2019年2月10日 (日曜日)

ハンス・ロット/交響曲第1番 ヤルヴィ/N響

1549796754314_3R.シュトラウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品8
ハンス・ロット/交響曲 第1番 ホ長調

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ヴァイオリン:アリョーナ・バーエワ
NHK交響楽団

(2月10日 NHKホール)

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みんな大好きハンス・ロット。「ヤマザキ春のパン祭り」ならぬ、「ハンス・ロット祭り」にやっと参加。何でも昨日の土曜日には昼間に神奈川フィルがみなとみらいでロットの1番を演奏、同じ日の夜にはヤルヴィ指揮のN響がロットの1番を演奏し、翌日の日曜(本日)の昼間にもヤルヴィ/N響でロットの1番を演奏。2日間に日本の首都圏で3回もこのレアな交響曲が演奏されたのである。3ロットともコンプリートされた方ももしかしていたかもしれない(Twitterでちらっと見たが何でもN響のトロンボーン奏者がインフルにかかり神奈川フィルの奏者が急遽カヴァーしたなんて話も)。
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私は言うまでもなく土曜日はタンホイザーに出かけてたため、神奈川もNHKも行けなかった。神奈フィル行きたかったなあ、行けば実穂子さんのリュッケルトも聴けたんだよね。まあ、新国タンホイザーもよかったのでこれは我慢我慢。
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日曜日のNHKで当日券を求めに参戦。結構残ってたのでよかった。知らなかったんだけどN響は自由席ってあるのね。まあ後ろの方なんだろうけど。係のおねいさんに一瞬自由席も勧められたけど今回はレアなコンサートなので奮発してA席で。
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NHKはバーエワちゃんの弾くシュトラウスのヴァイオリン協奏曲とのカップリング。大変申し訳ないが2月に会社が移転し通勤時間が大幅に伸び残業続きのため、あと昨日のワーグナー鑑賞もあり、疲れてシュトラウスは爆睡。ほとんど覚えていないので感想はなし。大枚はたいたのに勿体ない。許して。大好きなシュトラウスでこんなの初めて。
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さてロット。以前アマオケさんによる「田園前奏曲」の日本初演には出かけたことはあるが、交響曲はナマでは初めてである。日本のトップオケ、しかも名指揮者ヤルヴィの指揮ときたら、凄い演奏になるに違いない。
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音楽が始まって最初の方はさすがにあの「エデンの東」みたいなメロディが流れてきて謎の気恥ずかしさに襲われてなんかモジモジしてしまったんだけど(わ、わたしだけ?)、だんだんと・・・アレを思い出したわ、貴志康一の交響曲「仏陀」を。なんか若者が凄く頑張って交響曲を作っているけど、色々な作曲家の既存の曲に似てしまっている・・・ような。でも、この曲の「聴いたことある」感の大半はマーラーの交響曲だ。それはまあマーラーがあとで彼の曲を引用した(パクった・・・というよりも不幸な人生の彼を悼み彼の曲を後世に伝えるために、かと)ことに起因するのだけど。
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本当ならば忘れ去られるところであったロットの曲を、世界的に有名な指揮者が指揮し、腕のよいプロの楽団が演奏する。聴いていてなんだか私は「これでいいんだよ、拙いところもたくさんあるけれど、みんな君の音楽を愛しているんだよ。」とヤルヴィが語り掛けているような気がした。色々音が多すぎるとかうるさいとか、若書きの音楽にありがちの曲だけど、これはこれで良き。
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大好きな第3楽章のスケルツォ、私は周囲に観客がいない(しかも後ろは壁)ことをいいことに、心おきなくヘッドバンキング。1階の前のほうにいた観客も首を振ってノリノリだったのでいいんじゃないかな。
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第4楽章はなんか終わりそうで終わらなかったり、最後は意外にも静かな終結。聴衆の拍手は素晴らしく。いやはや約1時間の大曲が短く感じた。「えーこれ3回も行く人いるの?」とか聴く前は思ったけど・・・行く人の気持ちわかるわ~。私も3回はないけど、タンホイザーがなければ神奈川とNHK、両方行ってたと思う。
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珍曲マニアの知り合いに会うかと思ったけど、意外と誰にも会わず。昨日行ってしまったのかな。帰りに渋谷塔に寄り、バルビローリのトリスタン第2幕完全全曲盤(カットなしアメリカ初演)を発見?したので購入。フラグスタートはもとより、謎のトリスタンとブランゲーネ、マルケ王もみんな意外と良い歌唱。1290円はお買い得。1939年(!)録音。・・・実は昨日のワーグナーからまだ抜け切れてないの。

