2021年4月18日 (日曜日)

あやしい絵展/国立近代美術館

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昨日の土曜日に鑑賞。15:30にネット予約したが、結構混んでいた。まあ、ぎゅうぎゅうってほどでもなかったけど。休日にしては丁度いい感じかな。

前に開催されて大ヒットした「怖い絵展」の続編的な感じか、または「うらめしや~、冥途のみやげ展」の系譜を継ぐのかな。こういうちょっとオカルトホラー系の展覧会が好きな人にとってはたまらない。

こういう企画展にはありがちなのだが、私のように美術史を一通り勉強したり、足しげく展覧会に通ってる者でも、日本美術史ではあまり知られていない人は結構いるもので、知らない画家の作品が沢山展示されていた。絵はまあ、うまいっちゃうまいんだけど、「この絵、買っておうちに飾るか?」って言われるといやあ・・・絶対いらないし、もし仕事から家に帰ってこの絵が出迎えてくれてもなんか・・・毎日ビビりまくるなあ、っていう画家さんの絵がちらほら。

特に印象に残ったのは、この展覧会のチラシや入場券になっている絵の甲斐庄楠音という画家の絵の数々で・・・美人画とは程遠い女性の肖像画である。何を思って描いたんだろう、気になる。「幻覚(踊る女)」など、こんな人が目の前に現れたら怖いなって思う。ある意味ダークウェブ的な。

あと、女流画家の梶原緋佐子という人の絵も印象に残った。いかにも「市井の女」をリアルに描いた絵の数々。「唄へる女」など、ちっとも奇麗でないけど、リアル大正時代の一般の女はこんな感じだったのかな。

しかしながら、こんないかにも不気味な絵ばっかりというわけでもなく、普通にみんなの大好きなミュシャのサラ・ベルナール・シリーズのポスターとか、(私が)ロンドンで沢山見た「ファム・ファタル(宿命の女)」な一連のロセッティやバーン・ジョーンスなんかの展示もあるし、更にこういった企画物ではレギュラー・メンバーのオーブリー・ビアズリーの「サロメ」の挿絵や、それに影響を受けた数々の日本の挿絵画家の絵も見ることができる。いや、何てビアズリーの影響は大きいことか。「パタリロ!」の魔夜峰央さんだってビアズリーの影響を多分に受けていると思うし。

色々と興味深いテーマに溢れていて、「怖い絵展」を楽しまれた方はきっと楽しく見られると思う。まあ、一番人気のあった部屋は普通に高畠華宵の美少女絵だったりするわけだけど・・・やっぱり弥生美術館の絵はいいよね。

こういう企画では、グッズの充実も楽しみではあるわけだが・・・最近ワーグナーの券取りすぎてお金が・・・ないんで何にも買わず。一緒に行った友人は、普通に近代美術館のミュージアム・ショップの古賀春江の「海」をデザインしたボールペンを購入。私も欲しかったんだけど、会社で出向の際にステッドラーの素敵なボールペンを貰ったばかりなので、買わず。古賀春江マグカップもちょっと心が動いたけど。色々他では買えないようなグッズに溢れてて魅惑的だった。

友人と久しぶりに会ったので、コロナに気を付けながら駅のレストラン街で食事。外人さんがやってるエスニック料理屋で「ビール1杯だけね」って言いながら3杯くらい飲んじゃうけど、ボトルワイン空けないだけちょっとは遠慮してるんですよ、私ら。

こういった怖い系の展覧会や、博物館に行くと結構持って帰ってしまいがちなので心配したのだけど、家でお布団で「さあ寝よう」とした時に背中をドンと押されたくらいであとはそんなに大したことはなかった。いつも恐ろしい頭痛に悩まされたりするんでね。

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まったく関係ないのだが。うちの録画機が勝手に録画してた「バチカンよりニッポンへ 祈りのレクイエム」という震災の復興支援コンサートの番組を見たら、薮田翔一さんという作曲家の「祈りの灯火」などという曲を演奏してて、「こりゃまた例の『HIROSHIMA』みたいなアレかな?」って思ったけど聴いたら結構いい曲だなって思って、何回も聴いている。とても静謐で聴きやすい。でもマーラーでもないしバーバーでもグレツキでもないし・・・って感じ。

