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2006年7月16日 (日曜日)

クナッパーツブッシュ/さまよえるオランダ人

Kna1ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」
 オランダ人:ヘルマン・ウーデ(Br)
 ゼンタ:アストリッド・ヴァルナイ(S)
 エリック:ヴォルフガング・ヴィントガッセン(T)
 ダーラント:ルートヴィヒ・ウェーバー(Bs)、他
 バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団 ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)  録音:1955年7月 バイロイト祝祭劇場

(MUSIC&ARTS CD-319(3))米国輸入盤(日本コロンビア製)

先日、話題?のカイルベルトの「さまよえるオランダ人」を購入いたしました。リングと同じようにステレオ版での初発売ということで楽しみにしていたのです。
実は、私すっかりカンチガイをしており、カイルベルト盤のモノラル版のCDを自分では持っていると思っていたのです。で、購入したカイルベルト盤をさ っそく聴いてみましたら。

  さすがにステレオ録音、いい音ね~。

  ん?

  これは私の持っているのと印象がちがうかも。

  ヴァルナイはここではもっと息をいっぱい吸い込んでたよう な・・・。

で、エリックの出てきたところでやっと気が付いた。

こんな非力なエリック、私聞いたことないわ!!

で、今まで持っていたCDをひっぱりだしてみたら、クナッパーツブッシュ盤だったのですね。何か違うと 思いました(違いすぎです)。
現在はWalhall とかウラニアとかから出ているものと同じ演奏だと思い ます。 

それにしても不思議なのは、カイルベルトもクナも1955年のバイロイトの録音ですよね。バイロイトで、同じ年なのに違う指揮者になるときもあるんでしょうか?(詳しい方はコメントください)

私が持っているクナ盤はなぜか3枚組です。現在お店に出ているものは2枚組なので「入らなかった」というわけではないでしょうが、3枚です。
バイロイト音楽祭の「オランダ人」は3幕続けて演奏されるので(1955年以降のバイロイトでは・・・という話ですが、現在はどうだか知らないですごめん)結局どこで切っても同じなような気がします。フェイドアウト、フェイドインって感じです。

(クライバーのトリスタンのレコードのようだ ←これを知っているのは古い?)   

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 で、うちにあるショルティ盤はゼンタのバラードの途中で切られてるのだけど、あれはその後改善されたのかなあ?

 で、「3枚組になっている」で思い出したのですが、うちにあるカラヤンの「トゥーランドット」は3枚組です。今は2枚で発売されていますよね。当時は高かったけど、今考えてみたら3枚のを買っておいてよかったと思います。ひと幕続けて聴きたいよね。

 で、3幕続けて演奏するとして、楽員さんは休憩なしで・・・ってことですよね。大変ですね。バイロイトは地下にもぐっているから適当にトイレ行ったりしてるのかしらー。

で、以前、オケ団員の友人に「ワーグナーのオペラを演奏してて、一番大変なのはどの曲です?」と聞いたところ、「ラインの黄金!」と即答されました。「なんでぇぇ?短いのに」と言ったら「トイレに行けねえじゃん」と言われましてナルホドと思いました。

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カイルベルト盤をエリックの箇所でリタイヤしてしまったので(そのうちまた・・・)、ちょっと聞き比べというのもおこがましいのですが、比べるとクナ盤はやっぱり遅いです。たっぷり間を取っているせいか、ヴァルナイもとっても気持ちよさそうに歌っています。
「私はいくらでも声が出るのよ。さあお聞きなさい、私の美声を!!」

カイルベルト盤の非力なエリックに比べ、こっちはヴォルフガング・ヴィントガッセン大先生だ!どーよ。かっこいいわよ。やっぱりエリックは重要な役柄でしょ。

Kna2
(粗末な解説書・・・写真はカイルベルト盤の解説書と同じだ→)

3枚組 ということでかなり余白も歌手の余力も残っている(?)ってことで、「神々の黄昏」から第一幕の始めにジ ークフリートとブリュンヒルデが朝っぱらから夫婦で歌い狂っている場面と、最終場面の自己犠牲が収録され ています。
1956年の例の全曲からの抜粋ですが・・・これ、はっきりいってもの凄いですね。今ま で「オランダ人」を全曲聴いて、「黄昏」をすぐあと聴くっていうのはなかなかなかったと思うんだけれども 、いかにワーグナーがものすごい変貌を遂げたかが(知り合いでもないの にえらそうですいません)わかってびっくりします。別物ですね。

演奏もかなりヤバイで すね。世の中の人が大騒ぎするのがわかります。全曲聴きたくなりました、ホント。あの2人(ヴァルナイとヴィントガッセン)、やたら神々しすぎます。クナもヤバイです。ああ、リング全曲聴きたい。

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コメント

こんばんは。クナのオランダ人はまだ聴いたことがありません。
速いカイルベルトと遅いクナで同じ演出。昔はおおらかだったんでしょうかね。戦後バイロイトは、よく複数の指揮者が掛け持ちしてました。今は演出の時代ですから、演出コンセプトに合う指揮者がずっと担当するようになってますよね。昔が羨ましい。

投稿: yokochan | 2006年7月16日 (日曜日) 23時29分

>>yokochanさん
はあ、昔は複数の指揮者が指揮したりしたのですね。
今とは違いますね。それにしてもほんとこの年代の歌手はパワーが違いますね。ムリな願いですが、生で聴いてみたいものですね。

投稿: naoping | 2006年7月17日 (月曜日) 15時55分

naopingさん、こんばんは。
ヴァルナイの神々しい歌唱には圧倒されますね。naopingさんのお書きになられていること、拙い自分の表現力では言えなかったことを仰られており、とてもうれしく思います。
曲は異なれど、TBさせていただきました。

投稿: Niklaus Vogel | 2006年9月 8日 (金曜日) 20時11分

>>Niklaus Vogel さん
ようこそいらっしゃいました!私の拙いblogにトラバっていただいてありがとうございます
そしてお知らせ有難うございます。フラグスタートと並んで大好きなワグネリアンソプラノ歌手のヴァルナイが亡くなったとは。彼女の雄雄しくも女性らしい歌唱については語っても語っても言葉では表現しきれませんね。残された実況録音を是非皆様に聴いて頂きたい・・・と思うばかりです。
またぜひコメント頂けたら、と思います。

投稿: naoping | 2006年9月 8日 (金曜日) 20時49分

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