私はバイロイト音楽祭には行ったことはありません。多分当分行くことはないと思います・・・お金もヒマもないものですから。
行きたい。
しかし、1989年に東京で行われた「引越し公演」には行ったことがあります。東急文化村のコケラ落としでバイロイト音楽祭(の、ごく一部)を東京にそのまま(なの?)もってきたのです。
やるな、東急電鉄。
券を入手するのはかなりし烈な戦いだったと思います。確かはじめに3演目のセット券を売って、余ったらバラの券も売る、ということだったのです。しかし、セット券で売り切れてしまったようです。
そんなわけで、セット券をゲットした私は3演目とも出かけました。
演目は以下の通り
9月6日 「タンホイザー」全曲
ヘルマン・・・ゾーティン、タンホイザー・・・ヴァーサル、ヴォルフラム・・・ブレンデル、ピテロルフ・・・フォーゲル、ハインリヒ・・・ビーバー、エリーザベト・・・ストゥーダー、ヴェーヌス・・・コネル
シノーポリ指揮 (合唱指揮バラッチュ) ヴォルフガング・ワーグナー演出
9月11日
「ローエングリン」第1幕前奏曲
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
「ローエングリン」第2幕・コンサート形式全曲
ローエングリン・・・ゴールトベルク、エルザ・・・コネル、オルトルート・・・プリエフ、ハインリヒ王・・・シェンク、テルラムント・・・ウラシア
シノーポリ指揮 (合唱指揮バラッチュ)
9月13日
ジークフリート牧歌
「さまよえるオランダ人」序曲
「パルジファル」第3幕・コンサート形式全曲
パルシファル・・・ゴールトベルク、グルネマンツ・・・シェンク、アンフォルタス・・・ウラシア、クンドリー・・・プリエフ
シノーポリ指揮 (合唱指揮バラッチュ)
以上、バイロイト祝祭管弦楽団、バイロイト祝祭合唱団
・・・というように、ちょっと前のバイロイト常連メンバー勢ぞろい。レギュラーメンバーが入れ替わり立ち代りで、なんだか歌舞伎みたいな感じでありました。
オペラの舞台を実際にしたのはタンホイザーだけです。エリーザベトがその頃大売出しだったストゥーダーだったのが、売りであったようです(が、意外と太ってたのはびっくりした)。
今考えると今は亡きシノーポリをたくさん見ることができてよかったです。タンホイザーの席は一階一番前中央で(おおお)、シノーポリがヌッと出てきたときはもじゃもじゃでまるで熊かと思いました。
・・・・・
しかし。
こんなに豪華メンバーの中で、一番印象に残ったのは。合唱。
(っつーか歌手あんまり記憶にない。舞台地味だったしなー)
バイロイト祝祭合唱団!!!
ノルベルト・バラッチュ!!!
世界中から集められた、ソロ歌手クラスの、優秀な歌い手たちの、集まりが、ここ東京に集結!!!
正直、「演奏会形式なんて」と思ってたのです。
が、ローエングリンの日のこと。
演奏が始まり、例によってオルトルートとエリーザベトがひと悶着あり、ひととおり楽譜通りに事が進み、そして静かなトランペットの響き。そして男性合唱。
う???
うますぎる!!!
会場の空気が、空気が!びーーーーーーん、と唸ってる。これはもしや、鳴き竜と同じ原理?それとも大人数によるホーミー?? 合唱のピッチがぴったり合いすぎるから空気が鳴るのかしら?
わからないわ!!!
そこからずっと、感動のあまり最後まで私は泣き続けた(またかよ)。なんだかわからない涙が溢れ続けた。
これは、人間の声ではないでしょ。神様の集まりでしょ。だめよ泣いては、ここは泣くとこじゃないのよ。
・・・・
そして、2日後のパルシファルでも、私は合唱の部分からずっと最後までおんなじよーに泣き続けたのでした。
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