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2021年4月17日 (土曜日)

〜エルガー夫妻に捧ぐ〜 スペシャルコンサート

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・エルガー:弦楽セレナーデ ホ短調(弦楽四重奏曲版:Graham Bastable)
・2つの小品より「夜の歌」「朝の歌」
・序曲「南国にて(アラッショ)」からカント・ポポラーレ
・ソスピリ
・エニグマ変奏曲より第1変奏"C.A.E"、第9変奏"Nimrod"、第14変奏"E.D.U"
・ピアノ五重奏曲イ短調

アンコール:「愛の挨拶」メドレー(大久保勇也編曲)

杉原蓮子、井川知海(ヴァイオリン)
大久保勇也(ヴィオラ)
杉原正恵(チェロ)
村上恵三子(ピアノ)

水越健一(ご案内)
主催:日本エルガー協会
後援:英国エルガー協会
(2021年4月11日 ミューザ川崎音楽工房市民交流室)

日本のエルガー研究の権威、日本エルガー協会の会長より直々にご案内が来たので行ってきた。話によると本当は昨年行われるはずだったが、コロナ禍で延期に。エルガーの愛妻キャロライン・アリス・エルガー(1848~1920)の没後100年を記念して開かれるものだったそう。

まあ、エルガーの作品の室内楽中心のプログラムとしては妥当な感じかなあとは思うものの、いややっぱり一般的にはかなりマニアックな選曲なのかな。とくに、日本では演奏したのを何かで見たことがないピアノ五重奏曲の演奏はかなり珍しいかと。正直言うとこの曲をするので聴きに行ったと言ってもいい。

過去このブログで書いたのだけど、一時期ポーランドのネットラジオを聴くことにハマっており(今もたまに聴くけど)、それでたまたま海外のコンサートを放送する番組でこの曲のライブ収録が放送されたときに、初めて聴いたのだった。私も大変いい曲だと思ったんだけど、その時の聴衆の反応が大変素晴らしくて今も印象に残っている。

演奏は・・・印象に残ったのはヴァイオリンの井川知海さんという方で、全く初めて演奏を聴かせて頂いたのだけどピアノ伴奏のソロ曲「朝の歌」で大変輝かしい、明るい音色でとてもいいな、好きな弾き方だなって思ったんだけど、プロフィールを見たらどうもポーランドに留学・ショパン音楽大学でアンジェイ・クルカ先生に学んだそう。「あ、そうだそうだ、クルカ先生だ!」って思った。あとはもう、彼に大注目で。

メイン・プログラムのピアノ五重奏曲では、全然違う作曲家なのにクルカが弾いたザレンプスキのピアノ五重奏曲のCDを聴いているような気になった。きびきびとした弾きぶり、素敵な音、ファンになった。そういえばクルカ先生が弾くとどんなにマイナーな曲でも5割増しにいい曲に聴こえるんだよね(いや、ザレンプスキもエルガーも大名曲ですよ!)

エルガーのクインテットはもっと弾かれてもいいし、聴かれてもいいかと思う曲だし(室内楽曲にしてはちょっと長いかな)。YouTubeにも沢山上がっているけど、ここはハリエット・コーエンの古い録音をリンク。エルガー監修の録音とのこと。

Elgar Piano Quintet -- Harriet Cohen/Stratton Quartet (complete)

会場は初めて入ったミューザの会議室みたいな感じのところで、一番後ろに座ったけど、室内楽でもやはりちょっと近すぎた感で、最初少し耳が慣れず。だんだん慣れてきた。観客は40人くらい?でほとんど出演者の生徒さんとか知り合いのようだった。まあ、私も主催者の知り合いだからおんなじようなものか。(主催者の知り合いはずいぶん新国立のダブルビルに行ってしまったそうで。私も実は「イオランタ」は見たかったのだが、ちょっとワーグナーにお金を使い過ぎて自粛。あと、何年か前に聴いたプレトニョフの大名演が薄れてしまうのもさみしかったので)

