2017年11月18日 (土曜日)

運慶展 東京国立博物館

Unkei4_2話題の美術展行脚。昨日の夜定時に無理やり上がって参戦。
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7時ちょっと前には博物館に着き、20分待ちだった。すでに人はたくさん並んでいたけど、まあまあすぐ入れた。前に母親と出かけた阿修羅展のときよりは全然まし。夜9時までやっててありがたい(係員の皆様残業ご苦労様です)。やっぱり上野の美術展は金曜の夜に限る。ちなみに通りすがりの「怖い絵展」は30分待ちだった。
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中学校の修学旅行で奈良に行ったとき、興福寺に行った記憶がある・・・というか多分行ったんだろう。初めて京都と奈良へ行ってずいぶんたくさんの仏像を見て、子供ながらにひどく感銘を受けたのを覚えている。で、美術の宿題でものすごい形相でカッと目を見開き口を開けて怒っている仏像の顔のアップを絵葉書を見ながら描いたもんだった。何の仏像か忘れたけど金剛力士の阿形だったかも。
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しかし。当時神童の域にあった私の画力をもってしてもどうしても怖くなく、可愛くなってしまう。母からも「うまいんだけど・・・なんかやっぱりちょっと可愛いんだよねえ」とか言われた。
興福寺で見た仏像で、その時は優しい顔をした仏様よりも、金剛力士像とか四天王とかのほうがかっこよくて好きだった。それは今も変わらない。とくに好きなのは鬼の形相はもちろんのこと、ジョジョ立ち?のようなポージング、隆々とした筋肉。それと本当は一番好きなところは、木を彫って作ってあるにもかかわらず、衣服や紐みたいなのが風をうけてふわっとなっているところだ。
 
今回の運慶展でつるつるした感じの仏像が多いなか、実は一番かっこよかったのは運慶のパパにあたる康慶の四天王だった。運慶の洗練された造形よりやや荒々しいタッチで、圧倒的な迫力で観衆の度肝を抜いていた。女の子たちもみんな口々に「パパの作品のほうがかっこよくね?」と言ってた。なんか棒の先にちっちゃいポットみたいなの持った坊さんたちが何人も座っているのもよかった。五百羅漢寺みたいだったけど。(目黒の五百羅漢寺、昔母と行った時に横尾忠則さんに出っくわしたことあり。)
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あと、印象的だったのは可愛らしい鹿が二頭箱すわりしている木造のまわりで、どっかのおっさんが「鹿のおっ〇いみーちゃったー。鹿のおっ〇いみーちゃったー」と展示物の周りをくるくる回りながら連呼してたことで、こんなカルチュラルな場所で、場末にいるような変態おじさんみたいな人がいることが非常に違和感があり興味深かった。あと、仏像の前で普通に拝んでる人いたけど、「ああ、普通はお寺にいる人たちだもんね」と今更気が付いたりとか。
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場内はもちろんコミコミだったけれど、まあ展示物が立体で後ろからも回って観られたのでそんなにぎゅうぎゅう詰め感もなく。いや、ほんと阿修羅んときは信じられないほどのぎゅうぎゅう状態だったからあれよりは。
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グッズは非常に充実していたが、ガチャガチャのピンバッジを買ったのみ。クリアファイルなど大いに売れていたが買ったあとで「どうして。」って思うことが多いので買わず。Tシャツがなかった。前に阿修羅Tシャツ買ってふつうに着てたけどなあ。全然運慶関係ないけど休日友人に会う約束なのでお土産にちっちゃい風神雷神のゴーフルを購入。あと山本山のお茶漬けセット(海苔を楽しむお茶漬け)も自分に購入。お茶漬け高いだけあって美味しかったです。
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(ピンバッジは写真よりかなりちっちゃいです)
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あと、今更なんだけど運慶ってずいぶん昔の人(1100年代)なんだなあとカタログ見ながら思った。偉大なるミケランジェロよりも300年も昔なのにこの造形。仏像だけでなく普通の人間のお坊さんの彫刻もすぐ動き出しそうなくらいリアル。こんな昔の木でできたものが残ってるのも(木造建築で火事多いのに)素晴らしい。ライティングもかっこよく、影さえも作品の一部のよう。とにかく写真で観るのと全然迫力違うから、あんまり日本の仏像興味ない人も観るとよいと思います。
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2017年11月11日 (土曜日)

