー。やっぱり寒いからなー、スウェーデンは。
ホルンの重奏が大活躍する第3楽章「スケルツォ」がなんとしても好き。
最後に聴ける交響曲第2番は、第一楽章は北欧っぽい物悲しいメロディー。ステンハンマルに「北欧」を求めたいのならば、一番しっくりくるかも。でも、やっぱりドイツ風な力強さも聴かれる。終楽章など、なかなか勇壮でかっこいいぜ。
録音は全体に残響がよくて気分がよい。録音年は一番新しいのは2002年の「歌」で、演奏者の息使いまで聴こえる。他は1992と93年ではあるけれど、こちらも録音はよいと思う。
なにせ、これだけ聴けて1500円はよい。グリーグやシベリウスの次のステップとしての北欧音楽入門編として薦められると思う。(まー、私は全然ステップ踏んでないけどね~)
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コメント
始めまして、うちの隊長を懇意にして下さってありがとうございます。
恐縮ながら、今頃こちらの膨大なブログを拝見し、非常に、ヒジョーに感心してます。
イギリス・北欧の秘曲が夢のように採り上げられており、これはどこから読めばいいのか、ワクワクしてます。
まずは英国をざっくり拝見しまして、パリー探ししましたが、パリーについての記事が無いみたい。
パリーの交響曲第5番、ボールトやバーメルト指揮の名盤はお聴きでしょうか?
イギリス組曲やレイドノー嬢の組曲なんかもグッジョブ。
今回のステンハンマルも大ダイ大好きな作曲家でして、Pコンも1・2番なんかも名作なのに、なんで埋もれているのか?
先日、関西の「けいはんなフィル」というアマオケが京都で実演してくれたんですけど、やっぱナマは映えましたよ。
父ヤルヴィ盤も素晴らしいし、息子パーヴォ・ヤルヴィ盤もあるんで、是非聴いてみてください。
これからもよろしくお願いします。
投稿: 爆音クラシック突撃隊隊員 | 2007年12月31日 (月曜日) 11時40分
>>隊員さん
おお、はじめまして(なのですね?)、いつも隊長さんにはお世話になっております。
ウチはあまりに雑多なブログなので(何を目指しているのか自分でもわからない)、はじめは皆さんヒくと思うんですが隊長さんと同様にちょくちょくお寄り頂きたいと願っております。
うーん、パリーはウチにあるのはたぶん声楽曲のみですね。ステンハンマルも実はちょっとしかないし。「ステンハンマル友の会」のコンサートには行ったことあるかなー。なんにしろ英国&北欧は聞き始めて何年かしか経ってないので、まだまだなのです。「こんな感じかなあ?」というイメージはあるんですがね。
こちらこそよろしくお願いします。
投稿: naoping | 2008年1月 4日 (金曜日) 12時35分