アンコールとして用意されていたのは、ヴィオラ担当の大久保さんが編曲された「愛の挨拶」を中心としたエルガー・メドレー。何でもエルガー夫人の死去・葬儀の日々をつづった編曲ということでかなり凝ったものだった。

この日のコンサートは(主催者から)エルガー夫妻に捧げられたもので、演奏者の真正面に夫妻の席が備えられていた。最後にお二人のためにそれぞれ花束を贈呈。コロナ禍でイギリスからの来日は大変だったろうか。それとも、幽霊さんは関係ないのかな。ひょいっと来れるのかな。いいな。またイギリス行きたいな。




帰宅してからクルカ先生のCDを聴きまくったけど、エルガー関係なくてすいません。

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コンサート後すぐに感想アップする予定が、この一週間部署異動で業務が突然忙しくなり毎晩帰宅は10時~11時。遅くなってすいません&あんまり大したこと書けずすいません。

(以下、どーでもいい話)
イギリスと言えば。先日YouTubeを見漁ってたら、「ロンドンで一番美味しいフィッシュアンドチップスのお店に行ってきた」っていうイギリス留学生の動画があったんで見た。それはずいぶん立派なレストランだったんだけど、私がかなーり前にロンドンの友人に「大体のイギリス料理は不味いけど、ここのは美味しいよ」って、外人(イギリス人じゃないって意味)がやってるロンドン中心から離れたちっちゃなテイクアウトの店に連れて行ってもらったんだけど(店の名は忘れた)、なんか店のキャラクターが「オバケのQ太郎を魚にした感じ」で不気味可愛くて、入ってた袋を日本に持って帰ってきたくらい気に入ってた。それがまあ、上がってた動画のお店が同じキャラクターだったので、もしかして評判を呼んで繁盛して大きくなったのかしらん。お魚でっかくて美味しかったなあ。また食べたい。

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2021年3月27日 (土曜日)

ジモティ花見 2021年

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昨日の早朝、目黒川の桜を見てきた。気が付いたらポイ活アプリの「トリマ」の歩数制限が大幅にUPしてたので、最大15000歩まで設定してたくさん歩いた。中目黒まで歩いてぐるっと家まで遠回り。お蔭で15000歩超えたぜ。

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今年は(去年もかな?)川べりに飾られる赤い提灯もなく。「宴会は禁止です」やら「ブルーシートは撤去します」やら何だか悲しいプレートが沢山貼ってあった。でも、春休みのせいかまあまあ人はいた。昼間になったらもっと混むのかなあ。

桜自体は毎年変わらないので写真はさほど撮らず。

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春なので、というか実は4月より勤務先が変わり、千葉の地方都市から東京ドまんなか勤務になるので長かった髪をミディアムボブまでバッサリ切った。というか、初顔合わせのリモート会議で自分の頭をパソコンで見てあまりにボサボサで「こりゃいかんな」って思ったもんで。


部署が変わるお蔭で今まで1時間半かかってた通勤時間が30分になる。しかし、遠距離通勤ほどたくさんトリマのマイルが貯まるので(お蔭でお米やお酒などの購入に充ててた)、4月からあまり貯まらなくなる。歩くしかないのか~

コロナ禍のせいで長く勤めた今の部署では壮行会などはなく。福利厚生費がたくさん余ってたので鰻をとって会社で食べる予定。鰻は好きだけど、なんか悲しい。それに今はなんか業務がそこそこヒマなので、新部署はトンでもなく忙しいと脅されておりそれも憂鬱・・・。