怖い絵展 上野の森美術館

Dsc_0628昨日(普通のフライデー)。今月も早や残業が15時間超えたので、会社を一時間早く上がって参戦。ついでに友人にも会えないかなあとLINEしてみたら「私も怖い絵行きたい!でも混んでるよ」という返事。へー、そんなに人気なんだ。大丈夫かなとか思いつつ美術館に行ってみたら、まあ人で賑わってはいたものの、意外と「10分待ち」との表示だった。私の前に20人くらい並んでた。

そのように友人に伝えたら「えー。行く行く!!」とのこと。友人によると平日に有給取ったので見に行ったら60分待ちだったので心が折れて帰ってしまったらしい。

まあ、入場制限かかっていたけれど思ったよりすぐ入れた。会場は確かに混んでいたけれど、前に観たミュシャ展ほどでもなかった。なかなか進まなくてイライラすることもあったが、夜8時までやってたのでゆーーーっくり観られた。友人ともめでたく会場内で会って、楽しく鑑賞。

私は読んだことがないのだけど、中野京子さんの「怖い絵」の本で紹介された絵が(まあ、超有名どころはないが)見られる展覧会。展示されている絵はべつにスプラッタとかそういうのでもなく、「この絵は美しく見えるけど、実はこのような意味が・・・」みたいな絵が多い。まあ、見てすぐ「なんか怖い・・・」っていう絵もあるけど。

こういうコンセプトの展覧会であるから、ムンクやビアズレイ、ルドンやモローなど有名どころももちろんいるけれど、7割くらいはメジャー級でない画家の絵の展示である。絵の価値的には玉石混交である。でも、「こんな絵初めてみたわ~」とか「この画家知らんわ~」とか思いながら楽しく観た。

もちろん、中野京子さんの著作を読んでから行ったほうがよいとは思うけど、あまりよく知らないで行ってもまた新鮮な感じがあって楽しかった。本はいずれか買って読んでみよう。

印象的なのは、やはりポスターにもなっている「レディ・ジェーン・グレイの処刑」という絵である。ロンドンのナショナルギャラリー蔵ということなので、私も旅行でそこに行ったはずなんだけど・・・観た覚えがなく本物は昨日観たのが初めてである。中野さんの著作で一挙に有名絵画になった(たぶん)が、実は私はこの絵は前から知っている。昔、朝日新聞の日曜版で絵画をカラーで紹介するコーナーがあり、ある日この絵を一面に載せてたのをみたのである。

その時は衝撃を受けた。絵の内容を知ってもっと衝撃を受けた。こんな内容を絵画にするってのもなんか悪趣味だなあとかこの子かわいそうだなあとか思った。

イングランドの女王となったものの、たった9日間でその座を追われ、たったの16才で首切りの刑に処されたという悲劇の人ジェーン・グレイの処刑のシーンを(もちろん現場を見たわけじゃなくて想像で)描いたもの。ギロチンが発明される前の話である。

この絵、想像よりずっとでっかくてびっくりした。そして10分以上この絵の前でたたずんで観ていた。いやほんとうまい。内容はともあれ。処刑される女王の描写もうまい(目隠しをされているので首切り台を手探りで探しているところとか)し、彼女を支える司祭様の「本当はこんなことしたくないのに」感や斧を持って横で立ってる首切り役も「本当はこんな役いやだ」感も伝わるし。侍女二人の泣き声も聞こえてきそうである。

この絵だけでも展覧会行く価値はあったが、他にもいろいろ面白い絵はたくさんあった。解説を読みながらの鑑賞は、普段の展覧会とはまた違い本当に楽しかった(などと書いてしまうともっともっと混んでしまうので美術ファンには申し訳ない。これ書いている土曜の朝時点で120分待ちだという)。

おみやげ物は当然充実していた。大好きなビアズレイのサロメの(ヨカナンの首に接吻する有名なアレね)Tシャツは欲しかったけど、外に着ていく勇気もなかったので買わず。一筆箋とバンダナを購入。

この絵を久しぶりに展覧会で見て、リアル中二病の時にカラヤンのサロメ全曲盤をお年玉で買って、その解説書にビアズレイの絵があったのを思い出した。この挿絵がいたく気に入り、挿絵の全部入った文庫本まで買って読んだもんだ。懐かしいね。
 
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2017年11月 5日 (日曜日)

大手町は結構賑わってた(というどうでもいいブログ更新)

