ワーグナー歌手博物館?
Great Singers Sing Wagner
本日は、ウチにある一番安い(ま、ダイソーのとかは別にして)CDをご紹介したい。タワーレコードで買ったものです。ワーグナー好きの方は見かけたことあるかも。
10枚組で1700円くらいかと思った。
CDを買うというより、入場料を払ってワーグナー歌手博物館に行って一時代前の音を聴く、みたいな感じだと思えばよい。
一番古いのはエミー・デスティンの1906年。新しいのでマリア・カラスやヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスの1950年である。(このへんはそんなに珍しく感じなくなるのはどーゆーわけか。全曲盤やアリア集からのマリア・カラスなんかもうワーグナーじゃなくて『マリア・カラス』以外の何者でもない。イタリア語だし。)
古いものは滅法音が古い。人間の声って劣化が少ないのだけれど、オケ伴奏の音がもうハーモニカとかみたいに聴こえたりする。こうなると、1938年のフラグスタートとメルヒオールの「トリスタン」2幕の二重唱が新しく聴こえるくらい。(結構長く聴くことができ、嬉しい。誰の指揮かしらー。ライナー?ビーチャム?)
伴奏のデータがないのがちょっと(かなり)悲しいものがある。こういう寄せ集めCDには有り勝ちなことである。
10枚もあるから、全部聴くのは一苦労なのでかいつまんで聴いてみると。大変有名な大歌手クラスのものは一通りよい。大歌手ロッテ・レーマンの歌は、後年になるとアクが強くて今聴くと大時代的に聴こえるけれど、1916年の28歳のレーマンのエファ(マイスタージンガーの)はすごく可憐で初々しい。第2幕のハンス・ザックスとの歌が収められていて、まるで本当の舞台みたいに生き生きとした歌唱につい聞き入ってしまう。
一時代前のヴォータンやザックスのエマニュエル・リストやルドルフ・ボッケルマンなんかも「ほほう」と思う。70年も前なのに、低音の歌手ってあんまり古く感じないんだね。
けど。
これを聴くためだけに千いくら払ってもいい!と思う録音がこの中にあります。ハンス・ホッターの33~4歳の録音。33歳の青年ホッターのヴォータン(ヴァルキューレの最後)が聴けます。(ま、他のCDでもしかしたら探せばあるのかもしれないけど・・・こんなに安いかな?)
1942年。こないだ出たカイルベルト盤が1955年なので、13年も前です。33歳のヴォータン。聞き比べてみる?
若い。確かにホッターの声には違いないけど。若い。
他に、オランダ人とハンス・ザックスが聴けるよ!若いよ!ピチピチだよ!(←ヘン?)
さあ、買った買った。(やっぱり寅さん?私)
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コメント
naopingさん、こんばんは!
このセット私のお気に入りです。ことにDisc4と8がとても好きで、就寝前にちょっぴり聞いたりしています。(このような状況ですと、オケの伴奏がひなびているのがちょうどいい感じ。)
ルートヴィヒ・ヴェーバーの録音では、エリザベート・シュヴァルツコップがブランゲーネを歌っているのが貴重でしょうか…。
なお、フラグスタートとメルヒオールによる「トリスタン」の二重唱はエドウィン・マッカーサー指揮サンフランシスコ歌劇場管弦楽団による1939年11月11日のVictor盤が音源でしょう。
投稿: Niklaus Vogel | 2006年11月 8日 (水曜日) 23時44分
>>Niklaus Vogelさん
あー、やっぱりー。お持ちの方がいらっしゃった。これ、ほんとにいいですよね、安いし(←ここ強調)。めちゃ古い録音のわりに音はそんなに聴き辛くないし。ただ、まー私が持っているのはCDケースの作りが妙にちゃちくてぶち壊れるのではないかとヒヤヒヤしながら扱っています。それも安い要因かも・・・。現在売っているのは改善されているのかな?
エドウィン・マッカーサーってフラグスタートのピアノ伴奏してはった方ですよね?指揮もするのですか。はー。勉強になりました。
投稿: naoping | 2006年11月 9日 (木曜日) 00時04分