ウィーンで見たホフマン物語
この旅行では、ウィーン国立歌劇場でもう一つオペラを見ることができました。
私には珍しいオッフェンバックの「ホフマン物語」。
帰国直後にブリブリ書いておいた旅行記(あとで読むと本当に記念になって、私の宝物です)を参考に書いています。
(昨日の続き)
次の日に見たのは、オッフェンバックの傑作「ホフマン物語」で、以前は同じ演出でドミンゴが出ていたものだったんだけど、もちろんドミンゴが出るのなんか見れるわけないのであった。
でも評判の良かったナタリー・デッセイという新人(当時)コロラトゥーラ歌手が「もしかして出るんじゃないかな」というヤマをかけてこの公演の予約をしておいたのです。(FMでライブ放送を聴いて、大変な拍手喝采を得ていたのを覚えています)
しかし、彼女は何週間かあとの「ナクソス島のアリアドネ」のツェルビネッタに備えて出演してなくて、オリンピア役は違う新人歌手が演じました。でも期待していたほど良くなかった。最高音をやっと振り絞って出したという感じだったです。
(↑現在活躍中のヴィクトリア・ルキアネッツのこと。先見の明がなかったようです。)
むしろ、アントーニア役の新人歌手のほうがよくて、拍手もブラボーも多かったです。
(↑イルディコ・ライモンディのこと。なかなかこっちは聴く耳があったようですね!)
<当日の配役>1995年2月5日
オリンピア:ヴィクトリア・ルキアネッツ※
アントニア:イルディコ・ライモンディ※
ジュリエッタ:エリアーネ・コエーリョ
ニクラウス:ガブリエーレ・シーマ
ホフマン:ルイス・リマ
スパランザーニ:ヨゼフ・ホップファーヴィーザー
クレスペル:ワルター・フィンク
アンドレアス&フランツ:ウィルフリード・ガームリッヒ
リンドルフ&コッペリウス&ミラクル&ダッペルトゥット:モンテ・ペダーソン※
その他
(※は国立歌劇場でこの役でのデビュー)
ミヒャエル・ハラス指揮
ホフマン役のルイス・リマは最初は硬さが見られたが、あとのほうになるほどよい声を出していました。ニクラウス役のガブリエーレ・シーマは最初はズボン役なのですが、最後に女性の格好になったときがとっても美しかったです。声もすばらしいし。
古今東西のオペラの中でも面白い演出を期待できるものの一つだと思えるこのオペラだけに、この日の演出も期待を裏切らなかった。 (写真は、当日買ったプログラムの中身です。写真や絵がいっぱいで美術館のパンフレットみたい)
合唱団の変な化粧、第一幕での怪しいセット(下のへたなイラスト参照)、大きな骸骨のサングラスをかけたのや、洋服を着たオウムの着ぐるみ着た人とか、電気じかけのオランピア(ねじを巻いて動くんじゃなくて、赤ランプが点滅すると電力不足で歌えなくなるというちょっとウルトラマン的なしかけ)、KKKみたいな変な人たちがたくさん出てきて舞踏会をやったり。オランピアは手がビルトインされたハープの伴奏で歌う。
第2幕は遠近法の効いた舞台に、ながーいグランドピアノが舞台中央奥までつながっていて、ピアノの蓋をあけて悪役の人が出入りをする。(途中突然幕がおりてきた。小道具でも忘れた?)実は、私は妙な盛り上がりを見せる第2幕が音楽的にはとっても好き。
第3幕は赤いソファーの舟がいっぱい並べられていて、ソファーに座って有名な「ホフマンの舟歌」を歌う。ほんとにいい曲ね。
一緒に見に行ったオペラ初体験の友人はこの日もとっても楽しんでいたが、「もしかして、私のためにこんな初心者向けの楽しい演目にしたの?」とあとで訊かれた・・・・けどぜんぜんそんなことなかったんですよん。見たかったやつを見ただけよ、まりちゃん。
一番よかったのは、合唱団の力強い声を沢山聴けたこと。本当にヨーロッパの合唱団は力量が違う!
←第1幕より。へんなマンガみたいだけど本当にこんなだったんですよ!
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