3連休はホントに3連休だった(休日出勤なし的な意味で)。「クラシカジャパン」が無料放送ってのとabemaTVでジャニーズ逃亡者の3人が生放送テレビをしていたので観たり観なかったりしてた。(・・・本物トランプさんの来日ニュースは今日は一秒も観なかったけど、カトルド・トランプの生中継は完璧に観た。)
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昨日(土曜日)は大手町で友人二人とランチ。前から行こう行こうと言ってた「やまみ」へ。前に別の友人とランチじゃない時間に行ったので(それでもお得)、今度はランチで。
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待ち合わせてた友人の一人は「イバンカのせいで道が混んでた。」と言って遅れた。「え、地下鉄関係なくね?」とか思ったのだけど、彼女はどうもどこかでバーゲンに行った帰りにわたしとランチをするというスケジュールだったらしく、無料送迎バスに乗ったらで渋滞に巻き込まれたという(それにしてもイバンカ関係あるのか?)。
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大手町もなぜかいつもの土曜より賑わっていた。今までの休日出勤などの経験から「土曜日の大手町は死の街」などと言っていたが3連休のおかげなのか。東京駅で昼食にあぶれた観光客が流れてきたのかな。そしてイバンカのお蔭で警官がたくさん。まあ、こんな厳戒態勢の日にわざわざ東京のド中心地で遊ぶほうが悪いのか。
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博多のやまや系列の天ぷらチェーン店の「やまみランチ」は前は1000円だったと思うが、やっぱり都心でこんな破格のお値段ではやっていけないのか1200円になり、食べ放題3種の中のイカの塩辛が食べ放題から抜けてた。あの塩辛美味しかったのになあ。でもまあ、それでもずいぶんお得。揚げたてあつあつの「かぼちゃ、ナス、アジ、豚、鶏、エビ、半熟卵」の天ぷらと、ご飯(おかわり自由)、お味噌汁が付き、明太子と高菜が食べ放題という、生活習慣病まっしぐらメニューである。明太子普段は買わないので、欲張って三つも食べてしまった・・・。
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ウィークデイはもちろん行列ができる人気店だが、土曜日は空いてる。まあ昨日は特別だったのかちょっとだけ待ったけど。ついでに言うと隣のお寿司屋(魚がし日本一)も土曜日はお得な感じでなんか気になったんで今度行ってみたい。土曜日の友人との会食は大手町おすすめ。
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「クラシカジャパン」は普段は加入してないので、無料放送は大歓迎だが、そん・・・なに熱狂的に観たい番組もなく(無料だからか)。それでも、アーノンクールの「ヨハネ受難曲」はちゃんと観た。テルツ少年合唱団が観れて嬉しかった。中に一生懸命首を振って歌っている子がいて、その子ばっかり注目してしまった。ソロを歌ってた子たちは今は大人になっててバッハコレギウムジャパンとかと共演したりしてる名歌手らしい。いずれも幼少は美少年で眼福であった。
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ボイトの「メフィストーフェレ」のヘンテコ演出のも観た(パペさんがメフィスト)。この曲はプロローグは素晴らしいが、ジョン・レノンとか9.11がスクリーンで映し出される演出。あんまりこういうの好みじゃないなあ。(あとのほうあまり見てない)
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クラシカジャパン、ケイト・リウちゃん推しすげえなあ、なんで?と調べたら、どうも来日するらしいと同時に(肩の故障で)来日中止になったらしい。まあ、ファイナルとマズルカしか観なかったけど。やっぱりマズルカは静謐な感じで素晴らしかったなあ。来日中止はがっかりしたファンも多いようだ。若いんだから無理しないでね。
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その後名前が覚え辛くて勝手に「おっ〇いおねえちゃん」と呼んでいるカティア・ブニアティシヴィリ嬢を鑑賞。外見も芸風も真逆な女流若手ピアニストを観られた。それにしてもすごい胸だ。セクシーすぎてごめんなさい。演奏はピアノ版ジネット・ヌヴーみたいな印象(ごめんなんか縁起悪い。)。

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2017年11月 3日 (金曜日)