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そういえば先日行った新国立「ワルキューレ」の、最終日を振られた城谷さんの指揮は大変素晴らしかった、との情報がありとても喜ばしいことだと思った。いつか別の機会にワーグナーを振ることがあれば、是非出かけてみたい。ただ・・・一部Twitterで「音楽監督より圧倒的勝利」とか「全部城谷さんが振ればよかったのに」とかの心無い意見もちらほら見られた。そんなこと・・・思っててもネットでも書かないでほしいな。大野さんだって・・・それはそれは大変だったんだもの(と思う)。こういう思いやりのないこと書く人とはお友達にはなれないな(っていうか、そもそもワグネリアンの友人は何故かいないんだけど)。ワーグナー好きはこんな人ばっかりと思われるの辛い。個人的には、ジークムントは第1幕歌った村上さんもよかったと思ったし。

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2021年3月21日 (日曜日)

新国立劇場「ワルキューレ」(2021)

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楽劇「ニーベルングの指環」第1日
『ワルキューレ』/リヒャルト・ワーグナー(アッバス版)
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
(3月20日 オペラパレス)

ジークムント(第1幕)村上敏明
ジークムント(第2幕)秋谷直之
フンディング:長谷川顯
ヴォータン:ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
ジークリンデ:小林厚子
ブリュンヒルデ:池田香織
フリッカ:藤村実穂子
ゲルヒルデ:佐藤路子
オルトリンデ:増田のり子
ヴァルトラウテ:増田弥生
シュヴェルトライテ:中島郁子
ヘルムヴィーゲ:平井香織
ジークルーネ:小泉詠子
グリムゲルデ:金子美香
ロスヴァイセ:田村由貴絵

大野和士指揮/東京交響楽団
ゲッツ・フリードリッヒ演出

大野指揮の最終日に行ってきた。全体の最終日は城谷正博さんという人(ワーグナーのスペシャリストらしく、この日もプロンプターをされていた)で、大野さんを別に選んだわけではない。そもそも飯守さんが振るはずだったので券を取り、そのあと新国立のサイトを見て、指揮者変更を知った次第。

あー だって、休日の行ける日がこの日で、S席が一個しか残ってなかったんだもん。しょうがないよねえ。だもんで、たまたま誰かキャンセルしたと思しき1階席のまあまあ良席をゲット。

ところで(話はそれるので、いらん人は飛ばして)。

いつもTwitterで鑑賞の前でも後でも感想を検索するけれど、「ワルキューレ」とだけ入れても(今回とくに)なかなか該当の感想にたどり着かず。まあいつもの・・・アニメかマンガかゲームの関係でしょ、って思ったけど、今回は「何がこんなにワルキューレ?」と疑問に思いチェック。何でも、「終末のワルキューレ」というマンガがアニメ化されるってのと、アニメ「マクロスΔ(デルタ)」に登場する少女戦士のグループ「ワルキューレ」がオンラインライブのようなことをやってたらしい。

「終末のワルキューレ」はマンガの第1巻だけ読んだ(無料だったので)。ざっくりとした筋書は、「世界のかみさま」が大集合して人類の終末を決めるが、そこへ元神様で今は人間の(マンガでは半神半人のようだが)ブリュンヒルデが登場し、「一番強い神様と一番強い人類を何人か選んで、戦わせればよくね?」的な意見を述べ、順々に戦わせるっていうバトル漫画だな、たぶん。ヴォータン(オーディン)も出てくる。

「マクロスΔ」はアニメの第1回と第2回だけ見た。西暦2067年、人類が奇病に侵され、それを救うために作られた戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の活躍の話。「ワルキューレ」に憧れて入団する少女はりんご農園?の娘でフレイアって名前で(フライアのこと?)、何か特別な力を発するときに「ルン」と言われるものが頭から出てくるので(ルーンのこと?)、「リング」関係がよくわかってるとなるほどなって思う。製作者はワグネリアン?