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2019年2月 9日 (土曜日)

新国立劇場「タンホイザー」

Tanheuser1ワーグナー:歌劇「タンホイザー」全曲
指揮:アッシャー・フィッシュ
演出:ハンス=ペーター・レーマン
美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
照明:立田雄士
振付:メメット・バルカン
領主ヘルマン:妻屋秀和
タンホイザー:トルステン・ケール
ヴォルフラム:ローマン・トレーケル
ヴァルター:鈴木 准
ビーテロルフ:萩原 潤
ハインリヒ:与儀 巧
ラインマル:大塚博章
エリーザベト:リエネ・キンチャ
ヴェーヌス:アレクサンドラ・ペーターザマー
牧童:吉原圭子
合唱:新国立劇場合唱団
バレエ:新国立劇場バレエ団
管弦楽:東京交響楽団

(千秋楽)
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最終日にやっと行ってきた。実はTwitter等であんまり評判よくないのを見て、奮発してA席買ったのを若干後悔していたが、行ってきてよかった。とても感動した。
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新国立で「タンホイザー」観るの初めて。タンホイザーはあまり得意でないので人生たったの3回目である。前回は(すっごい前)皇太子さまと雅子様がご覧になった日だった。アレは演出エグかったなあ。今回の公演は皇太子さまは水曜日に行かれたようで、皇太子で最後のオペラにお会いできなくて残念である・・・って別に知り合いではないんだけど。
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今回の公演で(わたくし的に)特筆すべきだったのは、序曲がパリ版であることである(解説によるとドレスデン版ウイーン版との折衷版ということだが、よくわからん)。子供の時に(お年玉で)初めて買ったワーグナーのレコードが、カラヤン/ベルリン・フィルのワーグナー管弦楽曲集でありまして、それに入ってたタンホイザー序曲がパリ版だった。中間にカスタネットの「カッカラカッカラ」いうのが入ってて、最後には合唱が入るとても素敵な演奏であった。それで育ってきたから演奏会でタンホイザー序曲が演奏されても決してパリ版ではないので、いまいち物足りなく感じていた。
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今回は新国立バレエ団がおどるヤツで、カスタネットのカッカラッカッカラが聴けて本当によかった。合唱も新国立の合唱団だから美しき事この上なく。バレエもなんか映画の「アバター」を思い出すようなコスチュームだったけど、過剰にエロくなくてよかった。
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さて(私が勝手に)期待していた指揮者のアッシャー・フィッシュだが。残念ながら今回は日本のワグネリアン達には受け入れられなかったようだ。決して悪い演奏ではなかったが、いかんせん日本の聴衆は前音楽監督の熱い演奏に慣れ過ぎており・・・私もつい先日新響の「トリスタン」を聴いてしまったものだから・・・演目は違うものの、今回はやっぱり少し物足りなく感じた。恐らく「ヨーロッパ旅行に行ってたまたまスケジュールが合ってたまたま見たふだんのタンホイザー」くらいな指揮レベルだったのかなあと。
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歌手は総じて良かったように思う。タイトルロール(という割には劇中ではタンホイザーとは呼ばれずハインリッヒって一体お前誰なんだ)のケールは、前に観た「死の都」と同じように、最初の方の公演は悲惨ながらも最後は結構調子よくなるという感じであった。新国立でのケールは最終日とるのがコツよん。
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エロ担当と清純担当のそれぞれの女声歌手さんは、どちらも同じように良かった。どっちが優れているとかそういうのはなく、それぞれ。どちらも役に合った声質かと。
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男声の主要歌手では、やはり妻屋さんはもっぱら安定の歌唱。というか妻屋さんが調子悪いの見たことない。我々新国立民は普通に色んな(人間役でも巨人役でもマッドドクター役でも)妻屋さんを見聞きしているけど、これって凄いことじゃないの?
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ヴォルフラムのローマン・トレーケルは普段はスキンヘッドなのに舞台でカツラ被ると途端にカッコイイパターン。「タンホイザー」を観るたびに思う、「エリザベートはどうしてあんなタンホイザーなんか風俗野郎に夢中なの、ヴォルフラムのほうが絶対いい人なのに、バカじゃないの」って思うけど、今日も思った。「夕星の歌」良かった、泣けた。というかそもそも「夕星の歌」はとってもいい曲だ。
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その他、大変素晴らしかったのは牧童の吉原さん。朝の光に吸い込まれそうな美声で最初からホロリと泣きそうであった。オーボエも(いやこれは奏者が吹いてるんだけど)素晴らしかった。
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演出は、普通に受け入れられやすい演出で、よかった。帰る道々ワーグナーにあんまり詳しくなさそうなマダムたちも「なんか今まで一番良かった」って話すのを聞いたので、わかりやすかったんだと思う。ただ、ヴェーヌスがいつも乗って出てくる「ヴェーヌスベルク号」が最後にゆっくりと後方に引っ込んでいくところがなんかじわじわ来て笑ってしまった。
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しかしまあ、一番良かったのは言うまでもなく新国立劇場合唱団の皆様。もう世界に誇れるレベルかと。トンでもなく昔に聴いたバラッチュ率いるバイロイト祝祭合唱団と張れるよきっと。
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ただ、本日唯一残念だったのが・・・聴衆である我々がいまいち体調がすぐれない人が多かったことで・・・雪が降るような極寒の中やってきて、劇場内は暖房と満席ですっごく暑くて、私は上はブラウス一枚になって観劇してたくらい。いつもよりすごく咳払いが多くて私の前にいたおじさんがブチ切れたりとか、散々な日であった。まあ、体調は急に悪くなったりするし仕方がないんだけどね。

