R・シュトラウス「ダフネ」
R・シュトラウス:「ダフネ」
パウル・シェフラー(ペネイオス)、ヴェラ・リトル(ガエヤ)、ヒルデ・ギューデン(ダフネ)、フリッツ・ヴンダーリッヒ(ロイキポス)、ジェームス・キング(アポロ)、その他
カール・ベーム指揮/ウィーン交響楽団・ウィーン国立歌劇場合唱団(1964年、アン・デア・ウィーンでのライブ)
アメリカの名テノール、ジェームス・キングのファンであることを公言している私が、ジェームス・キングの死を知ったのはこのblogを始めたごく最近である。(2005年11月20日死去)
遅っ。
(一人暮らしをはじめて1年半は新聞もネットもない状態で生きていたため、訃報は全く情報として入ってこなかったのです。)
私のこのblogによく来て頂いている(有難いことです) Niklaus Vogelさんのblogに「ジェームス・キングのジークムントについて是非・・・」というコメントがありましたのを受けまして(曲・・・違うけど)、本日はジェームス・キングのCDでかなりお気に入りのR・シュトラウス「ダフネ」を。近く日本初演もされるっつーし。
や、このCDは凄いです。だって、ジェームス・キングとフリッツ・ヴンダーリッヒの2人の美声テナーが共演しているのですから。しかも恋敵同士で美女ダフネ(ヒルデ・ギューデン)を取り合う。
わたくし的に例えていうなら。そーさなー、月9ドラマで妻夫木聡くんと玉木宏くんが綾瀬はるかちゃん(もしくは沢尻エリカちゃん)を巡って恋のバトル(殺しもあるよん)、といった感じの豪華メンバー。(過度な面食いなものですいません)
・・・随分違うな。
<主なあらすじ>
古代ギリシャ。ペネイオスの娘ダフネの幼馴染みのロイキポスはダフネに夢中だがダフネは愛を拒んでいる。彼とともに祭に行くことも断ってしまう。祭に牧人の姿をしたアポロが現れ、ダフネに一目ぼれ。ダフネも始めアポロに心引かれるが、ダフネは遠くで聞こえる恋人達の歌声に突然恐怖を感じる。アポロはロイキポスを矢で射抜いてしまう。それをおおいに反省したアポロはダフネを月桂樹の姿に変えさせる。
・・・と。かいつまみすぎて私もなんだかさっぱりわからないが、ぶっちゃけ男性恐怖症の女性が植物に変えられてしまうという話。オペラのタイトル・ロールがこんな潔癖症じゃいかんよ、実際。
オペラは牧歌的な音楽から始まり、R・シュトラウス特有の豪華なオーケストレーションを満喫できる(ま、シュトラウスの代表作とは言えぬが)。初演はカール・ベーム。
正直いって、ダフネ役は誰が演じていようが全然構わない。ヒルデ・ギューデンが一時代前の名歌手だろうが、どうでもいい。ともかく、ここではキングとヴンダーリッヒ。
階段からおっこちて若くして死んだ歌手、ヴンダーリッヒはどっちかといえば私とは畑違いのモーツァルトで活躍した人なもんで、あまりCDがうちにはない。なので私には貴重なCDである。もうとにかく美しい高音をビンビン出してくれちゃってるのでしびれちゃう。
そして、キングだけれども、とにかくかっこいい。高音の声がひっくり返っちゃうとことかいい。ベーム盤の「影のない女」でもキングは歌っているけれど、なんだか「ダフネ」でのほうがずいぶん張り切っているような感じがする。歌うとこが多いからか?それともヴンダーリッヒとの共演のせい?火花ちらしちゃってる。キングはワーグナーももちろんいいんだけど、R・シュトラウスの音楽にも相性ピッタリよ。
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コメント
naopingさん、こんばんは。リクエストにお応えいただきまして、ありがとうございます!
以前の日記を拝読して以来、ジェイムス・キングのことは待っていました!