ルンがピカッと光ったら」は名曲。これはワルキューレの声優さんたちが歌っている。

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さて新国立のワルキューレだが。

ご存知の通り、指揮者がかわり、コロナ禍のためにほとんどの外国人歌手が来日不可能。日本ではよくワーグナーを歌う東京二期会の歌手の方々はびわ湖「ローエングリン」に出稼ぎに行ってたせいか、なんと普段はワーグナー歌わん藤原歌劇団からジークムント&ジークリンデをキャスティング。

ブリュンヒルデは先日二期会「タンホイザー」でヴェーヌスを歌った池田さん、フンディングがヘルマン歌ってた長谷川さん、ヴォータンは関西でたまたまワーグナー・コンサートに出演してたクプファー=ラディツキーさんを引き留めキャスティング。予定通りなのはフリッカの藤村さんとワルキューレの皆さん・・・かな。

しかも。ぎりぎりまでジークムント役は決まらず。「このぶんだと公演まで発表なくて、舞台に出てきて『おお、この歌手だったのか!』ってゲリラ発表だったら面白いかも」って思ったけど、1~2週間前くらいにやっと発表。1幕と2幕は別の歌手が歌うと。

ご覧になった方々のTwitterの感想を見てて、「第1幕を歌った村上さんがかなり不調で、第2幕の秋谷さんに交代すると突然良くなる」みたいな印象だったけど、(かばうわけではないけど)そもそも村上さんは「ボエーム」のロドルフォを歌うようなリリックテノールである。秋谷さんよりもきめ細かやかな表現では優れていたと思うし、個人的には好きな声なのでスタミナ切れが残念だけどそんなに不調でもなかったと思う。

秋谷さんのスタミナと村上さんの表現力を足して2で割ったらちょうどいいんじゃないかな(←無理)。

それとあと、イレギュラーなのはオケで、普段ワーグナー上演ではぎゅうぎゅうトレイン状態のオケピット人数を減らすために、小劇場・中劇場用に作られた「アッバス版」を使用。金管・木管楽器はいろんなパートを吹いたりするからかなり大変そう。(子供のころ読んだマーラーの伝記で、マーラーが駆け出しの頃地方の小劇場の指揮者で、それこそ人手不足で歌手も楽員もいろいろなパートを掛け持ちしてたみたいなことが書いてあったんで、それを思い出した)

残念ながら1階席のためオケピットは全く見えなかったが、耳で聞いてもやっぱり弦は薄い印象。ただ、それがいい事もあって、日本人はやっぱり声量が足りない人が多いので、縮小編成のせいでオケにかき消されることがあまりなかったこと、あと(個人の印象だが)普段はあまり目立たない木管楽器がよく聴こえて、とくにオーボエのソロが素晴らしくてブリュンヒルデが切々と歌うところなどすごくよかった。

まあ、そんなこんなで色々とアクシデントが多い公演であった。第1幕は日本人しか出てこないせいか何故か「ワーグナーというよりはNHKの朝の連続テレビ小説みたいだ。ジークムントはテルヲ?」と思った。

第2幕から突然「ああ、私は新国立劇場にワーグナーを観に来ているのね」という実感が湧く。ヴォータン役のクプファー=ラデツキーさんは新国立の「フィデリオ」の時のドン・ピツァロで見ていたのだが、その時はどうもあんまりよい印象ではなかったようで(自分の感想を見ると)、どうかなって思ったけど、素晴らしかった。自分の今まで観てきたヴォータンの中で最も泣き虫だった。

ブリュンヒルデの池田さんは。日本人キャストの中でもかなり小柄な方なのに、声のパワーは相変わらず。びわ湖「神々の黄昏」では(まあ、ブルーレイですけどね)ワーグナーオペラでは珍しい「恋する女」を巧みに演じられていたけれど、「ワルキューレ」ではジークフリートに出会う前の「まだ色恋も知らん乙女」で「強いいくさ乙女」というよりはあくまでヴォータンの娘であるちっちゃな可愛いブリュンヒルデを歌い、演じられた。

第2ヒロインであるジークリンデの小林さんは、もちろん初めて聴いたのだけど、初役とは思えない堂々たる声でとても感動した。今回のカヴァーであるオルトリンデで出演されてた増田のり子さんを思い出した。前に二期会で歌われた彼女のジークリンデもよかったなあ。