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映画「私は、マリア・カラス」

Mariacallasとくにすごく感動したというわけではないのだが、会社が移転してたまたま近所の映画館でやってたので(映画館に入ってみたくて)2回目を観た。例の映画「ボヘミアン・ラプソディ」にもカラスが歌った「カルメン」のハバネラが使われていたけれど、あの映画のフレディとは違いこの映画はちゃんと本人の映像が使われており、すべて彼女の言葉で綴られている。彼女の書いた手紙を読む声は、以前映画で彼女の役を演じた女優さんが担当している。
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ドキュメンタリーなので、「ボ・ラプ」みたいな圧倒的な感動とか盛り上がりとかそういうのはないのだけど、彼女の人生自体はドラマティックだし、プリマドンナとしての苦悩とか恋に生きる1人の女としての苦しみとかが描かれていて興味深い。未公開映像がかなり含まれているようで、この映画で初めて観る映像がかなりある(ていうかそもそもそんなにカラスの映像を見てたわけではないのでわからないのだが)と思う。
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のっけからの蝶々さんの登場シーンで圧倒される。カラスの蝶々さんの映像があったのか!とびっくりする。まあ、舞台自体は(後ろの合唱の人とか)なんちゃってニッポン満載なのだが、当のカラス本人はなかなかの着物の着こなしであり、本当に奇麗である(可愛い)。歌ももちろん凄い。アレ、ナマで観たら号泣しそうだな。出てきただけで号泣する自信あるわ。
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他にも珍しい舞台(ヴェスタの巫女だっけかドラを鳴らすの)がたくさん見られるし、結構晩年にあたる東京での来日公演の模様もちゃんと出てくる。っていうか、ロックコンサートばりに舞台に観客が押し寄せて握手を求めたり花束を投げたりするの、最近はクラシック・コンサートやオペラでは観たことないな。あまり大スターのコンサートに行かないせいかな。昔はあんなだったんだよなー。
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カラスは、大歌手としての名声は得たものの、(大スターにはありがちだが)私生活面では幸せは得られなかった。結婚相手のメネギーニはほとんどマネージャーみたいな感じだったし(仕事面のサポートはしてたが、彼女を母親にはしなかった)、世紀の大恋愛?と思われる大富豪オナシスとは悲恋に終わった。まあ、ウィキペディアなんかで見ると元ケネディ夫人のジャクリーヌが、ケネディの死後自分の子供の命を狙われるのを危惧して、家族の命を守るために強引にオナシスを奪ったみたいな感じだったので、カラス本当にかわいそーにと思った。オナシスとジャクリーヌの結婚を知ってカラスは相当ショックだったようで、その時のことは友人への手紙に切々と綴られている。それにしてもオナシスってアリストテレス・ソクラテス・オナシスって名前なんだって初めて知った。偉い人すぎるわ。日本で言うと「鈴木聖徳諭吉」みたいな感じか(違う)。
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この映画は(まだ映画館で上映しているうちに)カラスのファンはもちろん、おおよそのオペラ好きな方は観た方がいいと思う。わたくし的にはメトでの舞台を見るために徹夜で並んでる昔のペラキチの若者たちにインタビューするシーンで、壁に貼ってあるシュトラウスのサロメのポスターに目が釘付けだった。「あ、ニルソンが!アイリーン・ダリスも!」などと。あと、まだ若いジョルジュ・プレートルがアリアの伴奏の指揮してるのがほほーと思った(そもそもEMIでかなりオペラの録音を残してるので、そんなに珍しくはないのかな)。

