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2006年10月29日 (日曜日)

火刑台上のジャンヌ・ダルク/イングリッド・バーグマン

P1000659 オネゲル:劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
監督:ロベルト・ロッセリーニ、原案:ポール・クローデル、脚本:ポール・クローデル、ロベルト・ロッセリーニ、
出演:イングリッド・バーグマン、テュリオ・カルミナティ、ジャチント・ブランテルリ、アウグスト・ロマーニ
(1954年)

一時期大ブームを巻き起こした(私の中だけで)オネゲルの傑作「火刑台上のジャンヌ・ダルク」について、今日は書くことにします。

最近、タワーレコードで小澤征爾さんのCDがありえない値段設定で発売されたので、お買いになった方も多いと思います。対訳つきで千円は買いです。ちなみに私は初出のとき輸入盤で買いました。
こちらももちろん素晴らしいですが。

P1000660 手元にあるのはもっと前の録音、セルジュ・ボド指揮チェコ・フィルのスプラフォン盤です。指揮者のこの作曲家に対する思いいれとか、真摯な姿勢が感じられて、感銘深い(なんだかありきたりなコメントで申し訳ない)。ジャンヌ役の女性も少女らしさが感じられて素晴らしい。(多分廃盤)

この曲、一時期よく日本でも上演されました。
私も2回くらい実演を見た記憶があります。確かフルネ指揮でNHK交響楽団の定期(確かフルネさんの娘さんがジャンヌ)と、若杉さんの「日本語上演版」だったと思います。

(ちなみの日本初演は草笛光子さんのジャンヌ、露口茂さんのドミニク神父だったようです。)

N響の定期はとても感銘深かった記憶があります。また、舞台に乗ったオケで色々なことが行われていて、とても面白かった。例えばグランドピアノの中にトライアングル?を置いてクラブサンみたいな音にするとか。

この曲と、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」のときに必ず出演する原田節さんとオンド・マルトノって電気楽器にあえるのもとってもうれしいし。(この2曲が音楽史にあるかぎり、この楽器は存在する・・・)

ただ、「日本語上演版」はかなり違和感がありました。日本語でやる意味あんのか!って。私フランス語は全然わかんないけど、フランス語でもうこの曲頭に入ってるし。ダメよ、ダメ。日本語でやられたらなんだか生々しいって。なんだか中学んときの同級生のじゅんこちゃんが火刑に処されちゃうみたいなそんなくらいの生々しさが出ちゃって。あれはキツかったなー。最終場面のセリで上がってくる佐藤しのぶさんもなんだか紅白みたいだったし。





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で。

さて本日ご紹介のDVDは、大女優イングリッド・バーグマンがジャンヌを演じ、夫の映画監督ロベルト・ロッセリーニがメガホンをとった映画版の「火刑台上のジャンヌ・ダルク」です。

そもそも、バーグマンがこの曲を演じたっていきさつは、かいつまんで説明すると、

イングリッド・バーグマンはジャンヌ・ダルクの役に相当思いいれがあり、ジャンヌ・ダルクを主題とした映画にも主演していたが(500円で売ってるDVDにもありますね)いまいち物足りなかったようであった。しかも当時のハリウッドのシステムにも不満があり。

そんな頃たまたま映画館でロベルト・ロッセリーニ監督の映画を見て深い感銘を受けた彼女は、ロッセリーニに強く出演を希望する手紙を書き、その後夫と子供を捨てて彼の元へ走った。

それから彼の映画に何本か出演したあと、ある興行主よりオネゲル作曲のこの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の舞台をやらないか、とのオファーがあり、ロッセリーニの監督によりヨーロッパ各地で上演。パリ公演を元に作られたのがこの映画です

(実は、私はこの公演のイタリア語上演盤のLPを所有しています。舞台写真とかも見られてとても貴重。チェトラ盤で録音はものすごく悪いですが。ガヴァツェーニ指揮でした。)

この曲が映像として見られるのはとてもありがたい。バーグマンは「少女」というにはキツイ年齢ながら、やっぱり美人だし。堂々たるもんです。ジャンヌはこの演出では鎖で縛られてなくて、自由に歩き回っている。これは彼女の自伝に書いてあったのだが、「縛られて演技するのはイヤ」というバーグマンも希望によるもの、と記憶する。

映像としても色々面白いし。裁判をするブタさんやヤギさんやロバくんの扮装をしてる人が出てきたりね。「酒樽おっかあ」がごろごろと転がされて出てくるところも(女優さんは大変そうだが)面白い。

が、映像も録音も1954と大変古いものなので、音はかなり厳しい。映像もカラーながらなんだか昔の印刷物のように退色しており、それが味って言えば味かもしれないが。さらに困ったことに音楽のカットが多く見られる(オンド・マルトノがなかったからかもしれない。)。

また、場面場面の切り替えがプチップチッとなっていて、繋がってないところがあり、あれもどうかと。ジャンヌが火刑に処される一番感動する場面も、ジャンヌの鎖がはずれて天に昇っていくが、これはリアルにやりすぎで感銘が薄くなってしまった。ま、ロッセリーニらしい感じなのかもしれない(よく知らんが)。

そのようなわけではじめから何も予備知識もなくこのDVDを見るのは辛いかもしれない。始めに小澤さんのCDに慣れ親しんでから、もしもすごーくこの曲にはまってしまったらぜひこのイングリッド・バーグマンのDVDをご覧になることをおすすめします。それと、バーグマンのファンは必見。


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コメント

こんばんは。
バーグマン好きです。私より背が高いのがいささか不都合ですが、実際に会うこともないので、もう、気にしなくてよいようです。

小澤の「ジャンヌ・ダルク」といえば、サイトウ・キネンとも日本でやっていて、NHKで放送されました。録画しっぱなしで、数年間ほっぽらかしです。近いうちに観たいと思います。

投稿: 吉田 | 2006年10月29日 (日曜日) 22時11分

>>吉田さん
私はイングリッド・バーグマンは人類史上最も美しい女性だと信じています。(現在生きている人では滝川クリステルかなぁ。)
ま、スウェーデン人なのでデカイっちゃデカイですが気にしない気にしない。

小澤さんのサイトウ・キネンのは私もテレビで見ましたが・・・それはずいぶん前では。あれも良かったですよ。実際に見に行きたかったなあ。

投稿: naoping | 2006年10月29日 (日曜日) 23時42分

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