おだしを離さないで

わたしの名前はnaoping。おでんをもう30分も煮ています。ずいぶん長く、と思われるでしょう。確かに。長いことは何の自慢にもなりません。大事なことは具に味を染み込ませることです。おでんなんか粉末の「おでんの素」やおでん種セットに付属しているおでんスープで十分とかいう人もいるかもしれません。しかし、考えてもみて下さい、おでんのだしに拘るだけで、おでんの美味しさは何倍にもなります。
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naoping、あいつはいいさ。おでんのだしを選べるんだから、と言われるかもしれません。でも、おでんのだしを選べるようになったのはほんの最近です。わたしだって、最初は他の人同様、スーパーで売ってる「おでんの素」や付属スープを使用していました。でも、おでんのだしは自分で選べるのがほんとうではないでしょうか。おでんは機械ではありません。せいいっぱいを尽くそうとして、かつおぶしのだしを取ってキッチンペーパーで濾したり、煮干しの頭や内臓を取ったりいちいちしていたら、最後は疲れ果ててしまいます。忍耐とエネルギーには限りがあります。
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先日、日本橋に行って「茅乃舎のだし」と「海生堂のおでん昆布」を買ってきました。これでいつものおでんが、何倍も美味しくなります。値段はそこそこ張りますが、美味しさには代えられません。そのかわり、おでん種はうんと安く、いつもの「業務スーパー」のものにしました。「茅乃舎のだし」は紙パックにかつおぶしや焼きあご、こんぶなどが粉末になって入っており、これを煮出すだけでそれは美味しいだし汁がとれるものです。しかもこのだしパックは1回目の提供で終わりではなく、2回目の提供が可能です。だしを取ったあとのだしがらを取っておいて袋から中身を出し、ちぎった海苔やじゃこ、いりごまなどと一緒にフライパンで乾煎りし、醤油などで調味すればそれは美味しいふりかけになります。これは市販のふりかけとは比べ物にならないほど美味しいものです。
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話がそれました。わたしは普段おでんにはこんぶを入れたりしないのですが(おでん種に最初からこんぶが組み込まれていれば話は別ですが)、日本橋のこんぶ屋「奥井海生堂」にふと入ってみたところ、最初からリボン結びになった乾燥こんぶ「おでん結び昆布」なる商品を発見しましてすかさず購入しました。これはこんぶを結ぶ手間もなく、おでんに投入するだけで、だしも取れ結びこんぶも美味しく頂けるという優れものです。トミーやルースにも教えてあげたいです・・・二人を失った今ではそれはかなわないことですが。
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この二つを使うだけでいつものおでんが何倍も美味しくなること請け合いです。ただ、もう一つ皆様にお伝えしたいのは、おでんをさらに美味しくするコツとしまして、一度おでんを一通り煮込んだあと、一度火を止めて時間を置いて冷ましましょう。そして食べる直前にもう一度火をつけ、また煮るのです。そうすることによって味の染みにくい大根や玉子にもおだしの味がじっくりと染みます・・・おだしの味を離さないで。
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2017113_0624_2.
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(元ネタを読んでないと全くわからない記事ですいません。)

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2017年10月28日 (土曜日)

読書嫌いが読むカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

最近。
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夜中に毎日(再)放送しているTBSドラマ「わたしを離さないで」にめっちゃはまっている。何回もこのブログに書いているがウチは全録画テレビなので、放送に気が付いた時はもう何話も過ぎていたにも関わらず、さかのぼって一話から視聴することができた。そんで・・・この文章を書いている時点ではまだ最終回まで観てないんだけど。
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原作読んでみようかなあ・・・というゆるい欲求が湧いてきたので大手町のくま書で買ってみた。さすがノーベル賞取ったばかりの作家の作品で、普段音楽雑誌と付録付き女性誌しか用がない私でも探し回ることなくすぐ手に取ることができた。
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びっくりするかもしれないが、私が文庫本を手に取るのは本当に久しぶりである。音楽関係(と、漫画)以外の本を読むのは久しぶりである。「文庫本ってこんな大きさだったっけ」とかわけのわからんことを考えながら(値段、結構高いんだなとも思った)、購入。基本的にアホなので、さほど厚い本ではないが読破できるか心配だった。
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ところでテレビのドラマのほうであるが。大変暗い、重い内容である。しかしよく考えてみるとこういった傾向のドラマが私は前から好きなんだなと気が付いた。「永遠の仔」とか「白夜行」とか「明日ママがいない」とか。どれも明るく笑って見られるような内容ではない。共通点として大体子役が出てくるし、過酷な運命を背負った子供の成長の話が多い気がする。