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2019年2月 2日 (土曜日)

映画「ファンタスティック Mr.FOX」

Fantasticfox


ウェス・アンダーソン監督の映画が面白いということがわかったので、珍しく199円をアマゾンに課金して鑑賞。「犬ケ島」より前に作られたストップモーションアニメーションである。
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童話が原作(チャリチョコの作者の作品という)だが、この映画はおそらく子供向けではない。主人公キツネ夫婦の声がジョージ・クルーニーとメリル・ストリープ、敵役のネズミがウィレム・デフォーという豪華版。妻帯者のキツネの男が、子供ができたので泥棒の仕事から足を洗って三流新聞のコラムを担当し地道に暮らしていたが、洞穴暮らしから木の上暮らしとなり、昔のスリリングな生活を思い出し、ついつい近隣の人間の農場にチキンやリンゴ酒を盗みに入り・・・という感じの話。
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出てくる動物たちはちゃんとスーツなり洋服を着ているので、わざわざ作るの大変な人形アニメにしなくても、人間が演じてもよくね?ぐらいな感じである。動物らしくなるのは食事のシーンだけであり、他は普通の人間と何ら変わらない。主人公の息子と、親の入院のために居候することになった従弟の不仲とか「ああ、こういうの普通にあるなあ」というくらい人間らしい。
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ウェス・アンダーソンの作り出す絶妙な間が心地よいし、相変わらずアレクサンドル・デスプラの音楽は素敵だ(シェイプ・オブ・ウォーターの音楽にちょっと近い)。それにしてもデスプラという作曲家は生きてるうちに何回アカデミー賞取るんだろう。
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家庭を持ち子育て中の男の人だったら、かなり共感できる映画かなと思う。いや全然違う私も大好きだけど。ジャケット写真とかで「どうせ子供向けだし・・・」と思って敬遠するのは惜しい映画だ。2日間しか見られないのが悲しいのでブルーレイ購入を検討中。ああ、でもこの監督の他の作品も見たいな。
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先日、会社を辞める人の壮行会で、「ボヘミアン・ラプソディ」を観た管理職の女性と意気投合。まあそれはよかったんだけど、わたしの苦手な(というか空気が読めないのでみんなに嫌われている)他の部署のカチョー(ボラプを観てハマった)にそれを話してしまったらしく、「これはやばいなあ。なるべくかかわりたくないのに」と思った。案の定、次の週の事務所全体の飲み会の時に超ロックオンされて、「仲良くしましょう」とか言われてかなり迷惑。
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しかも別の部署のこれまた苦手なブチョー(悪い人ではないのだが、「自分は人と話すのが大好き、なら相手も自分と話すの楽しいはず」と思っているけどみんな敬遠している)が元クイーンファンということで帰りがけに近寄ってきて、「僕もクイーンのファンなんですよ、武道館のライブにも行きましたよ」と自慢げに言われたので、もうボラプ観るのもクイーン聴くのもやめようと思った。というか、会社では「もう飽きた」体で接しようと思う(別に飽きてないが)。

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2019年1月27日 (日曜日)