(小林さんは5月に上演予定の新国立劇場「ドン・カルロ」でエリザベッタを代役で歌われるそうです。ついでにエボリ公女を藤村さんとか・・・ないか。)

藤村さんはいつもの・・・いつもの通り。ドイツ人みたいな歌いぶり。押しが強い。気品たっぷりなのに怖い。藤村さんの出演部分だけバイロイト。前の新国のフリッカはツィトコーワたんだったので全然違うキャラクター。

二期会での「ワルキューレ」でもフンディング歌った長谷川さん。流石の貫禄。演出のせいか怖い。悪い顔選手権に出そう。普段はいい人そうなのに。

さて、ご存知の通り昨日の上演中にかなり大きな地震が東北地方に発生。オペラパレスちほーも結構ゆらゆら揺れた。ちょうど激しいワルキューレの騎行の時だったので、ディズニーのアトラクションみたいに感じが出てて良かった(←そんな物騒な)。我々観客はちょっと「地震?地震?」ときょろきょろしたりしてたけど、なんも気にせず上演は続けられた。(その昔バイロイトの「神々の黄昏」上演中に丁度いいタイミングで雷が鳴ったってのがあってだな・・・)

第3幕最後の最後、ややオケは音量はいつもよりは弱かったものの、やっぱりヴォータンとブリュンヒルデの別れのシーンは本当に素晴らしく(ブリュンヒルデよりヴォータンが泣いてるのは新しい)、わたし的にはマスク着用での鼻水だらだらは本当に辛くて・・・。私の周りの観客のみなさん、鼻すすってうるさくてすいませんでした。まあ、周りも結構泣いてたけど。

カーテンコールは何度も続き、スタンディングオベーション。池田さんちょこまかして可愛いなあ。こんな急場を凌いだ大野さんの指揮も素晴らしかった(小編成を補うティンパニードカドカがちょっと気になったけどしょうがないかな)。残り一回の城谷さんもどんなかな。聴いてみたかったなあ。

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2021年3月19日 (金曜日)

鰹の塩タタキをお取り寄せ

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先日、テレビを見ていて高知の鰹の塩タタキが美味しそうだったので、いつもお世話になっている在庫ロス掲示板にて購入。はるばる高知からやってきた。大きな鰹2節入って塩とかポン酢とかもろもろついて2,700円。送料タダ。まあ、スーパーで買えばもっとお安いのでしょうけど・・・。

まあ、そもそも鰹のタタキは大好物なのだが、塩で食べるのは初めて。1節はとても一人では食べきれないので、冷凍のものを出刃包丁でむりやり半分に切って、半分だけ解凍した。で、コンロで炙って厚切りに。紫蘇やら玉ねぎやら色々なお野菜で飾って。いや、お店で食べたらこんな値段じゃ食べれないでしょ。しかも、最近やたらハマっている米「ゆめぴりか」も炊きたてで。店かよ。

いや、美味しかったなあ。なんか味が濃いのよね。また付属の塩で食べるとうまいね。あと3回もこれ楽しめるんだね。おお、幸せ。やっぱり鰹は高知だね。行った事はないけど。

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本日、在宅勤務だったのだが、なんだか国会中継を見ながら仕事してた。菅総理に向かう蓮舫さんの物言いを見てて、「なんかフリッカとヴォータンみたい。ワルキューレ第2幕の。」って思った。めっちゃフリッカに負けてるヴォータン。たじたじ。

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2021年3月 7日 (日曜日)

ハリウッド映画風「ダナエの愛」(YouTube)

休日おうち時間が長いので、あちこちYouTubeを漁ってたら大好きな「ダナエの愛」の上演の映像を見つけた。再生回数が1000も行ってないのでおすそ分け。

DIE LIEBE DER DANAE • Bard SummerScape Opera 2011

全く記憶にないアメリカの団体の上演。ダナエ役を、新国立劇場「死の都」のマリエッタを歌ったミーガン・ミラーちゃんが歌っている。それ以外は誰一人知ってるキャストはおらん。