(そういえば、先週だかにフジテレビで放送された「北九州監禁殺人事件」の犯人夫婦の息子のインタビューもちゃんと見た。あれはドラマと違って現実の話だけに更に重いものだったけど、今は普通の精神状態を取り戻し、結婚もして幸せになっているようでよかった。)
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というわけだが(←何が)。
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こんなに読書の苦手な私がなんと一日ちょいで読んでしまった。だけど、けっして読みやすかったわけではない。ドラマを見てたので頭の中で補足して読めたからかも。ドラマのほうがわかりやすいし、そもそも・・・ドラマは出演者が綾瀬はるかちゃんと水川あさみちゃんと三浦春馬くんとかなんで、メンバーからして圧倒的にラブストーリー要素が強い。そして・・・イギリスを舞台にした原作に比べて、日本らしく色々とウェットである。
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おまけにドラマには、原作にはない「クローン人間に基本的人権を!!」みたいな運動をする団体みたいなのが出てくるもんで(この運動をしている女の子がなぜかフランス人ハーフの女優さんで、めっちゃ美人。好き)、ドラマを観ることなく原作読んだ場合おそらく湧いてくる「なんでこの子たちはこの運命に抗うことなく静かに受け入れるのだろうか?」という疑問も解決できる。
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というように、非常に分かりやすくテレビドラマはできている。水川あさみちゃんが主人公の親友(原作でルースに当たる)役なのだが本当にムカつく役回りである(女ジャイアン?)。原作とは全然違う。最後の「提供」に向かう場面ではかなり凄い(内臓摘出手術に抗う)演技が見られる。涙なくして見られない。
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そういえば、本日「ふふふふーん」でこれのイギリス映画版を放送したみたいなんだけど、ウチ「ふふふふーん」に入ってないので観れないの。観たかったなあ。すいません、そのふふふふーんって何なの。
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TBSのドラマのほうは、本放送ではかなり視聴率が悪かったそうだが(いや、そりゃそうだわ。週末に観るのはしんどい)、残酷な内容ながら映像は美しく静謐な音楽が素晴らしい。全編に流れる「Never Let Me Go」の歌もいい。子役もうまい。しかし・・・何度も観たいとは思わない。SFとは言え、本当に辛い内容である。実際、わたしはテレビのグルメ番組で「この鶏はストレスのかからない自然に近い環境で育てています」とかいうのを観るのもしんどくなるくらいだった。人間が家畜として育てられる話だもんね。
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(ところで、このドラマの名前を略すと「わた離」となり、ノーベル賞作家から突然橋田寿賀子っぽくなっちゃうのでやめたほうがいい。)
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挿入曲「Never Let Me Go」
https://youtu.be/LUNWm_RyGyA
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今日、久しぶりに隣町の魚屋さんに行ってみたら、なんと・・・更地になっていた。このブログで数々のヘンテコ魚料理記事を書いていた、あの「歩いて行ける築地」と勝手に私が呼んでた大好きな魚屋さんである。本当にショックだった。これから新鮮なお魚(もしくはくじらのお刺身)を手に入れるのはどうしたらいいのだろう。

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2017年10月22日 (日曜日)