映画「グランド・ブダペスト・ホテル」「犬ヶ島」

映画「グランド・ブダペスト・ホテル」(吹替版)
加入しているauビデオパスのビデオコインの期限が切れるので、テレビで映画を鑑賞。
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アカデミー賞4部門、他にも数多くの映画賞を獲得している映画。何故か映画館では観なかったのだけど、テレビなんかで観ないで映画館で観るべき映画である。ウェス・アンダーソンってヨーロッパの映画監督なのかと思ったらアメリカ人であった。しかもまだ40代という。
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「ズブロフスカ」という架空の国の(かつての)高級ホテルの話。最後の最後にシュテファン・ツヴァイクの著作にヒントを得たとのクレジット。どの作品なのだろう。とにかく美術がすばらしいし色彩のセンスを感じる。内容もウィットに富み、間やテンポが小気味よい。アカデミー賞レギュラーメンバーのデスプラの音楽もよいし、ここにいらっさるようなよいこのお友達には誰にでも薦められる名作である(今更だけど)。
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映画「犬ヶ島」(吹替版)
ブダペストホテルがあまりに良かったので、同じ監督の「犬ヶ島」を鑑賞。同じ監督ながら・・・全然違う。こっちはめったやたらに薦められない感じである。日本人が見てるからかもだけど「突っ込みどころ満載」どころか「突っ込みどころだけで作られたような映画」である。全体に監督の「日本への愛」と「黒澤明への愛」(あと、宮崎駿愛)が溢れまくっている。内容はなんというか・・・犬版「七人の侍」とか、逆「生類憐みの令」みたいな内容である。
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あまり前情報を入れないで観たので全部CGなのかと思ったら「ストップモーションアニメ」であった。縫ぐるみを何百体も作り、何度も撮影してアニメにするってアレである。正直・・・そんなふうに見えなかった。あんな手のかかる手法と今時やってるのって「ウォレスとグルミット」くらいかなと思ってたので大きな驚きであった。
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舞台は日本の「メガ崎市」。外人が思う「勘違いニッポン」だらけの映画である。もう・・・ここまでやってくれたら「ここが違う」とか「なんかここがヘン」とか言ってられないくらい凄い(お寿司作るシーンとか)。なんか違う国の話だと思っていい。
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音楽はまたもやデスプラだが、かなり「七人の侍」の音楽が使われており、これっていいの?(私は日本の映画音楽も好きなのでいいんだけど)とか思った。いやほとんど早坂文雄でしょう。
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まあ、「グランド・ブダペスト・ホテル」と内容は全然違うけど、カメラワークとか(やたらとまっすぐ横方向、縦方向の撮り方が多い)、ちょっとした間とかは似たところは多い。
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なお、この作品は第91回アカデミー賞に作曲賞と長編アニメ賞でノミネートされている。なんか取るかな。
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なんやかんやごたごた言いながら、2日間で3回観てしまった。(なお、犬好きが観るの辛いとか、そういうかわいそうな映画ではないのでご心配なく。)
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会社が移転するので(もう泣きたい)、新しい定期券を買いに行き、ついでに東京駅のキャラクターストリートに行ってみたが、欲しかった「チコちゃんに叱られる」グッズが全部売り切れていてがっかり。マグカップとかTシャツとか欲しかったんだけどなあ。カラスのキョエちゃんも好きです。

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2019年1月26日 (土曜日)

新響:トリスタンとイゾルデ(2019)

Shinkyouワーグナー;楽劇「トリスタンとイゾルデ」
第1幕への前奏曲、第2幕全曲、第3幕第3場
(演奏会形式・日本語字幕付き)
トリスタン:二塚 直紀、イゾルデ:池田 香織
マルケ王: 佐藤 泰弘、ブランゲーネ:金子 美香
クルヴェナール:友清 崇、メロート:今尾 滋
牧童:宮之原 良平、舵取り:小林 由樹
飯守泰次郎指揮 新交響楽団

