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2006年9月 9日 (土曜日)

ヴァルナイ逝く

Varnay このblogを読んで下さっているNiklaus Vogel様よりお知らせ頂きましたが(ありがとうございます)、往年のワグネリアン・ソプラノ、アストリッド・ヴァルナイが9月6日亡くなったそうです。88歳。

始まってあんまり経ってないこのblogでも、何回か彼女の録音を取り上げて勝手に激賞したりていました。1950年代のバイロイト実況録音のリングが素晴らしいのは、半分は彼女のお陰といってもいいと私は思います。女性らしさもあるのにカッコイイ、女性の私から見ても(聴いても)ホレボレする歌唱にはいつもノックダウン。

彼女と同世代のニルソンもいいけれど、私はヴァルナイのほうが圧倒的に聴く回数は多いです。ヴァルナイはソプラノにしては太い声で、メゾの声域までもカヴァーできるのに、高音もちゃんと出ていて、「神々の黄昏」のプロローグでも、ライブ録音では他の歌手はちょいと下の音に逃げがちなのに新旧クナ盤では彼女はちゃんと高い声を出しています。しびれちゃう!

録音嫌いなので(って話ですが、本当はどうだったのかな?)彼女の声を聴けるのはバイロイトなどの実況録音盤がほとんどです。このところのクナやカイルベルトの盤の復刻で彼女のすばらしさがクローズアップされているのは喜ばしいこと。復刻技術の進んだ今、猫も杓子もショルティ・リング!という声は少なくなりました。

皆様も、彼女のCDをお店で見かけたら、ぜひお買いになって聴いて彼女を偲んでみてくださいね(まあ、リング全曲盤はちとキツイかもしれないけど)。しびれますよ。

ニルソン、シュワルツコプフに続き、また大歌手が逝ってしまった・・・(涙)
ヴァルナイにはどんなに感謝しても足りないです。合掌。

<このblog内でのヴァルナイの記事>
ワーグナー・カテゴリー
 「影の無い女」 

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コメント

naopingさん、こんばんは。ご紹介いただきまして、ありがとうございます!
本当にヴァルナイはカッコいいです。(すみません、拙いこんな表現しかできずに…。)
ヴァルナイは晩年にメゾへ転向したようですが、若き日もそのしっかりとしたボディの発声にゾクッとくることがあります。もちろん、naopingさんのおっしゃるように、高音もとても魅力的。
ところで、上記の掲載写真(飛行機のタラップでブリュンヒルデの格好をしているもの)は初めて見ました。こんなお茶目なこともしていたのですね…。

P.S.またしてもTBしてしまいました。だって、ヴァルナイですもの。

投稿: Niklaus Vogel | 2006年9月 9日 (土曜日) 21時57分

naopingさん、たびたびすみません。リンクへのご登録、ありがとうございます!!私もいただいていきます。
これからもよろしくお願いいたします m(_ _)m

投稿: Niklaus Vogel | 2006年9月 9日 (土曜日) 22時01分

>>Niklaus Vogelさん
コメントありがとうございます。
この写真はクナの「神々の黄昏」の解説書に載っていたもので、なかなかカワイイですよね。よく見ると、アメリカン・エアラインの飛行機のマークがブリュンヒルデの被り物のように見えるトコがミソです。何故か気難しい顔の写真が多いヴァルナイですが、舞台を降りればこんなお茶目な人だったのかも。

投稿: naoping | 2006年9月 9日 (土曜日) 22時05分

こんにちは。ヴァルナイをなかなか聴き込んでらっしゃいますね。
私はまだヴァルナイ初心者なので、これからです。
ご紹介の写真、エエですな。頭がワルキューレしちゃってる。
あんなリアルな槍は、昨今のヘンテコ演出ではすっかりお見かけしませんねぇ。TBさせていただきました。

投稿: yokochan | 2006年9月10日 (日曜日) 15時27分

>>yokochanさん
コメントどもです。
この写真は本当にカワイイですよね。
ヴァルナイ、そんなにCD売ってないのかなあ?って思ったんですけど、タワレコのリンクをいそいそと貼り付けているうちに、こんなになってしまいました。このほかにもまだまだ売っているものはあるようです。ワーグナーやシュトラウスは知ってたけど、イタ・オペもあるんですね。なんだか自分でも色々欲しくなってしまいました。うーんヤバイわ。

投稿: naoping | 2006年9月10日 (日曜日) 15時42分

ヴァルナイが亡くなりましたか…
知りませんでしたねえ。
日本では、なぜか無名でしたからね。
メゾに転向したときの「エレクトラ」で映像がありますよね。
そのときの印象が強烈で、クナのリングでもそのイメージが付きまといました(笑)
フラグスタートのブリュンヒルデは、清楚なイメージ
ヴァルナイのブリュンヒルデは、猛女でさずがハンス・ホッター(じゃなくてヴォータン)の娘だなあと関心したものです(笑)
歌手によって登場人物のキャラが微妙に変わるのもオペラの楽しみの一つですよね。

投稿: 川越名物☆税務と会計のビックリ箱 | 2006年9月11日 (月曜日) 20時49分

ヴァルナイは猛女ですか・・・ま、そういうイメージもままありますかね・・・。
私から見ると、ヴァルナイのブリュンヒルデは「頼りがいのあるおねえさん」ってイメージですね。「まかしとけ!ジークムント!」みたいな感じでがします。でも結局ジークムントは殺されちゃうんですけどね。

投稿: naoping | 2006年9月11日 (月曜日) 22時00分

naopingさん、こんばんは。ここ数日の「ワーグナーリビュー」に狂喜しております(笑)。
それにしても、「パルジファル」の副指揮者の件、災難でした…。
naopingさんご紹介のディスクを入手しました!とても良かったので、TBさせていただき日記に書きました。
またよろしくお願いいたします!

投稿: Niklaus Vogel | 2006年9月28日 (木曜日) 22時44分

>>Niklaus Vogelさん
TBありがとうございます。ここ何日か、家で眠っていた「発表するあてもない感想文」をやっと発表することができ、沢山の方に読んで頂いてとても嬉しいです。blog始めてよかったと思います。ほんとにまたよろしくお願いいたします。

投稿: naoping | 2006年9月28日 (木曜日) 22時58分

はじめまして。
私もヴァルナイにぞっこんで、検索してこちらに辿り着きました。
もちろん、録音物の彼女しか知りませんが、その「神がかった声」は、他の歌手にはない脳天を突き破る感じです。
まさにショーペンハウアーが云うところでの「脳に直接響く」(←確かこんな様な表現を自著に残してたかと😅)ような印象を受けます。

時代がズレてて残念ですが、ルネ・コロとの「トリスタン」を聴いてみたかったです。(コロ&マーガレット・プライスのも嫌いじゃないです。何しろあれも神がかり指揮者クライバーの棒ですし。)

投稿: まい | 2019年2月 5日 (火曜日) 14時25分

>>まいさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
ヴァルナイ素晴らしいですよね。もちろん実演は知りませんがナマで聴いたら圧倒されると思います。メゾになってからはおっかない魔女みたいな風貌で「エレクトラ」のお母さん役で映像に残ってますけど、若いころはハンガリー系美人な感じでとっても素敵ですね。録音をたくさん残したニルソンと比べて日本ではあまり有名ではなかったけれど、カイルベルト盤リングがステレオ録音で出たために現代のワグネリアンにも彼女の素晴らしさが伝わって(しかも彼女が生きているうちに)、よかったなと思います。

投稿: naoping | 2019年2月 9日 (土曜日) 09時47分

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