オットー・ネーベル展 Bunkamura

Dsc_0622_2友人が会社でタダ券貰ったので、昨日雨の中出かけてきた。土曜の渋谷、もしかして街はさほど混んでないのでは・・・と希望的観測をしていたが、まったくそんなことはなく。
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傘をさしている分だけ、余計混んでいる感。駅から東急本店までなかなかたどり着けず。友人はもっと酷くて地下鉄の駅から地上に出るのに時間がかかり、遅刻。
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まあ、展覧会は大変空いていて快適ではあった。そもそもあんまり有名じゃない画家だからかもしんね。シアターコクーンは大盛況で(まあ、人気役者さんがたくさん出る舞台だったもんでね)、ずいぶん違うなと思った。
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オットー・ネーベルという人は私もあんまり知らない。タダ券回ってこなかったら行かなかったと思う。バウハウス関係の人だというふんわりとした前知識以外あんまりよくわからないで出かけた。
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バウハウスの人・・・というよりは奥さんがバウハウスのアーティストの一人の助手だったから、自然にカンディンスキーやクレーのお友達になった、という感じかな。そもそもは俳優志望で(若いころの写真はなるほどイケメンである)、演劇の学校にも行ってたらしい。それで、さあ初舞台、という時に戦争がはじまり、絵を描き始めたと思ったらナチスの迫害(バウハウスは総統閣下のお気に召さなかったので)に遭い、スイスのベルンに夫婦ともども亡命。経済的に苦しかったので、ベルンの劇場で舞台俳優として舞台に立ったりしたらしい。
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絵の作風としては・・・印刷やネットで見る限りクレーに似た感じの抽象画なのかなあという印象を受けるが、本物を見るとちっとも似てない。というのは画面は大変に厚塗りでテカテカしており堅牢である。そして目を近づけてみると小さな点や細い線が見えてくる。印刷では一切出ないと思う。細かく見るとまるで子供のころに見た色覚検査表のようである。
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絵よりは人となりとか人生とかに興味が湧いた。すごく几帳面な人のようで大変細かい奇麗な字を書き、自分の作品はすべてカタログ化していたし、グラフィックデザイナーのごとく色見本帳みたいなのを作ったりしてた。
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現実に周りに居たら、私とは気が合わなそうなタイプの芸術家だ。
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他には、バウハウスの展示がはじめの方にあり(見たことあるような感じだったけど、バウハウス好きの私は歓喜)、シャガールの有名な絵が何点か(「え。この絵日本にあんの」ってちょっとびっくり)、あとお友達のクレーとカンディンスキーの絵が結構。このヘンに興味のある方は行かれた方がいいかと。あと、グッズがなかなか可愛かった。Tシャツないのが残念。可愛いのが作れただろうになあ。紅茶が美味しそうだったので買った(絵、関係ないし)。
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展覧会後、「せんべろ」系な酒場に行ったが、結構飲み食いしたのにお会計が二人で4千円いかないのにはびっくり。しかしあまり酔ってなかったようで、安いぶんアルコール分が低いのかもしれん。
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安かった分、塔に行って「2せんべろ」のカイルベルトリング(53年)を買ってしまった。実は10月より激烈に保険料が上がり(4~6月に残業しすぎて算定で上がった)、給料が激減したので節約しなきゃと思ったのに。クラウス盤があれば十分なのに、あたしのバカ~~~。

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台風がひどくならないうちに選挙投票に出かけてきたが、いつもならポストに入っている政党や立候補者の一覧みたいなやつが今回なくて、しかも政見放送なんか観る暇なかったから、しょうがないからYouTubeで見て決めた。

「間違っても政党書く欄に『支持なし』とか書かないようにしなきゃ」と肝に銘じて行ってきた。昔昔、舞台だか映画だかの看板に「エノケソ」って書いてあってエノケンかと思って間違って入ったら違う人出てた、みたいなことを聞いたことあるけどアレと変わらないよね、「支持政党なし」って政党。

 

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2017年10月15日 (日曜日)

飯守さんの「神々の黄昏」 新国立劇場

201710142_2ワーグナー:「ニーベルングの指環」第3夜
楽劇「神々の黄昏」(序幕と全3幕)