「ダナエ」はYouTubeだと幸か不幸かザルツブルグでの上演も観れちゃうわけなんで(いいのかな?)、演奏とか歌の実力とか舞台装置の豪華さとかもう、雲泥の差なんだけど(いや比べちゃダメだ)、もうこれ圧倒的に面白いの、演出が。

二期会の日本初演を楽しんだ方だったら是非見て見てえええって感じ。この演出での舞台は(たぶん)1980年代のアメリカ。もともとちょっと前のハリウッド女優みたいな容姿のミーガンちゃんだから(ちょっと太目だけど)この演出にはぴったり。最初の金の雨のシーンはパジャマ姿だ。

国王の4人の姪はめっちゃファッショナブル(メリル・ストリープみたい)だし、その4人の夫の人はみんな昔のドレンディドラマの頃の石田〇一みたいなファッションで面白い。ミダスもユピテルも飛行機のタラップ?からサングラスかけて登場、ハリウッド俳優気どりだ。

昔プレイボーイだったって設定のユピテルはいかにもそれっぽい雰囲気でなかなかいいんだけど、惜しいのはダナエの相手役のミダスがもうちょっと若くてかっこよかったらなあ・・・って思う。まあ、昔のハリウッド映画の相手役の俳優はみんなおっさんみたいな感じだったからいいかなあ(ローマの休日とかさあ)・・・歌はうまいんでいいか。

登場人物みんな個性的なんだけど、メルキュールがサイクリング自転車に乗って登場、何故かドラマ「相棒」のサイバーセキュリティ課の浅利陽介さんっぽいなあって思った。何か狂言回しみたいな役割なのも似てるし(ぜんぜん関係ないけど)。

 

なお、この団体は他にも珍しいオペラの上演が多いみたい。中にはデイム・エセル・スマイス女史の「難船掠奪民」なんてのもあるぞ。

 

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2021年2月22日 (月曜日)

映画/マシュー・ボーンIN CINEMA 赤い靴

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映画「マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴」
(BUNKAMURA ル・シネマ)

今月は私の大好きなイギリスの2つの映画をリメイクした舞台が見られるのでとても楽しみにしていた。一つは「モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル」(舞台は「モンティ・パイソンのSPAMALOT」)で、もう一つはマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガー監督のバレエ映画「赤い靴」である。片やお下劣コメディ映画、片や古典的芸術映画のこの2つを同等に並べるなんて、頭が分裂してる人みたいだけど、元イギリスオタクだからどっちも大好きだ。どちらもイギリスらしい。

「赤い靴」はDVDも持っているくらい好きだ(近所の商店街の昔よくあった露店の大安売りで買った)。何ならオリジナルスコアのCD持ってるくらい好きだ(過去記事)。ついでに映画館でリバイバル上映されたのを観に行ったくらい好きだ。当時の特撮を(頑張って)使用した映像もさることながら、ブライアン・イースデールの音楽が大好きだ。(蛇足ながら米アカデミー賞取ったデル・トロの「シェイプ・オブ・ウォーター」は色彩や美術などこの映画に影響を受けた、という情報も。どっちも好きな映画だからなあ)

そんでもって、今回の映画は。イギリスの名振付家・演出家のマシュー・ボーンがこの映画をバレエ舞台化したもの・・・をまた映画化したもの。本当なら昨年日本で舞台上演する予定だったそうだが(知らんかったけど)、このコロナ禍で中止になったらしい。日本のバレエ・ファンの落胆はいかばかりか。

日本には我々オペラ・ファンよりも多くのバレエ・ファンはいるようで、この映画も最初は1日に1回しか上映しなかったのにあまりの人気で1日3回の上演になった。なので有休休暇を取って(別にこれのために取ったわけじゃなくて会社で取得を推奨されているだけだが)事前に予約して観に行ってきた。午前中の一番早い回だったけど結構混んでた。昼間の次の回は満席だったようだ。

私はご存知の通り(←知らんがな)バレエの生の舞台は生涯で4回しか見たことないし、マシュー・ボーンさんについてはミリしらなので、バレエの知識はほとんどない上の感想ですすいません。

