フィギュア・スケートに使われた音楽シリーズ第2回
グラズノフ:バレエ音楽「四季」
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
(EMIクラシックス TOCE-59173)
アビィロードテクノロジーシリーズ・1977年録音
本日ご紹介の音源はグラズノフの「四季」であります。この曲をトリノ五輪のフィギュアスケートで使用したのは誰?誰?答えられたあなたはかなりのスケートマニア、オリンピックマニアです。
じゃじゃーん、答えはエミリー・ヒューズ!ソルトレイクの金メダリスト・サラ・ヒューズの妹さんです。え、知らない?日本人選手とスルツカヤ&コーエンの戦いしか覚えてない!それは普通の人です。
エミリー・ヒューズは、実はアメリカの出場選手の中にエントリーされてはいなかったのです。だが、出場が決まっていてしかもトリノ入りをしていたミッシェル・クヮンが急に出場を辞退したため、その頃家族で近所のすし屋にて「サラ・ヒューズ金メダル巻き」をパクついていたエミリーに電話が。そして急遽ピンチ・ヒッターが決まったということです。
ソルトレイクではほとんど優勝候補にはなっていなかったのに、金メダルをかっさらった姉サラの強運を見事引き継いだ妹エミリー。(強運一家と呼んでいいかヒューズ家) 突然の出場だというのにショート・プログラム(確かガーシュインのピアノ協奏曲だったと思う。こっちの選曲もグー)から元気一杯、満面の笑顔を振りまきながらジャンプを決めていく様は快感。
しかも、彼女は決してノーミスではなく何回かしりもちついたりジャンプがすっぽ抜けたりしているのですが、「私はそんなこと全然気にしてないわ~」とばかり、すぐさま次の演技に切り替える様は見事というよりちょっと笑ってしまうくらい面白いです。(ここのところはNHK刈屋アナウンサーもかなりツボにはまっていたようです)
そしてジャンプや技が決まったときの笑顔爆発!!な時もなんだか一緒になってげらげら笑ってしまう。 「さあ見て!私を見て!凄いでしょう!」とアピール抜群!
(競技を見ている間「この顔は誰かに似ているな~」と思ってよーく考えたら関根勤さんの爆笑顔でした)
さて、そんな私の笑いのツボにすっかりはまってしまったエミリーちゃんのフリー・プログラムに使われた音楽が、本日ご紹介のグラズノフ作曲・バレエ音楽「四季」です。
アレクサンドル・グラズノフは1865年ロシア生まれでリムスキー=コルサコフに師事した作曲家です。
タワーレコードに行くと、荒川選手の時にご紹介した作曲家グリエールのすぐ近く(隣?)にあります。(なんとはなしに最近ここらへんのロシアの作曲家が気になりつつあります)
競技をTVで見ていて(エミリーちゃんの爆弾演技に比べて印象は薄いかもしれませんが)耳に残ったメロディが素敵だったので、やっと最近入手しました。
が、さほど聞き込んでないのでなんとなく「ここらへんの所が使われたかな~」という感じ。
曲は何故か冬から始まり、秋で終わります。っていうのはもしかしてロシアでは一年のうちでほとんど冬だからかしらー。
ま、冒頭は冬なので曲はどんよりと始まるのですが、全体的にはとても穏やかで明るい音楽。耳に残るロシア風な旋律も美しいです。バレエ曲なのにコンサートで演奏されるほうが多いというのは聴き所満載なせいでしょうか。
スヴェトラーノフの指揮はロシアらしい迫力にあふれていて爽快。1977年と録音は古いですが、アビィロードなんちゃらのおかげでかなり音はいいと思います。たっぷりとした重厚感あふれる音がします。いかにもそれらしいジャケットも素敵ですね。
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