指揮:飯守 泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
演出補:アンナ・ケロ
美術・衣装:ゴットフリート・ピルツ
照明:キンモ・ルスケラ
舞台監督:村田 健輔
合唱指揮:三澤 洋史
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村 武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤 赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田 のり子
ヴェルグンデ:加納 悦子
フロスヒルデ:田村 由貴絵
第1のノルン:竹本 節子
第2のノルン:池田 香織
第3のノルン:橋爪 ゆか
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団
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申し訳ない。
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ずっと書いてきたが、この4月よりずっと多忙で。体が休まってない。やっとカミタソ行ってきたんだけど、まともな体調でない。今月も早や残業は30時間(←え)。前の日は10時まで働き、当日は朝8時半から出勤。昼まで給与計算業務をして半休取ってオペラパレスへ。土曜出勤の日だったもんで。でも、有給はごっちゃり余ってる。バイロイト3回くらい行けそう。金はないけど。
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休み時間もトイレ以外は席で死んでた。楽しみにしていたハヤシライスを食べに行く気力なく。当然第3幕ではお腹が空いてしまった。
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あまりに体がだるいのでオペラを見ている間も何だか後ろから歩いてくる黒い物体が見えたりして(通路でなく、わたしのすぐ横を)、結構ヤバイ感じがした。劇場って出るっていうし。見えないものが、見えないものが、見えないものが見えてくる(From アッシジ)。
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お前の体調なんかどーでもいい。はよ感想を書けと。ああそうかい。
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今回は「プログラム付きお座布団貸与付きS席」で。なんかお得な感じでしょ。お座布団は紺色で3センチくらいの厚さ(かな?)。わたしは腰痛持ちでもなく(版画してた頃はひどく悩まされていたが)、オペラパレスの座席もそんなに座り心地が悪いわけでもないのでタダじゃなきゃ借りないんだけど、座ってみるとちょっと座高が高くなる感じでこれはこれでいいかも。背が低いもんでね。
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席は前から11番目。前の席のお客さんがいつも気になるのだが(座高が高い人、アフロヘアの人などは非常にこまる)、今回は小柄なアジア系外人カッポーだったので全然気にならず。Youは何しに日本へ。
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逆に(こんなこと書いていいのかわからんけど)となりに座ってた知らない会社員風の男性が上演中かなり寝ており、起きているときも終始タメイキをつかれるので結構気になってしまった。このオペラ一番の聴きどころのハーゲンのまんねんの人たちの合唱が始まっても寝ていたのでエルボーで叩き起こそうかと思った(チミチミ、ここを見逃しちゃあかんやろ)。事件になるのでやんなかったけど。
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さて。私のリング歴はそこそこ長いが、コンプリートしたのは実は今回が初めてかも。トーキョー・リングも、準君のときとダン君の時を合算してコンプリートなくらい。何だかいつも一個抜けている。
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遠ーーーい昔に観たゲッツ・フリードリッヒの「神々の黄昏」も断片的にしか覚えてないんだけど。その時は「遠いようろっぱではこんな革新的なものをやっているのか。」と思ったものが、今見ると(一緒ではないけど同じ人が演出しているのでやはりかなり似ている)、ずいぶん古いなあという印象。パトリス・シェローのリングだって、当時はとんでもなく革新的で聴衆が受け入れられなかったものだが、今みると古典だしね。
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印象的だった舞台上に並ぶ巨大レンズもまた登場。あの後ろに歌手が立つと映画のクローズアップみたいな印象を観客に与える。演出家お気に入りの手法か。
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あと、薄い記憶であるが第3幕でジークフリートが3人のラインの乙女たちに何か四角い板のようなものを川にぶん投げてたシーンがあって、「なんか意味あんのかな。大人になったらわかるのかしらん」とかその時は思ったが、昨日ほぼ同じことがあったけどわかんないかった。板は三角だったけど。
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ええっと、順を追うと。プロローグ。端役は日本を代表する女性歌手で固めており。主役歌うような池田香織さんもノルンの一人。オカッパのウィッグでみんな同じように見える・・・って体形でわかるか。
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今回はペトラ・ラングのブリュンヒルデ。飯守さんリングは全部ブリュンヒルデは違う人だったのかな。どの人も・・・どうかな、テオリンがやっぱり一番好きかな。ラングはバイロイトおなじみな歌手だけど、あんまり好きな声ではない。しかも最初の方は声をセーブしているのかいまいち。仕方ないのか。
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グールドはいつものグールド。服装も変わらず。布がいっぱいいりそう。
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ギービッヒ家。ハーゲン役のペーゼンドルファーは「今日ちょっと調子悪いけど歌います」的なアナウンスが前回公演であったようで心配してたんだけど、この日は何もなく。治ったみたい。いつも通り見事。
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グンター役のケレミチェフは新国の「死の都」の時にフリッツ歌ってた人やで。死の都では二役で第2幕のピエロのあの有名なアリアも歌ったけど、真面目な歌唱をする人のようで「この人は(うーん)・・・ピエロ役より実直なグンターみたいな役のほうがぴったり」とか思ったので、ホントにぴったり。外見も、素敵なグートルーネ(安藤さん、美しい)とぴったりなスマートさ。怪しい関係にある兄妹がハーゲンの提案に喜んで、二人で手を取り合ってベッドの上でぴょんぴょんはねるシーンは可愛かったなあ。