(1月20日東京芸術劇場コンサートホール)
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新響:トリスタンとイゾルデ
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飯守さんの「トリスタンとイゾルデ」inティアラこうとう
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(会社で)法定調書作成作業に追われていて、演奏会より1週間近く経ってしまってちょっと記憶が飛んでる部分もあるけど今頃感想。
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新響さんのトリスタンは以前2006年に聴かせて頂いた。今や普通にアマオケさんのコンサートに行かせて頂いているが、実はその日が初のアマオケ鑑賞である(友人知人関係以外)。それと、初飯守さん。「アマオケなんて」とか「日本人のワーグナーなんて」と若干ナメてた感があり。全部覆されて今の私がある。
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前回は1~3幕の抜粋版であったが、今回は第2幕全曲と第3幕最後の場面(と前奏曲)。合唱も入った抜粋版(というか短縮版)は素晴らしかったがやはり全曲聴きなれた人にとってはちょっとブチブチと中抜け感があった。今回は第2幕全曲滞ることなく聴けて、本当にありがたかった。普通の上演では結構ある二重唱の中間カットもなく。
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まあ、この調子で全幕聴きたいとは思ったのだけど、第2幕だけ演奏するってことで題名役二人は全力投球であったから、これはこれでよかったかなと。昔、バーンスタインがトリスタンの録音を一日1幕づつライブ録音したのを思い出す。どの幕を単独で取り出しても素晴らしいのだから、他の日に1幕だけとか3幕だけとかやってほしいな、このメンバーで(マルケ王は別の人がいいかな)。
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歌手の方々は・・・題名役二人は本当に素晴らしかった。まあ二期会の上演の時の池田さんのイゾルデの評判は良かったので(私は二期会の時にはダブルキャストのもう一方を取ったので残念ながら見てないのだけど)期待通りで、いや期待をはるかに上回ってよかった。なんだろう、オケの後ろに歌手が配されていたのだけど、よく通る美しい声が印象に残る。わたし的にはカンブルラン指揮の時のレイチェル・ニコルズ以来の名歌唱だったと思う。
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それと並び・・・トリスタン役の二塚さんが本当に発見というか素晴らしかった。このところトリスタン役を外しまくってた(スティーヴン・グールド以外)ので、日本人でこれは凄いと思った。もちろん3幕とも歌ったとしたらこのパワーを保ち続けるのは大変だとは思うけど、それでも・・・びわ湖の時やカンブルランの時の外人トリスタンよりは全然いい。二塚さんはびわ湖のときはまだ水夫を歌ってらしたのねえ。ヘルデン・テノールというよりはリリックで、しなやかな美声。さすがにびわ湖4大テノールである。
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バイロイトも経験ありの金子さんのブランゲーネも素晴らしく。2幕は歌うとこ少ないクルヴェナールの友清さんはなんか勿体ない感じ。この役好きなのでもっと聴きたいな。メロートの今尾さんはジークフリートを歌う日本で数少ないヘルデン・テノール。いつかトリスタンも・・・。
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今回も友人(さほど詳しくない、普通のオペラ好き)と鑑賞したのだけど、トリスタンは全く初めてだったものの、「なんか・・・お話し自体は夜だの朝だの色々言っててなんかめんどくさいけど曲はすっごく良かった」などと言ってて、堪能してたのでよかった。長くて退屈だったらどうしようかと思ったので。あと、第2幕全部聴いて「あの・・・このオーケストラの人って普段別の仕事してるってこと?めちゃくちゃうまくない?」と言ってたので「アマオケだもん、他に仕事してるよ(違う人もいるかもだけど)。」と答えた。いや、アマオケの演奏レベルは今は高いけどね。ここのワーグナーは格別。だって飯守さんだもの。プロオケだってこんな名演奏はできるとは限らない。滔々と流れる大河のように長い曲を滞ることなくここまで・・・。
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今回この演奏会は全くノーマークだったので連絡・手配頂いたオケの方に大きな感謝を述べたい(述べてるけど)。また!飯守ワーグナーの時は宜しくお願いします。

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2019年1月14日 (月曜日)