事前には知っていたが、大好きなイースデールの音楽はこの舞台では使用されていない。バーナード・ハーマンの映画音楽が使用されているとのことだった。なので最初鑑賞を迷った(普通より価格設定が高かったんで)。しかし「迷った時は観に行け。観ないであとで後悔するよりまし」っていうのがあたしの座右の銘なので、観に行きました。

しかしまあ、観てわかったのは、「あの音楽を使用したら、ほとんどオリジナルの映画と一緒になってしまうから、別の音楽を使用したのは正解」ということ。ハーマンの音楽は、最後の字幕によると「市民ケーン」などの映画から採られたようである。そもそもバーナード・ハーマンも好きな作曲家だったので、それも良かった。

<あらすじ>
踊るために生まれてきたヴィクトリア・ペイジは、レルモントフ・バレエ団を率いる伝説的プロデューサー、レルモントフに才能を見出され、バレエ団のスターとして活躍するようになる。時を同じくして入団した若き作曲家、ジュリアン。若き2人の情熱と才能が買われ、アンデルセンの童話をもとにした新作『赤い靴』に、それぞれプリマドンナと作曲家、指揮者として抜擢される。舞台は大成功、やがて恋に落ちるヴィクトリアとジュリアンだったが、恋愛に溺れるものは、真の偉大な芸術家にはなれないと信じるレルモントフと衝突し、運命の歯車が狂い始めていく。

映画を改めて事前に見てないのでアレなんだけど、作曲家とバレリーナが恋に落ちてレルモントフの元を去ったあと、バレリーナが場末の劇場でアクロバットとかやってるシーンってオリジナルにあったけな~?とか思ったけど、大体はオリジナルの映画をなぞった感じだった。いや、あの映画を全部セリフなしで踊りだけで表現するんだぜ、バレエって凄いよな(バレエ見るたびいつも思うけど)。

うまいなあって思ったのは、観客の側から舞台を見ていたのを、劇場の幕がぐるりと回って舞台の演じている側から見せているのが、とても面白かった(って説明してもようわからんと思うけど)。ドリフの回り舞台のもっと簡素化したみたいな感じね(違うかあ)。

マシュー・ボーンの振付はとても独特で、他の舞台もどんなのだかちょっと興味が湧いたし、もしコロナが収まってこの舞台が日本で上演されるのなら、(券が手に入るのかわからんけど)見てみたいな、きっと生の迫力は凄いのでしょうね。

おどりの人々はそんなに知らんのだけど(有名なんでしょうね)、レルモントフ役のアダム・クーパーはロイヤルバレエ団の大変有名な世界的バレエダンサーとのこと(つか、名前は聞いたことあったわ)。イケメンでしたね。作曲家役のドミニク・ノースも素敵・・・というかオペラ歌手のでっかい人々ばっかり普段見てるので(←失礼でしょ!)、バレエの人ってほんとに美しいよね。目の保養。

前日の二期会の「タンホイザー」では観客で外人は見かけなかったけど、今日の映画館ではなぜかドイツ人のマダムたちが何人か(ドイツ語しゃべってただけなんで、オーストリア人かスイス人かもしんね)。日本在住の方かしらん。

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渋谷に行ったので、もう何年も食べてない「一蘭」のラーメンを食べた。前に食べたのがあまりに昔過ぎて、並びに並んで席に着いたあと「はて、味とかどのタイミングで注文するんだっけ?」って思ったくらい。久しぶりに食べて替え玉までして堪能。それはもう美味しかった。


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夜、改めて「タンホイザー」を鑑賞。ウチにある「タンホイザー」はいつぞやか頭が狂って購入した「バイロイト音楽祭33枚組」のサヴァリッシュのやつだったので、さすがに古いなあって思った(だって合唱指揮がまだピッツだもん)。ウィントガッセンの舞台をナマで観たことある人って日本にどのくらいいるんだろう。伝説の大阪公演見た人くらいかな。あたしはないわ、念のため。

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