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色々すっとんでワルトラウト・マイアーのヴァルトラウテ。相変わらずお奇麗である。芸歴長いからずいぶんいろいろな役を観させていただいたけど、ヴァルトラウテは初めて観るのかな。ジークリンデ、クンドリー、マリー(オランダ人じゃなくてヴォツェックのほうね)、イゾルデ。どの役も歌手のお手本になるような見事な歌いぶりだった。歌手というより舞台女優という感じ。普通のオペラ歌手のような「歌手だけどたまたまこの役やってる」感は皆無。もうその役の人にしか見えない(ロンドンでみたベーレンスもそんな感じだったなあ)。
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第2幕。アルベリヒ役の島村さんはリアルにアルベリヒにしか見えない。大体、西洋人がアルベリヒとかミーメとかを演じるとでっかい人が多いから「どこが小人族なの」と思うけど、島村さんはちゃんとアルベリヒに見える。片手が「フック船長」になってるのは「ラインの黄金」でヴォータンに指切られたからかな?
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ハーゲンがまんねんの皆さん(合唱団)を呼び出す。長いトランペットを持った奏者に人々が舞台の横のバルコニーに登場。効果満点である。合唱団も(今回は新国立合唱団じゃ人数足りなかったのか二期会その他からもお助け)いつもながら素晴らしい。ハーゲンがでっかいのでなんか合唱団が小人族のよう。ハーゲンは槍を股に挟んでまさかの下ネタ。2回もやる。演出だけど合唱団はもっと大暴れしてもいいのにな。
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ここにきてブリュンヒルデの怒り爆発。ここがこの役の真骨頂でしょ。ラングってなんか遠目に見て奈良美智さんの書くイラストみたいな感じだなと思った、オデコで。
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あまり関係ないけど、合唱団の女性の方々の正装の衣装がみんな違ってて、みんな素敵だった。オートクチュールかな、もっとよく見たいなと思ってオペラグラスで観てたんだけど出る時間短くてね。残念。
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第3幕。「ラインの黄金」と同様にながっぽそい青い蛍光灯みたいなのが前後しててライン川のお水を表す。3人の乙女結構衣装がせくしいで大胆。わたしがファンであるあの知的な加納悦子様があんなカッコで・・・ちょっと違和感。声楽的には(ノルンもだけど)この3人は見事。演技しながら大変そう。すっころんだりしたのは演出なのかしらん。
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いやまあ、今さらだけど、ホント不本意だわジークフリート殺されるの。なんだろうアレ。こないだの高速道路の事件思い出して(全然関係ねえのに)ムカムカした。見事な「葬送行進曲」を聴きながら、本当に悲しくなった。幸せだったころの「ジークフリート」でのジークフリートとブリュンヒルデを思い出して懐かしくなった。それと同時に・・・「ああ、もうこのリング観るの最後なんだあ」と思ってそれも悲しくなった。
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最後はブリュンヒルデの自己犠牲。ここでまたラングが本領発揮。あんまり声楽的には好きではないんだけど、とにかくド迫力で素晴らしい。さすがに歌いなれてる感。雷的な効果音が鳴り響き、大迫力。ドリフ的にセットがドタバタ倒れたりして「なんか・・・すごいもの見てるなあわたし。来てよかった。」とか今更思った。視覚的にも演奏も凄すぎて涙が出た。最後にいつも泣いてしまうんだけど何だろう。
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しかし、最後の最後でかぶったシーツの中からブリュンヒルデが引田天功ばりに「ハイッ」とばかり登場したので出てた涙もひっこんでしまった。ナニコレ。「ブリュンヒルデは生きていた!<完>」 でもちょっとターミネーターのサラ・コナーみたいでかっこいいなと思った。
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最後の拍手は舞台の幕が降りるまで待って待って待って・・・拍手が巻き起こった。たまにこういう観客の時に当たると大変ありがたい。まあ開演前に奇声を発する人もいたにはいたけど(何て言ってたのかわかんない)、鑑賞には影響はなかった。
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やはり一番拍手が多かったのは(第一幕の終わりでだけど)マイヤーさんだった気が。でも他の歌手もかなりブラボーが多かった。まあ若干飯守さんにもブーがあった気はするけど大体反応は良かった。それにしても(今更思うけど)日本人はなんでこんなにリング好きなのかしら。こんな長いものをよく耐えるよねえ。わたしもこんなに疲れているのにちゃんと全部観たし。
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その他、気づいた点。
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・ジークフリートのホルンの人が毎回のように外すのでなんか気の毒になった。終演後トイレで男泣きしてないか心配になった(そもそも男性なのか知らないけど)。
・新国立に初登場の読響は大健闘。ワーグナー得意だよね。
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・「指環」は指環というよりはメリケンサックみたいでアレで殴られたら出血しそう。
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・となりに座ってたカッポー(日本人)が、開演前の注意アナウンスを聞きながら「なんで日本語と英語だけなの。中国人とかも来てるんだから中国語とか韓国語とかでもすればいいのに」と言ってたけど、なんか想像するとぶち壊し感が。雰囲気を楽しもうよ。
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・正直に書かせていただくと。今年聴いたもう一つのカミタソの、ハルサイ助っ人ブリュンヒルデのレベッカ・ティームが良かったなあ。もう一度聴きたい。あたし好み。
しかし、日本に居ながら年内に2回も、違うプロダクションのカミタソが見聞きできるなど、すごい時代になったものだ。
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201710141
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