ROHシネマ「ワルキューレ」パッパーノ指揮/キース・ウォーナー演出

1547466362702ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」
【演出】キース・ウォーナー
【指揮】アントニオ・パッパーノ
【出演】スチュアート・スケルトン(ジークムント)
エミリー・マギー(ジークリンデ)
ジョン・ランドグレン(ヴォータン)
ニーナ・シュテンメ(ブリュンヒルデ )
エイン・アンガー(フンディング)
サラ・コノリー(フリッカ)他
ロイヤル・オペラ・ハウス
【上映時間】5時間1分
【料金】5,000円
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3連休。正月から体調が悪くて2日間ゴロゴロしていたが、今朝は調子が良かったので日本橋に映画に観に行く事に。たまたまAUビデオパスを見たらポップコーンとドリンクセットが100円、映画は1100円ということだったので、行く事に。ボヘミアンラプソディは・・・ちょっと考えたけどまだ1月ぐらいはやってそうな気がしたので、もうすぐ終わってしまう「私はマリア・カラス」に行く事にした。
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ところが。
カラスが終わって1時間くらいあとにロイヤル・オペラ・ハウスの「ワルキューレ」の映画を上映するということに気が付いたので、ついでに観ることに。というか、「ついで」が上映時間5時間というのもなんだかなあという気もしたが。ボ・ラプの2倍だぜえ。
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券を買い(AUのたまりにたまったポイントで買ったのでタダ)、こないだ行って閉まってた小諸そばでカツどんを食べ(500円だけど出来立てで美味しかったあ)、福徳神社で初詣をし(宝くじ買う前に行くべきであった)、正月のお雑煮で使い果たした茅乃舎のだしパックを買い(美味しいの~)、映画館に戻る。
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まあ、休日だったせいか、(ちっちゃいホールだったけれど)席の半分くらいはうまってた。ワグネリアンらしき男性たち多数。
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今回の公演のポイントは色々あるんだけど、何と言っても「トーキョー・リング」を演出した実績のあるキース・ウォーナーが演出だってことだと思う。あんなに面白い、ポップでキッチュな演出をする人なので、現在は本国でどんな演出をするのか興味があった。あと、エミリー・マギーとニーナ・シュテンメというキャスティングも大いに惹かれた。あと、ずいぶん昔に実際に聴いたロイヤル・オペラ管弦楽団の高性能っぷりはいわずもがな。名指揮者パッパーノもどんな指揮するんだろう・・・など。
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まず演出だが。同じ演出家か?と思うほど全然違う。キッチュでもポップでもなく、全体的に暗い感じだし、普通のヨーロッパの歌劇場の演出ってな印象。でも、ドイツの歌劇場やザルツブルグでするようなヘンテコ演出ではない。まあまあわかりやすい。まあ、世界中の映画館で上映するんだもんね、あまりヘンテコ演出も困るし。「トーキョー・リング」を唯一思い出させるものといえば、神々の世界から下界?に降りる細い長いハシゴがあったことくらいで・・・。
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あと、ワーグナーのト書きのちょっとしたことを演出に反映させて「ああ、そういうことだったの・・・」と感心するところはこの演出家かなあとおもった。例えば。第3幕のワルキューレの騎行の場面でヴァルトラウテがジークルーネに「何ぐずぐずしてたの?」と聞くとジークルーネが「ちょっといっぱい仕事があってね」と答えるところ、普通なら流してしまうところを・・・収集するべき英雄がバラバラ死体だったりとか。そのあとみんなで死体を組み合わせてちゃんと昇天させてあげるとこ(映像でね)とか、「なるほどなあ」ってなった。
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歌手は。なかなかの豪華メンバーだと思うが、期待してたマギーたんが若干調子が悪そうだったのが残念。ジークムントとヴォータンはなかなか頑張っていたものの、おととし新国立で見聞きした同役・・・スティーヴン・グールドとグリア・グリムスレイには(私の中では)どうしても勝てず・・・まあナマで聴いたものと比べてもしょうがないか。フンディング役の人は悪かっこよくてよかったし、フリッカもかなり熱演だったしちょっと若いころの草笛光子さんに似ててかっこよかった。
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しかしまあ、今回の一番の功労者はやっぱりニーナ・シュテンメだと思う。本当に素晴らしい。随分前にROH現地で(工事中だったので場所はロイヤルアルバートホールだったけど)見聞きしたヒルデガルト・ベーレンスを思わせる声と表現であった。素晴らしい。第2幕のジークムントに死を宣告するシーンでは泣いてしまった。ああ、ナマで聴いてみたい・・・まあ、聴いたことあるんだけどマルシャリンだったもんでな、ワーグナーを聴きたい。マルシャリン12年も前か。
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あと、日本ではできなそうだなあと思ったのは、最後のブリュンヒルデを火で囲うシーンで。本当の火を使うのはよその国では当たり前なのだけど、ヴォータンが固形燃料的なものを手のひらにくっつけて、火をつけると火柱がボッと出るやつをやってて、あれ、手品師じゃあるまいしかなり怖くないかなあと思った。
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あと、幕間で指揮者やコレペティトールや楽団員にいろいろとこの演目についてのインタビューをしてたのだけど、他の人はこの作品が「何回やっても難しい」だの「天才的」だの言ってたのに、ハープの女性が「いつもハープって1人か2人なので、ワルキューレは6人もいて楽しいheart」だの「ちょっと間違えても他に5人いるから誰かがフォローしてくれる」だの「終わったらみんな(元の楽団に)戻ってしまうからさみしいsweat02」だの言ってて、とっても可愛かった。
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・・・などと色々書いているけど、家帰ったらやっぱりクイーン聴いてるんだ私。なんじゃ。

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