ラウリッツ・メルヒオールのような稀代のヘルデン・テノールによるジークムントもすばらしいのですが、声そのものに悲劇が宿るキングの歌唱にはいつも胸がはれ裂けんばかりです。
この「ダフネ」のCDは実家に埋もれていた記憶がありますので、今度あらためて聞いてみたいと思います。(キングとヴンダーリッヒが出ていたことさえ忘れていました…。)
ところで…
> 過度な面食いなものですいません
私ももしアンネ・ゾフィー・ムター、バーバラ・ボニー、エレーヌ・グリモーが共演する機会に接したら卒倒することでしょう(爆)。(この3人の共演って、どんな曲があるのか分かりませんが…(汗)。)
投稿: Niklaus Vogel | 2006年11月 1日 (水曜日) 22時58分
>>Niklaus Vogelさん
コメントありがとうございます。
キングのジークムントについても(っていうよりジークムント役そのものについて熱く語るのもいいかも)いずれか書きたいなあと思っています。
ムターとボニーとグリモー。それは確かに視覚的に素晴らしいですね。何やんのかな?それにしてもボニーの人気は素晴らしいですね。知り合いにも結構ファンが多いです。私も彼女の声は好きですよ。
投稿: naoping | 2006年11月 1日 (水曜日) 23時21分
「ダフネ」は素晴らしい作品ですね。私も同じベーム盤を聴いてます。いつもながらストーリーは荒唐無稽ながら、音楽はすばらしい。そしておっしゃるように、名テノール二人の顔合わせも。加えて、ギューデンも素敵。さらにオケがウィーン響なところもいいです。二期会のチケットは早々にゲットしましたわ。
私も史上最強のジークムントはキングと思い込んでまして、どうしてもそれと比較してしまいますね。
投稿: yokochan | 2006年11月 2日 (木曜日) 00時31分
>>yokochanさん
コメントありがとうございます。
ダフネ日本初演はまだチケットは買ってないんですが、ダブルキャストのようですね。釜洞さんと佐々木典子さんかぁ。迷うところですね。
ところで、最後に月桂樹に変貌するところって、舞台でどうするんでしょうね。何か特撮的なものが必要ですね。
やっぱり史上最強のジークムントはキングでしょ。私は初めて聴いたジークムントはキングなもので初恋の人が忘れられない・・・って感じです。
投稿: naoping | 2006年11月 2日 (木曜日) 20時54分
naoping さん、こんばんは。
当初(「平和」の初演を除いて)「平和の日」と「ダフネ」は2本立て上演だったというCDの解説を読み、「毒・皿」で二期会のチケット確保しました。
手持ちのLP(ハイティンク+ポップ)とDVD(アンダーソン)、そして、地元の石丸電気で1900円程で叩き売られていた、フレミングのCDを買い足して、3つの音源でだらだら予習中です。この中では、ポップのドイツ語の発音が、意味も判らない歌詞を追いかけるのには、最も聞き取り易い物でした。声量では、他の2人にちょっと負けますが、発音も明瞭で、声質からすると一番清楚な感じがします。フレミングはちょっと「おんな・おんな」し過ぎている気がしますし、アンダーソンは「お年頃」の役にしてはしっかりし過ぎかと、、、
最後の変容する場面は、DVDでは「え、話が違うんじゃないの?」って感じでしたし、昔観たベルリン・ドイツオペラでは、特撮と言うほどの工夫はしていませんでした。確かに、ダフネは次第に見えなくなりましたけれど、、、「うん、まあそんなもんでしょう!」といった感じの演出でした。今回の演出家はダンスの振り付け師が本業らしいので、「あっと謂う」様な工夫があるのかも知れませんね!
投稿: ボーや | 2007年1月31日 (水曜日) 02時44分
>>ボーやさん
ドレスデンに向けてシュトラウス漬けになっておられるようで、なんとも羨ましいです。ほんと、一番楽しいですよね、予習って。幸せな気分がこちらまで伝わってきます。
ダフネは当日券があったら行こうと思っている(国内のはいつもそんな感じなので)のですが、注目度は高いですね。ハイティンク盤は持ってないのです。ポップの歌うのを聴いてしまうと、シュトラウスに限らずなんだかその役はポップじゃないと気がすまなくなってしまうんですよ、私は。ほんとにポップ好きなんだなー。
投稿: naoping | 2007年1月31日 (水曜日) 22時29分