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2006年9月 1日 (金曜日)

ワルキューレ第3幕

Walkure3_1 ワーグナー:「ワルキューレ」第3幕
キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ)/オットー・エーデルマン(ヴォータン)/マリアーネ・シェヒ(ジークリンデ)
その他ワルキューレたち
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(DECCA PY 924)1957年録音

ショルティ&カルショーの有名なソフィエンザールのリングの録音の前に、ムジークフェラインホールで録音されたのが、この第3幕でえす。

確か、カルショー製作の「リング」の全曲のテスト録音だった、ような。そしてクナッパーツブッシュがリング全曲を録音するはずだったのに、スタジオ録音嫌いのクナはワルキューレの第1幕までしか録音できなかった、とか。(なんだかあやふや)

本日取り上げました1957年盤のほうは、ショルティ「リング」全曲盤にありがちなピキーンとかいう効果音とかワルキューレの騎行でヘルムヴィーゲが「はいやはー」と雄たけびを上げながら左から右へぶっとんで行ったり(おいおい舞台じゃこんなことはないでしょう)、妙に遠くから人の声が聞こえたり、マンホールの下から声がしたり?とかはない。

比較的プレーンな録音で、実演&録音・色々な形でワルキューレを聴いてきた耳には、まことに自然であります。こっちのほうが頭が痛くならないのでいいかもしれません。

そして、ずいぶんアルトっぽい声になってしまったけれど貫禄たっぷりフラグタート大先生の歌唱、ホッターより小粒ながらエーデルマンのヴォータンも素晴らしい。

・・・と、とおりいっぺんの解説はこのへんで終わらせて、と。

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ワーグナーに因んだ学生時代の話。

高校のときまで、私にはクラシック音楽の深い話ができる友達がいませんでした。

(ピアノを習っているからちょっと作曲家を知ってる、等の人はちょろちょろいたが)

blogに書いたとおり、私はブラスバンド部にいたけれど、部員は

「みな楽しく演奏できればいいやんけ」派か

「吹奏楽が大好きもっと練習しようぜ」

みたいな感じで、私のような

「クラシックヲタク」

は一人でした。


友達と音楽の話で盛り上がったことは全くありませんでした。
(えーと、一般的なお友達はたあああくさんいましたよ!!)

今のようなネットがあれば、同じ趣味の人と知り合えるのは簡単ですが。

・・・・・・

それで。
私の、人生最初の「音楽の友」との出会いは、高校を卒業して美術の学校に入ったときでした。

担任の先生がなんと!ワグネリアンだったのです。

先生はすでに「バイロイト詣」もされていました。バイロイトに行った人に遭ったの生まれて初めて。

先生は芸大出てて、画壇の重鎮であります。(大林宣彦監督?風な容貌)

裸婦や静物をかこんだデッサンや油絵の授業のときは、先生は一人一人のイーゼルの横に立って、 
「ここはこうしたほうが」とか
「この色はもうすこし明るくしたら」とか
しっかりと的確な指導をしていきます。(多分)

が、

私の所にきたときだけ違いました。
「こないだのバイロイトのトリスタンだけど・・・」
などと、全く絵の指導とは関係ない話で始まりました。

「kjふぉshイsjpsあsk:・・・・」

で、一通り話が盛り上がり、(他の人よりずっと長いぜ)何事もなかったように、隣の生徒の所へ。

「ここの形はもうちょっと。。。」


あの、センセー・・・。と、ところで。
私の絵・・・どうなんスか。指導しようもないほどヒドイのかなあ・・・。

などと思いつつ、学生生活が過ぎた。

私はその先生に、絵の指導をしてもらった記憶がない。先生にしてみたら、「生徒でワーグナーの話ができる人は初めてだ」って大喜びだったようだが。

ま、私も楽しかったからよかったけどー。




元気かな先生・・・・。

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コメント

こんばんは。ここでのショルティは、全曲盤よりはおとなしいですね。このメンバーでも全曲録音して欲しかったです。
 ほほう。先生がワグネリアンでしたか。
私のまわりには、そこそこのクラヲタがいましたが、ワーグナーは私だけ。寂しかったですが、反動でますます探求してしまいました。良き師に会えてよかったですね。

投稿: yokochan | 2006年9月 2日 (土曜日) 00時24分

そうそう。でも本当は予定通りクナで全曲スタジオ録音してくれたらよかったんですよね。
絵描きの人って結構クラヲタ多いですよ。絵の先生でその後何人かヲタの人に出会いましたが、そのおかげで他の生徒より長いお付き合いができてちょっと良かったです。

投稿: naoping | 2006年9月 2日 (土曜日) 00時50分

クナのスタジオ録音の話は、結構有名ですよね。
でも、この大御所
スタジオ録音だと今ひとつの出来のような気がします。
ライブでないと実力を発揮できないような…
もっとも今ひとつの出来でも、名盤になってしまう実力なんですけど…
スタジオ録音ではなく、録音状態の良いライブ録音が残されなかったのが非常に悔やまれますね。

投稿: 川越名物☆税務と会計のビックリ箱 | 2006年9月 4日 (月曜日) 10時08分

どうもスタジオ録音が嫌いなんだか・・・。クナはライブ録音が多いですね。
最近クナのリングのライブ全曲盤がモノラルながら録音がいいって聞いているので、ちょっと聴いてみたいんですけど・・・カイルベルト盤の「ライン」と「黄昏」発売を控えているのでちょっと手が出ないです。ふぅ(溜息)

投稿: naoping | 2006年9月 4日 (月曜日) 23時59分

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