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2006年7月 8日 (土曜日)

H.G.ウェルズ「来るべき世界」

来るべき世界
映画「来るべき世界」Things To Come
(1936年イギリス映画)ウィリアム・キャメロン・メンジーズ監督
音楽:サー・アーサー・ブリス

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映画音楽を語る際、私の場合は画面より音のほうが先だということは昨日のblogに書いた通りなのですが、この「来るべき世界」もそうです。

そもそもイギリスの作曲家ブリスの音楽に興味があり、作曲家自作自演のCD"Bliss conducts Bliss"(DUTTON 2501)を買いました。この中に新旧2種類の「来るべき世界」の録音が入っています。

映画音楽から編まれた組曲は、とても平和でチャーミングなものから攻撃的(スターウォーズみたいよ)な曲までいろいろ入っています。この曲はどういったところで使われるのか想像しながら聞くのはたのしい。

そんなこんなでこの曲のCDは4枚ほど家にあります。その中から。ナクソスから出ているミューア・マシーソン指揮のオリジナルな音源(36年録音)はやっぱり録音は古いのですが、映画の雰囲気をそのまま伝えます。最後には(ま、映画と同じだから)合唱なんか入ってます。
Things To Come: Original Film Music Themes 1936-1947 ←ナクソス盤。

一般的にオススメなCDは一番新しくて録音もいいガンバ指揮の"The Film Music of Sir Arthur Bliss"です。(Chandos  CHAN 9896)
この映画からの収録曲目は一番多いのではないかと思います。
「来るべき・・・」の他に"Welcome the Queen"といういかにもイギリス的な行進曲とかも入っています。これもとってもブリスらしいモダンテイスト溢れてて大好きな曲です。

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さて、映画本編のほうのご紹介ですが。1936年のSF映画ときいて、ものすご~くチャチなものをご想像の方。
それは大きな間違いです!

1936年ていうと第2次世界大戦の始まる直前でしょ?そんな時代に作られたというのにこのセットはすごい。金かかってると思います。特殊撮影のようなことも勿論されているけれど、フィルムの継ぎ目?みたいなのはけっこう自然です。うまーく作られています。

Thingstocome セットが超かっこいいぜ!

<あらすじ>1940年、イギリスの架空都市エヴリタウンに敵が急襲し戦争が始まる。独裁者の支配、伝染病の蔓延などを乗り越え、超未来的な地下都市を建設する。合理的・科学的な生活を送る人々。しかし、旧体制派が科学万能主義に反旗を翻し・・・。

(おいおい、HMVからそのままコピーかい)

映画で描かれる未来2036年は、手塚治虫氏による鉄腕アトムなんかの未来都市そのまま。街中に立体的に高速道路が張り巡らされている。

Thingstocome2 パソコンのようなものも出てくるし、薄型大画面テレビ(←写真)も今よりずっと進歩しててガラスみたいなのに映し出されています。渋谷ツタヤ?の未来版みたいな街頭大型スクリーンで演説したり。携帯電話なんてもー腕時計型だぜー。

家具も透明プラスチックでミッドセンチュリーでおしゃれーだし。目黒通りで売ってても不思議じゃないかもよ。
服はなんだか日本の時代劇のカミシモみたいで変だけどな。

未来都市の建設の場面では、有名なバウハウスのデザイナー、モホリ=ナギの実験映像が用いられています。これがもう、ブリスの音楽とあいまってイカス!のです。「鉄ものフェチ」の私にはたまりません。

そもそも、ブリスをこの映画の作曲に起用したしたのは、原作者ウェルズだそうです。ウェルズ自身がブリスに声をかけ、まだ撮影も始まってないのに34年6月にはもうスコアができあがっていたので、ほんとに「音楽が先」な映画なのです。しかも「未来都市の建設の場面」の音楽はブリスの作曲のまま使われて、音楽に合わせて画面が構成されたのだそうです。原作者、相当のお気に入りのご様子。

この映画の音楽は公開時にレコード化されてイギリスで初、ミュージカル以外のものとしては世界初のサウンドトラックとなりました。(DVD解説より)

このDVDが日本で発売されたのは本当につい最近。ずっとビデオが欲しかったけど、レンタルで見かけただけでかなわず。DVDを見つけたときは
「まってました!」
という感じですぐ買いました。SFや特撮ものがお好きな方は是非是非おすすめ。とにかくこの年代で撮影技術のクォリティの高さやデザイン感覚の新しさは度肝を抜かれます。

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